じんべえ時悠帖Ⅱ

桑原亮子という歌人

 昨日に続いて、NHK朝ドラ「舞いあがれ!」の脚本を書いた

桑原亮子の歌集から。昨日の朝日「折々のことば」で鷲田清一

取り上げた歌である。

 

  縫いしものに針の残りてをらぬこと

          確かむるごとメールを見返す

                    桑原亮子

 

 会社時代、ある工場の設備のテーマが大幅に遅延するという

トラブルが発生した。調べると、工場の担当者と我が社のエンジ

ニアの間の感情的なシコリが原因だった。

 要望や回答など、何と「全て」メールのやりとりだったという。

要望の真意、それに応える難しさなど直接顔を合わせて遣り取り

すれば妥協点があったかも知れない。

 メールだけの遣り取りは、一字一句で両者の齟齬をどんどんと

深めてしまった。しかし、解決策は簡単。二、三度顔を合わせて

打ち合わせさせると妥協点が見つかり丸く納まった。

 

 縫い上がった布に残った針を探すようにメールの文言の棘(トゲ)

を探る。言葉足らずで人を傷つけていまいかと。いい歌であるし、

心がチクリとする歌である。

 

昨日の早朝散歩、川霧と日の出

 

 

 

 

 


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コメント一覧

jinbei1947
ワイコマ様
仕事の相手のメール文面が次第に刺々しくなったことがありました。
後で聞くと、私の言葉足らずのある表現がきっかけと解りました。
親しい友人間ではかなり辛辣な表現も行き交いますが、少し気をつけないと
いけないようです。
ykoma1949
最近の連絡は、ホント メールが多くなりました。
私らの頃には、まだファックスが主流でした。下手な字であっても
自筆の文章には、多少の齟齬があっても、許されてきましたが
近年は、メールが殆どで・・そのころ私の職場でも、業務用は
発信前に、他のものが変換等の誤りなどと文面を確認してから
送信することにして、誤りを防いでいました。
でも、メールはメールで活字の羅列に如何に温もりや心遣いを
投じても・・電話の声には敵いません。
今は皆さんどうしているのか??と思いつつメールをしています
今の私は、誰もチェックしてません、言葉遣い、変換誤り、失礼
な文言・・毎日当たり前になっています 悲しいがこれが私です
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