評価:★★★★[4/5]
アポロ計画の陰謀説はタブロイド誌の陰謀か。
・・・とか、鑑賞後には
こんな見出しはバカバカしくなります。
月面着陸に成功した11号から始まり
全部で9回の月面着陸をした
当時の宇宙飛行士による証言を軸に
秘蔵フィルムなどを織り交ぜて綴る
感動のエンタテインメント・ドキュメンタリー。
◇
少なくとも本作を見る限り
それまで言われてきた“やらせ疑惑”というものが
本当にくだらないことのように思えてくる。
本作を観れば、
そういうことに対し議論していたバラエティ番組など
半信半疑な気分で見ていたワタシでしたが
それがとても無駄な時間を過ごしていたように感じてしまう。
(映画好きだから陰謀説も大好きでしたが(笑))
当時の宇宙飛行士たちの証言では
彼らは自身の責務に対し誇りを持ち続け
当時の事を語っているうちに熱い物が込み上げてくる。
1969年7月20日
人類初となる月面への第一歩を踏んだ
アームストロング船長につづき
同じイーグル機のクルーであったバズ・オルドリンの
こぼれ話が実に愉快であった。
船外に降り立つ最後の階段で10~15秒の間
じっと静止していたのは
今でこそ言えるが、実は尿パックを満タンにしていた。
そう、おしっこをしていたと言うのだ。
船外には先に降りたアームストロングがいるので
全世界は彼に注目している真っ只中の出来事だった。
さすがにこんなことは
地上との交信で言えることではないね^^
発射の瞬間の心拍数が144だったとか
また、ある者は普通に70くらいだったが
それは歳のせいだからだよ。とか。
11号の発射の瞬間は機体がまっすぐ上がらず
微妙に横ズレしていたが後方のバランサーエンジンで
なんとかバランスを取りつつも
発射台の方に行かなければと祈っていたという。
細いエンピツを打ち上げるような感じで
それのバランス取りだから
単純に考えても大変なことが分かる。
◇
全世界が固唾を呑んで見守る中
ついに成し得た最高の瞬間を
アームストロングの有名な言葉
「ひとりの人間としての一歩は小さいが
人類にとっては大きな飛躍だ」
沈着冷静な彼だからこそ言えた彼らしい言葉という。
次のアポロ12号の着陸船パイロットの
アラン・ビーンは言う
「私が人類初の第一歩を踏んだら
あんなに冷静な言葉は出てこないだろう
『やった~!月を踏んじゃったぜ~!!!』と
なっていたことだろう」。
この偉業を成し遂げた彼らは
ヨーロッパ、アジア、アフリカなど
世界に招待されることになるが
そのときに誰ひとりとして
「アメリカは偉大な事をしましたね」
ではなく「人類は偉大な事をしましたね」と
アメリカでなく人類と云う言葉が
誰の口からも自然に出てきたことは嬉しかった。
世界が初めてひとつになった気がしたという。
もちろん、あの時アームスロング船長が
発した“人類”という、地球規模での
とても素晴らしい言葉によるところである。
◇
本作は、とにかく大画面で観ることをお薦めします。
ケネディ宇宙センターにそびえ立つ
発射台から離れるアポロ11号を乗せた
サターンV型ロケットの迫力に身が震えるほどだ。
当時は使い捨て方式の液体燃料多段式ロケットであり
大気圏外で次々に切り離される燃料タンクとエンジンだが
それを機体側から映す映像が好きなんです。
まるで指輪がゆっくりと落下して行くような感じだ。
地球の地平線が緩やかな円を描いて
さらに円が進み丸くなった時には
宝石のような美しい地球がそこにある。
壮大な音楽に乗せて一連の映像を観る訳ですが
ワタシの頭はアルファー波で満ちていた。
癒されますね~。
そのままいつまでも続いていて欲しかった。
そのまま眠りに付きたくなった。
------------------------------------------------
監督:デヴィッド・シントン
撮影:クライヴ・ノース
音楽:フィリップ・シェパード
提供:ロン・ハワード
『ザ・ムーン』
アポロ計画の陰謀説はタブロイド誌の陰謀か。
・・・とか、鑑賞後には
こんな見出しはバカバカしくなります。
月面着陸に成功した11号から始まり
全部で9回の月面着陸をした
当時の宇宙飛行士による証言を軸に
秘蔵フィルムなどを織り交ぜて綴る
感動のエンタテインメント・ドキュメンタリー。
◇
少なくとも本作を見る限り
それまで言われてきた“やらせ疑惑”というものが
本当にくだらないことのように思えてくる。
本作を観れば、
そういうことに対し議論していたバラエティ番組など
半信半疑な気分で見ていたワタシでしたが
それがとても無駄な時間を過ごしていたように感じてしまう。
(映画好きだから陰謀説も大好きでしたが(笑))
当時の宇宙飛行士たちの証言では
彼らは自身の責務に対し誇りを持ち続け
当時の事を語っているうちに熱い物が込み上げてくる。
1969年7月20日
人類初となる月面への第一歩を踏んだ
アームストロング船長につづき
同じイーグル機のクルーであったバズ・オルドリンの
こぼれ話が実に愉快であった。
船外に降り立つ最後の階段で10~15秒の間
じっと静止していたのは
今でこそ言えるが、実は尿パックを満タンにしていた。
そう、おしっこをしていたと言うのだ。
船外には先に降りたアームストロングがいるので
全世界は彼に注目している真っ只中の出来事だった。
さすがにこんなことは
地上との交信で言えることではないね^^
発射の瞬間の心拍数が144だったとか
また、ある者は普通に70くらいだったが
それは歳のせいだからだよ。とか。
11号の発射の瞬間は機体がまっすぐ上がらず
微妙に横ズレしていたが後方のバランサーエンジンで
なんとかバランスを取りつつも
発射台の方に行かなければと祈っていたという。
細いエンピツを打ち上げるような感じで
それのバランス取りだから
単純に考えても大変なことが分かる。
◇
全世界が固唾を呑んで見守る中
ついに成し得た最高の瞬間を
アームストロングの有名な言葉
「ひとりの人間としての一歩は小さいが
人類にとっては大きな飛躍だ」
沈着冷静な彼だからこそ言えた彼らしい言葉という。
次のアポロ12号の着陸船パイロットの
アラン・ビーンは言う
「私が人類初の第一歩を踏んだら
あんなに冷静な言葉は出てこないだろう
『やった~!月を踏んじゃったぜ~!!!』と
なっていたことだろう」。
この偉業を成し遂げた彼らは
ヨーロッパ、アジア、アフリカなど
世界に招待されることになるが
そのときに誰ひとりとして
「アメリカは偉大な事をしましたね」
ではなく「人類は偉大な事をしましたね」と
アメリカでなく人類と云う言葉が
誰の口からも自然に出てきたことは嬉しかった。
世界が初めてひとつになった気がしたという。
もちろん、あの時アームスロング船長が
発した“人類”という、地球規模での
とても素晴らしい言葉によるところである。
◇
本作は、とにかく大画面で観ることをお薦めします。
ケネディ宇宙センターにそびえ立つ
発射台から離れるアポロ11号を乗せた
サターンV型ロケットの迫力に身が震えるほどだ。
当時は使い捨て方式の液体燃料多段式ロケットであり
大気圏外で次々に切り離される燃料タンクとエンジンだが
それを機体側から映す映像が好きなんです。
まるで指輪がゆっくりと落下して行くような感じだ。
地球の地平線が緩やかな円を描いて
さらに円が進み丸くなった時には
宝石のような美しい地球がそこにある。
壮大な音楽に乗せて一連の映像を観る訳ですが
ワタシの頭はアルファー波で満ちていた。
癒されますね~。
そのままいつまでも続いていて欲しかった。
そのまま眠りに付きたくなった。
------------------------------------------------
監督:デヴィッド・シントン
撮影:クライヴ・ノース
音楽:フィリップ・シェパード
提供:ロン・ハワード
『ザ・ムーン』
どうやら、ワタシが生きてる内の「格安パックの宇宙旅行」ってのは、実現しそうにないみたいだし(=^_^=)
同時上映で『カプリコン1』とかもやってくれると、観客のアタマがさぞ混乱するでしょうね(=^_^=)
一度は行っておきたかったですね~
何処まで行っても一律1000円とかの高速道路みたいな謳い文句で
しかし、約款をよ~くみてみると実は小さな字で
条件だらけだったとかなりそうですね^^
>同時上映で『カプリコン1』とかもやってくれると、観客のアタマがさぞ混乱するでしょうね(=^_^=)
そもそも、事あるごとに例えとして挙げられた映画でしたね。
チョット前の爆笑問題のバラエティ番組は面白かったですけどね^^
全世界が騙されたなんて言ったら、お見事!とオームストロング船長に讃辞を送りたい^^
これは観に行きたい一作でした・・・が、スルーすることになるかな、と思った矢先の貴レヴューでした。
もともとは、兎に角、実際に肉眼で捉えられないであろう深遠世界をスクリーンで観てみたかったこと。ご記述の内容で、存外「アメリカ万歳!」ではない姿勢にも好感を持ちました。
ううぅ・・・「スルー予定」を軌道修正すべきかなぁと今悩んでいます。
>しかし、約款をよ~くみてみると実は小さな字で
>条件だらけだったとかなりそうですね^^
よくよく眼を凝らして読むと、こんな一文が・・
「添乗員は同行致しません」
「現地集合・解散となります」
静止画では見飽きた対象物でも動画となると、やっぱり違いますね~。
当時のカメラ技術からいっても解像度で不満となる部分はないです^^
>存外「アメリカ万歳!」ではない姿勢にも好感を持ちました。
本作はイギリス映画という部分で、そうなったのかも知れませんね^^
宇宙パイロットたちのコメントは謙虚でありユーモアに満ちていてとても楽しかったです。
>ううぅ・・・「スルー予定」を軌道修正すべきかなぁと今悩んでいます。
月の裏側の真っ暗闇という感覚を是非味わってください。
ワタシは初体験でした^^
これは怖いですね~
命の保証というトコロからいくと
添乗員が居るからこそ安全なんだと安心できるのに^^
>「現地集合・解散となります」
現地と云うのはNASAなんですかね。
ワタシだったらNASA見学ツアーだけで十分です^^
まさか月が現地とか(汗)
もしそうなら中部国際空港からの発着もあったりして^^;
観てまいりました!
意外にも、(映像もさることながら)私は飛行士の方々の語る「言葉」の深奥さに心打たれた時間でした。
そしてそこには、それらのホンモノの映像も不可欠の要素で・・・。
仰る通り、是非スクリーンで体感したい世界でした。ありがとうございました。(*^_^*)
彼らしか月に行ってないからこその奥深さがありましたよね。
>仰る通り、是非スクリーンで体感したい世界でした。
よかったです。ホッとしました^^