オーストラリア

評価：★★★[3/5]



悪くは無いんだが大した見せ場がないのが辛い。

本作はナラという先住民と白人のハーフの子が
ストーリーテラーとなっている。
この先住民アボリジニ人の神秘的な部分と
人種差別の問題も絡めた壮大なアドベンチャーロマンス。
ということだが作品の出来は・・・。

◇

１９３９年。
イギリスの貴婦人レディ・サラ・アシュレイは
オーストラリアの領地を生計の足しに売却しようと
旅立ったまま１年も帰ってこない夫を訪ねるため、
ロンドンから初めてオーストラリアへ向かう。

そして現地に到着すると、夫ではなく
ドローヴァーという無骨なカウボーイに出迎えられる。
彼は、サラを領地“ファラウェイ・ダウンズ”へ
問題なく送り届ければ、
1500頭の牛を追う仕事を約束されていたのだった。

初対面は共に印象が悪く、
互いに反感を抱きながら
領地への旅を続けるサラとドローヴァー。
こうして、いよいよ領地へ辿り着くサラだったが、
権力者の仕業で屋敷は荒れ果て、
さらには衝撃の事実を知らされる羽目に。
サラは、抵当に入れられた領地を守るため、
1500頭の牛を遠く離れたダーウィンにいる軍へ
売ることを決心するのだが・・。
＜allcinema＞

◇

簡単に言えば、英国の貴婦人が現地に入って
無骨なカウボーイともども1500頭の牛を
6人とひとりの少年とで力を合わせ
ダーウィンまで無事に送り届けるまでを描く。

オーストラリアという壮大な土地が
この映画の売りであることは言うまでもないが
1本の映画として観ると
どことなく以前、何処かで観たようなシーンを
CG満載で無難に撮ってしまったという印象である。

本作は牛をダーウィンまで
送り届けるまでとした前半と
日本軍が空爆してくるダーウィンでの
後半と映画は2部構成であるような作り方だ。

しかも、唐突に日本海軍が空爆してくるのが
上映時間を2時間と少しが過ぎた辺りだった。
実際の歴史の中でも確かにダーウィンの空爆はあるが
ワタシ的には本作に関して言えば
あまり必要性があったとは思えなかった。
むしろ、ストーリーの急展開を計るための
ひとつの材料として利用しただけではないのかな。

◇

見どころとしては
1500頭もの牛を追うための人手不足から
馬に乗れる使用人ら、女子供も使っての大移動。
しかも驚くことに馬を乗りこなす女使用人が
凄いのである。
あのスピードでもまったく身体が振れないのだから。
まるで競走馬の騎手のようであった＾＾

そして、途中で現れる同業者らの妨害工作に直面しながらも
先住民アボリジニ人の占い師キング・ジョージの
見守る中、間一髪で危機を乗り越える辺りかなと。

ただ、牛が暴走するシーンに於いて
暴走する先は断崖絶壁というシチュエーションでは
明らかにCGによる背景合成と分かるところが
チョット惜しいなぁと感じてしまった。

ということで
取り敢えず観ておこうかなレベルならお奨めですが
壮大なアドベンチャーロマンスを期待していくと
案外と肩すかしを喰らう可能性がありそうです。

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監督：バズ・ラーマン
脚本：バズ・ラーマン/スチュアート・ビーティー/ロナルド・ハーウッド
撮影：マンディ・ウォーカー
音楽：デヴィッド・ハーシュフェルダー


出演：ニコール・キッドマン/ヒュー・ジャックマン/デヴィッド・ウェンハム


『オーストラリア』