原宿の竹下通り、昔も今も若者のファッション街である。
ここを通り抜けて明治通りに出た左手あたり、昭和二十三年
の九月三日、歴史的な集会があった。
朝日新聞土曜版が今月から刷新され、「みちものがたり」
が「はじまりを歩く」に代わった。ウォーカーとしては、
引き続き興味深い。
前日「お宅のマッチはよくつきますか。燃えないマッチ
を持ちよって良質のものと交換させましょう」、主婦たちが
車からメガホンで翌日の集会への参加を呼びかけた。
当時はマッチが必需品、これがないと食事の準備が始ま
らなかった。しかし、配給されたマッチは「爪ようじ」と
評される粗悪品。質の良いものはヤミ市で売られた。
翌日の集会には数百人の主婦が大量の不良マッチを持ち
より、謝罪するメーカーに交換させた。後に「不良マッチ
追放主婦大会」として知られるこの集会は、前年の第一回
参議員選挙で当選した「奥むめを」が呼びかけた。
この翌月に「主婦連」が発足した歴史的集会であるが、
消費者庁が発足したのは五十九年後(2009)である。
この歴史的集会が行われた社会事業会館は、今は原宿
警察署となっている。コロナが落ち着いたら久しぶりに
このあたり、「はじまりの道」を散策してみよう。
消費者活動の「はじまり」を思い昨日の日の出を