今日、お盆参りにお伺いしたお宅で、小学校2年生と幼稚園のお嬢さん達に
「住職さん、おばけ(幽霊)っているんですか? 」
と、ご質問を頂きました。
さて、困りました8歳と5歳のお子さんにどうお話してよいものや・・・
さらには、ご両親もお祖父様・お祖母様も、この質問の答えに興味津々のご様子なのです。
私は、いるともいないとも断言は出来ないのですが、幽霊を見たという人はいると思います。見たという人を嘘つき呼ばわりしたり、疑うことはしませんとお話して、以前本願寺布教使の小林顕英先生にお聞きしたお話をさせて頂きました。
日本の怪談話に出てくる幽霊は、女性で若くて美人だそうですが、それ以外に?幽霊?に共通している点が、三つあります。おわかりですか。ちなみに、男性の場合は?幽霊?とは呼ばないそうです。男性の場合は?化け物?だそうです。
共通している三点とは、ザンバラ髪で、両手を前に出し、足がないということです。
この?足がない?というのには、一つの例外があります。『牡丹灯篭(ぼたんどうろう)』という話は、カランコロンという下駄(げた)の音が入りますから、この話の?幽霊?は例外的に足があるのです。
ザンバラ髪というのは、どういうことかと言いますと、『後ろ髪を引かれる』と言われますように、過ぎてしまったことに、心を残しているということです。あんなことを言わなければ…。こんなことさえしていなければ…と、いうことです。
両手を前に出しているというのは、「取り越し苦労」ということです。出かける前日には、天気予報がとても気になります。しかし、いくら気にしても、降る時には降りますし、寒い時には寒いのです。どれほど私が心配してもどうにもならないことに、目を奪われてしまっているのです。
過ぎてしまったことに心を残し、まだ来ぬ事に目を奪われてしまい、?一番大切な私の足下がお留守になっている?というのが、足がないということです。
本当に?幽霊?を見たことは、ありませんか? 実は、鏡を目の前に持ってくればよいのではありませんか。
と、つまり幽霊とは自分自身であったり、自分自身が生み出す不安や不満が恐ろしい姿のマボロシのようになって現れるものかもしれないということですと・・・。
お嬢さん達の反応は、
「ふーん、よく分かんない」
と、つれなかったですが、帰りがけに懐かしい歌を聞かせてくれました。
この歌と共に今日のことを覚えていてくれたらありがたいなぁと思います。
『おばけなんてないさ』
槇みのり作詞・峯陽作曲 ←クリックしていただくとメロディが聞けますよ!
おばけなんて ないさ
おばけなんて うそさ
ねぼけたひとが
みまちがえたのさ
だけどちょっと だけどちょっと
ぼくだって こわいな
おばけなんて ないさ
おばけなんて うそさ
ほんとに おばけが
でてきたら どうしよう
れいぞうこに いれて
カチカチに しちゃおう
だけどちょっと だけどちょっと
ぼくだって こわいな
おばけなんて ないさ
おばけなんて うそさ
だけど こどもなら
ともだちに なろう
あくしゅを してから
おやつを たべよう
だけどちょっと だけどちょっと
ぼくだって こわいな
おばけなんて ないさ
おばけなんて うそさ
おばけの ともだち
つれてあるいたら
そこらじゅうの ひとが
びっくり するだろう
だけどちょっと だけどちょっと
ぼくだって こわいな
おばけなんて ないさ
おばけなんて うそさ
おばけのくにでは
おばけだらけ だってさ
そんなはなし きいて
おふろにはいろう
だけどちょっと だけどちょっと
ぼくだって こわいな
おばけなんて ないさ
おばけなんて うそさ