評価:★★★★☆【4.5点】
過去映画『白鯨』(1956)の単なる焼き直しだろうと舐めていたら
これがまさかのとんでもない衝撃作だった!!!
◇
1850年、次回作の構想を練る新進作家ハーマン・メルヴィルは、
30年前にある捕鯨船を襲った悲劇を取材すべく、
その最後の生き残りであるニカーソンを訪ねる。
最初は渋っていたニカーソンだったが、
やがてその重い口を開き始める――。
1819年、新米船員ニカーソンを乗せた捕鯨船エセックス号は、
アメリカのナンタケット島を出港する。
船長になれると思っていた一等航海士のオーウェンは、
経験の浅い名家の息子ジョージにその座を奪われ苛立ちを隠せずにいた。
そんな彼らの航海はトラブル続きで、
肝心の鯨は一向に捕らえることができず、焦りばかりが募っていく。
そんな中、寄港地で有力な情報を聞きつけた一行は、
鯨の群れを追って太平洋へと向かうのだったが…。
<allcinema>
◇
【以下ネタバレ有ります。要注意!】
今回、この映画で1819年の捕鯨船エセックス号に起こった
驚愕の事実を受け、重いテーマが隠されていたことに胸が痛む。
もちろん白鯨との死闘も最新CG映像による迫力も凄いし
実物大の捕鯨船の重量感も半端なくスゴイんだけどね。
神の領域に足を踏み入れた彼らに天罰を下すような
巨大な白鯨の執拗な攻撃にスピルバーグの『ジョーズ』が頭をよぎり
捕鯨船エセックス号はまるでウエハースのように木っ端微塵!
その結果、救命ボート3隻に乗員が分かれ漂流する形に。
結局は、それまで語られてなかった90日余りの漂流で餓死寸前の
彼らがとった行動、くじ引きで殺し合い人肉を食す『野火』同様の
ビックリな真実があったこと。
これを誰にも話すことが出来ず、以降、重い十字架を背負い
生きてきたエセックス号乗員であった最後の男が口を開くのだった。
1851年出版「白鯨の闘い」の著書であるハーマン・メルヴィルが
本作に登場し、真実をそのまま書くノンフィクションでもいいが
すべてを書かなくとも小説として残したいというセリフに納得。
ってことは、原作は事実を基にした完全なるフィクションだった。
いや普通、片足義足の船長が白鯨に復讐を挑む話なんて
現実的ではないし分かるでしょうにアンタ(え!)
【今週のツッコミ】
・最後の生き残りの男ニカーソンが新進作家に捕鯨船の悲劇を語る!
ワタシは彼以外は全員、あの白鯨に殺されると思ってましたよ(笑)
・最新CGによる激やせ描写は難なくできるのね。
90日間の漂流で乗員のほぼゾンビっぽいメイクに、これぞ映像の進化だ!
・ということで、役柄に合わせて数十キロの体重増減する一部の俳優さんも
これで無理な役作りも必要ないのではと思うけどね~^^;
・あの時代のあの場所でロシアン・ルーレットを見た!
・途中から白鯨の恐怖よりもくじ引き人肉食いの方が怖くなった。
テーマが二つになりラストのまとめ方次第では大失敗の可能性も。
でも、最後は上手く決めてくれたよロン・ハワード(笑)
・クリス君と白鯨との無言のアイ・コンタクトに良き友になれると感じた。
・最後の乾パン数枚を半分ずつに割り分け合ってたけど、日本人なら
あそこはメジャーで計ってキッチリ割るけどアメリカ人は適当なのね。
(メジャーないですから)
--------------------------------------------------------------
監督:ロン・ハワード
脚本:チャールズ・リーヴィット
音楽:ロケ・バニョス
出演:クリス・ヘムズワース/ベンジャミン・ウォーカー/キリアン・マーフィ/
トム・ホランド/ベン・ウィショー/ブレンダン・グリーソン
『白鯨との闘い』
過去映画『白鯨』(1956)の単なる焼き直しだろうと舐めていたら
これがまさかのとんでもない衝撃作だった!!!
◇
1850年、次回作の構想を練る新進作家ハーマン・メルヴィルは、
30年前にある捕鯨船を襲った悲劇を取材すべく、
その最後の生き残りであるニカーソンを訪ねる。
最初は渋っていたニカーソンだったが、
やがてその重い口を開き始める――。
1819年、新米船員ニカーソンを乗せた捕鯨船エセックス号は、
アメリカのナンタケット島を出港する。
船長になれると思っていた一等航海士のオーウェンは、
経験の浅い名家の息子ジョージにその座を奪われ苛立ちを隠せずにいた。
そんな彼らの航海はトラブル続きで、
肝心の鯨は一向に捕らえることができず、焦りばかりが募っていく。
そんな中、寄港地で有力な情報を聞きつけた一行は、
鯨の群れを追って太平洋へと向かうのだったが…。
<allcinema>
◇
【以下ネタバレ有ります。要注意!】
今回、この映画で1819年の捕鯨船エセックス号に起こった
驚愕の事実を受け、重いテーマが隠されていたことに胸が痛む。
もちろん白鯨との死闘も最新CG映像による迫力も凄いし
実物大の捕鯨船の重量感も半端なくスゴイんだけどね。
神の領域に足を踏み入れた彼らに天罰を下すような
巨大な白鯨の執拗な攻撃にスピルバーグの『ジョーズ』が頭をよぎり
捕鯨船エセックス号はまるでウエハースのように木っ端微塵!
その結果、救命ボート3隻に乗員が分かれ漂流する形に。
結局は、それまで語られてなかった90日余りの漂流で餓死寸前の
彼らがとった行動、くじ引きで殺し合い人肉を食す『野火』同様の
ビックリな真実があったこと。
これを誰にも話すことが出来ず、以降、重い十字架を背負い
生きてきたエセックス号乗員であった最後の男が口を開くのだった。
1851年出版「白鯨の闘い」の著書であるハーマン・メルヴィルが
本作に登場し、真実をそのまま書くノンフィクションでもいいが
すべてを書かなくとも小説として残したいというセリフに納得。
ってことは、原作は事実を基にした完全なるフィクションだった。
いや普通、片足義足の船長が白鯨に復讐を挑む話なんて
現実的ではないし分かるでしょうにアンタ(え!)
【今週のツッコミ】
・最後の生き残りの男ニカーソンが新進作家に捕鯨船の悲劇を語る!
ワタシは彼以外は全員、あの白鯨に殺されると思ってましたよ(笑)
・最新CGによる激やせ描写は難なくできるのね。
90日間の漂流で乗員のほぼゾンビっぽいメイクに、これぞ映像の進化だ!
・ということで、役柄に合わせて数十キロの体重増減する一部の俳優さんも
これで無理な役作りも必要ないのではと思うけどね~^^;
・あの時代のあの場所でロシアン・ルーレットを見た!
・途中から白鯨の恐怖よりもくじ引き人肉食いの方が怖くなった。
テーマが二つになりラストのまとめ方次第では大失敗の可能性も。
でも、最後は上手く決めてくれたよロン・ハワード(笑)
・クリス君と白鯨との無言のアイ・コンタクトに良き友になれると感じた。
・最後の乾パン数枚を半分ずつに割り分け合ってたけど、日本人なら
あそこはメジャーで計ってキッチリ割るけどアメリカ人は適当なのね。
(メジャーないですから)
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監督:ロン・ハワード
脚本:チャールズ・リーヴィット
音楽:ロケ・バニョス
出演:クリス・ヘムズワース/ベンジャミン・ウォーカー/キリアン・マーフィ/
トム・ホランド/ベン・ウィショー/ブレンダン・グリーソン
『白鯨との闘い』
と思ってたんだけど、
けっこう生きてたんですね(苦笑
最後のアイコンタクト、
どんな意思の疎通したのでしょうかね?
今度はいつ襲ってくるのかと心配して損したよ(爆)
原作をさらに掘り下げた格好になってましね。
最後のアイコンタクトに「互いを称え、もう二度と会わない」とでも言ってると解釈しましたよ(笑)
そうなるのが自然なのでしょうけれど、誰にも言えませんよね。。。
生き残ったニカーソン氏、辛かったと思います。
アイコンタクト…、
クリヘムに神が降臨して、
海の神白鯨ちゃんと雷の神の間で
意思疎通立したのかも☆なぁんて思っていました(^^)。
白鯨ちゃんも彼をマジマジ見て、同じ穴の狢と思ったんでしょう。
ただし、自分の縄張りはしっかりあるわけで
そこのところは神同士でも仁義を通さないといけないんでしょうね(え?)
人は空腹になると段ボール紙も食べられると
ホームレス中学生が言ってましたが
さすがに今回はそんなレベルじゃないですからね^^;
白鯨との闘いや後半のひかりごけ事件もどきも、
もちろん恐ろしかったのですが、
私は脳油の為にあそこまでする
人間の欲望の方が恐ろしかったです^^;
ついつい昔の映画を連想してしまいますよね(笑)
捕鯨船を執拗に狙い撃ちしてくる感じはもはやジョーズそのものでしたが
最新映像はやはり迫力ありました。
物語として2章仕立てだなと思いましたよ。
にしても、クジラの脳油ってあんなに引火性があるんですかね~^^;
まるでガソリンレベル(爆)
いずれ精神疾患に陥る可能性大と思えるので
非難するのはそれを心配する優しい方たちかもしれないですね(違)^^;
白鯨が荒ぶる事によって、自然を揺り籠とする、神性に近づくのではないかと。鯨も一方的に狩られているのではなく、それには、産業革命をピークとした、無慈悲な狩りの歴史があって、今に至る文明の成熟によって、人間が捕鯨に疑義を抱き出したのは、皮肉でもあると思います。
そしてそれをしっかり見ていた白鯨の眼差しがまるで神のように感じました。
脳油を得るため仕方ないとはいえ、今後彼は改心していくと思いました。