季節は夏から秋へ。今年も暑い秋になりそうだが、秋と言えば読書。
その前に浅田次郎の「終わらざる夏」を読み終わった。文庫本で上中下
の三冊、併せて千ページを超える大作である。
最近読んで紹介した「シエラザード」と共に、太平洋戦争末期の
話である。舞台は昭和二十年八月。本土決戦に備えて、文字通りに
「根こそぎ」とも言える招集が全国的にかけられていた。
その中で、本籍によって弘前の連隊に出頭したある3人が主人公
である。いずれも本来なら招集されるはずない事情を持つ身だが、
本土決戦はそれを許さなかった。
彼らが向かったのは千島列島の北端、占守(シュムシュ)島。根室から
1200キロ。目の前はソ連領カムチャッカ半島である。既に日本軍には
まともな艦艇や輸送船はなく、漁船に惹かれた大発艇で荒海を進む。
荒天のため国後に避難した後なんとか占守島に着く。そこには帝国
陸軍の中でも練度が高く装備も充実した戦車大隊をはじめとする一個
師団2万3千人が駐留していた。
3人の補充兵など全く必要のない状況。何故?続きは次回。
冠水と飛行機雲、今朝の江戸川の日の出