映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~

映画でシミュレーションしておけば何処かで役立つはず

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

2008年05月18日 21時03分30秒 | 映画 た行
評価★★★★



9,11テロの遠因がココにあった。

大した功績もなかったお気楽議員の一世一代の大仕事。


酒と美女に目がなく
政治活動なんて、まったくしたことがないという
チャーリー・ウィルソン議員の唯一の功績といえば
6期のなかの5回の再選ぐらいという自慢にもならない
なんともへタレな国会議員である。


ある日
テキサス州6番目の大富豪の女性ジョアン(ジュリア・ロバーツ)から、
ソ連の侵攻に苦しむアフガニスタンの人々を救ってほしいと頼まれる。

「え!?それを僕がやるの?」
この男、根は優しくて良いやつだったりする。

そんなころ
場所は変わりCIAでは、ひとりの男が上司に向かって
息巻いている。
長年、諜報員をやってきて自分の待遇に納得できない男は
左遷覚悟のオフィスのガラス割り行為だ。
このCIAの異端児は
スパイ映画に出てくるようなカッコいい諜報員とは
似ても似つかないメタボ男だった。

この辺りの登場人物だけをみると
やっぱり、単なるコメディ映画なんだと思ってしまうが
このCIA諜報員ガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)が
見た目と違い、実はとても切れ者であった。

そしてなんと!意外や意外!

ストーリーが進行するにつれ
徐々に政治色が強くなり、実在の人物名がバンバン出てきます。

アフガニスタンの現地へ飛び
難民キャンプの悲惨さをまざまざと見せ付けられたチャーリーは
それまで、体たらくだった政治活動への
志に遂にスイッチが入ることになる。

ココから一気にテンポが良くなり
まさに『ボーン・アルティメイタム』のような
息つく暇を与えないという表現は言い過ぎだが
観る者をドンドン惹き付けてしまうのだ。

コカインを使用したこともある、お気楽議員であったがゆえ
それまでの不良議員としての裏人脈を最大限に利用して
次々と新作戦への実行の準備を遂行していくのだ。
前出のCIAガストと組んで一大作戦実行をする。

それにしても、
政治の裏資金がこんなにプールされていたことにまずは驚く。
当初、500万ドルだった予算が最終的には
2億ドルまで跳ね上がっていくのだから。

これをチャーリーが動かしたことに
非常に痛快な気持ちにさせてくれる。

やる気と人脈さえあれば
政治活動なんてこれ程もの凄いことが出来てしまうということである。


ひとりの田舎議員がソ連軍のアフガン撤退という
歴史を塗り替える大それたことをやってしまった。


◇-----◆

【ソ連、アフガン侵攻および戦争】
アフガニスタンに1978年に成立した共産主義政権を支える為に
1979年にソビエト連邦が軍隊をアフガニスタンへ進めて占領した事件。
1979年のソ連軍出兵から1989年の完全撤収まで10年に渡った。


【アフガニスタンの巻き返し】

当時の米国政府はパキスタンを経由して“非軍事的物資”と
活動資金を地方の武装勢力に提供していた。
しかしこれら支援は“秘密裏”に進めるように努めており、
ソ連との対立姿勢を明確にすることは米ソ冷戦下に於いて不利益と判断された。

◆-----◇

「非軍事的物資と活動資金」となっているが
この映画からすると最新鋭の武器を密輸させたことになる。


結局、こういった行動により
ソ連軍のアフガン撤退ということになったわけだが
強力な武装を手にした彼らのもとに
後に過激派グループが大量に押し寄せるはめになるとは
チャーリーにとって、いやアメリカにとっては大きな誤算となるのだった。

いずれ起こる歴史の中で
“皮肉”という言葉が、これほど当て嵌まる物語もめずらしいかな。

「いちど弾んだボールは弾み続けるんだよ」

ラストでチャーリー自身の言葉が出てくる
「上手く行っていたが、最後でしくじった」

歴史の勉強という形で見れば
こんなに楽しい勉強は他にないでしょうね。
映画って単なる娯楽だけではなく
こういった知識も身に付くところが良いかなと思った次第であります。

---------------------------------------------

監督:マイク・二コルズ
脚本:アーロン・ソーキン
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード


出演:トム・ハンクス/ジュリア・ロバーツ/フィリップ・シーモア・ホフマン/エイミー・アダムス/ネッド・ビーティ


『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ミスト | トップ | ランボー 最後の戦場 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆チャーリーと共に☆ (TiM3)
2008-05-18 23:59:33
ジョン・ランボーも「アフガンの一件」にはしっかり絡んでましたね、、

「もうガンプの続編はムリだよ~」と近年のトムハンを眺めて悲しくなるワタシですが、

一方のジュリアさんは如何でしたか?
返信する
ジュリアさん (ituka)
2008-05-19 22:59:43
やっぱり微妙に老けた感じはしましたね。
付けまつ毛にマスカラ塗ってるシーンがあるんですが
スクリーンいっぱいにアップなんですよ
この、ケバさは意図的なのか・・・

更にビキニ姿も披露してくれますが
個人的には、ちょっと引いてしまいました。

でも存在感は流石にオスカー女優の貫禄かと^^

ハンクスも52歳なんですね。
まだまだ全力疾走できそうな気がするんですけどね^^
返信する

コメントを投稿

映画 た行」カテゴリの最新記事