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南伝パーリー経典に収められている見聞覚知と自己との関係に関するブッダの簡潔な教え「バーヒヤ経」です。
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祇園精舎跡
バーヒヤ経
バーヒヤ経
樹皮衣のバーヒヤは南の島スリランカから長いながい旅の末に、ようやく北方コーサラ国の首都サーヴァッティーにあるジェータ林の園で托鉢中のブッダに会うことができた。
バーヒヤはその場で教えを求めた。しかし、ブッダは今は托鉢中である、という理由で二回も「後で説法します」と断りました。ところが、バーヒヤは「食べることは何時でもできるが、人はいつ死ぬかわからないのでその前に浄らかなこころを作ることが大事ではないか」と、ブッダを説き伏せて説法を聞く機会を得ました。ブッダはその場で立ったままバーヒヤに説法をしました。
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平山郁夫画「祇園精舎 ブッダの説法」
「それではバーヒヤよ、あなたは次のように学ぶがよい。
見たものの中には
見ただけのものがあり、
聞いたものの中には
聞いただけのものがあり、
考えたものの中には
考えただけのものがあり、
知ったものの中にはただ
知っただけのものが
あるであろう、、と。
バーヒヤよあなたはこのように学ぶがよい。バーヒヤよ、
あなたが見たものの中には
ただ見ただけのものがあり、
聞いたものの中には
ただ聞いただけのものがあり、
考えたものの中には
ただ考えただけのものがあり、
知ったものの中には
ただ知っただけのものがある。
バーヒヤよ、あなたは
そこにはいないのである。
バーヒヤよ、そこにあなたがいないから、バーヒヤよ、あなたはこの世にも彼の世にもその二つの中間にもいないのである。これこそが苦の終極である。」
ウダーナ(自説経)菩提の章10
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