努力する人々

2010年03月21日 | 日々の想い
大変お世話になった方がご逝去され、葬儀に出席できなかったので、朝からお悔やみに伺う。

その後、佐賀事務所で来客。

長年、親しいお付き合いをしている方が、先週の金曜日に長崎大学の大学院(社会人)で博士号を取得された。
一刻も早く、私にその報告をしたいとお越しになった。

氏は、大学卒業後、長年NTTに奉職され、早期退職後は佐賀へ帰郷し、家業は夫人と子供達に委ねて、青春時代からの思いを具現化するために社会人学生としての生活6年を経て、今回の博士号取得に至った。

その喜びは例えようもない程で、長年の努力が実った喜びが伝わってくる。
私には、その笑顔がとても嬉しかった。

博士号授与式には、長年支え、苦労をかけた夫人や子供たちを同席させ、喜びを分かち合ったとのこと。

本当におめでとう。


また、午後からは佐賀県重要無形文化財に指定されている「名尾和紙」を保護と活用に努められた谷口進氏の叙勲祝賀会に主席する。

私も、伝統工芸の町「有田」に住み、有田焼業界のリーダーを務めていた者として、伝統を育むことの苦労は計り知れないものがあることは熟知している。
それぞれの時代の要請に応えていくためには、単に技術を保持するのみでは伝統を引き継いでいくことはできない。
時代のニーズに応えていく作品を提供しようとする開発精神が、伝承技術を更に伸ばしていく力になる。

名尾の地では、当時30世帯ほどの紙漉き工房があったらしいが、今では谷口氏の工房だけになっている。

今後は、この技法を単に工芸品のみならず、地域の文化遺産として将来に残して頂くよう、ご活躍を期待してやまない。