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マイ・ブラザー

2010年06月05日 21時34分39秒 | 映画 ま行
評価:★★★☆【3,5点】


主要人物3人を完全に食っていた名子役ここに見参!
もしかしたら第二のダコタ・ファニングかそれ以上とも。



妻グレースの良き夫であり、かわいい2人の娘の良き父である
米軍大尉のサム。一方、その弟トミーは問題ばかりを起こす
家族の厄介者。彼が銀行強盗での服役から出所したばかりのある日、
入れ替わるようにサムがアフガニスタンの戦地へと出征する。

やがて、グレースのもとにサムの突然の訃報が届く。
悲嘆に暮れるグレースと娘たちを前に、心を入れ替え、
彼らの支えになろうと決意するトミー。
徐々にグレースとの距離も縮まっていくが、そんな時、
死んだと思われていたサムの生存が確認される。
そして、家族との感動の再会を果たしたサムだったが…。
<allcinema>



作品自体は、帰還後のサム(トビー・マグワイア)の
人柄が豹変してしまった様を予告編で何度も見せられ、観客は
何故?どうして?と、その辺りがもっとも知りたい部分だと思います。
そして本編では、その辺りのことが非常に丁寧に描写され
なぜ、サムがあんなにも人格が変わってしまったのかがよく分ります。

アフガニスタンでの究極の体験が元で自分の中で構築されていたものが
大きく崩れて行ってしまいます。

アフガニスタンでの体験に関しては、マット・デイモンの
戦争映画では決して描かれなかった海兵隊の負の部分ではなかったか。
満を持して帰国が叶うとき、時すでに遅しという辛く長い時間だけが
自分のまわりで過ぎ去って行く。
唯一、こころのより所のはずの家族に違和感を感じてしまうサム。

この映画はすべてに対象物があり、比較してしまうところから
スタートしているように思えた。

兄と弟、大尉と軍曹、長女と次女、ウソと真実など。
そして本作のキーワードは、鉄パイプ、風船、キッチン、銀行かと。

登場人物全員に感情移入できてしまう出来栄えは素晴らしい!
ただ、全体的にイメージが暗く地味な印象を与えてしまうので
そこら辺は少々もったいないと感じてしまいました。
たぶん、ワタシが思うにトビー・マグワイアの激痩せキャラのせい?
軍人らしくクールで冷静であるが、貧相という感じもしないでもない^^;

さて、こういう映画には必ずと言っていいほど
良い子役が登場します。本作もまさにそんな映画でした!

海兵隊の父トビー・マグワイアと妻のナタリー・ポートマン。
それに、トビーの弟のジェイク・ギレンホールと
ハリウッドが誇る、若手実力俳優のなかに忽然と現れたのが
ケイヒル家の幼い姉妹の長女を演じたベイリー・マディソンちゃん!

海兵隊の父とのスキンシップを僅かな時間のなかでも
最大限に甘え、時には数時間後に戦地に向かう父に対し
スネて見せたりと、その表情や間合いが実にうまい!

妹の誕生日祝いのホームパーティーでのシーンでは
人格が変わってしまった父親を向こうに回し、妹への嫉妬で
見る見る変わりゆくその表情、しぐさにはテーブルのみんなが
サムへの刺激に緊張しハラハラしていくのが分ります。
このシーンは、観てるワタシでさえチョット怖かったですね^^;
いつ破裂するのかと・・・。

この子は、もしかしたら10年にひとりの逸材ではないだろうか!
なんてことを思ってしまうくらい素晴らしい演技でした。
ちょっとネイティブ系っぽくも、それからマギー・ギレンホールを
子供風にCG処理したらこうなりました。とかアンニュイな感じもグッド!


追記)
・ジェイク・ギレンホールのマッチョな体型は本作で既にあった。劇中にも
 刑期を終え出所してきたシーンで兄から「ずいぶん変わったな!」と。
 
・それぞれが抱えた問題に対し、最後はきちんと光をみせた演出は
 なかなか良かったのではないだろうか。これはオリジナルを未見なので
 いちどチェックする価値は十分あると思いました。

・兄弟の父親も軍人さんだったのね。
 体たらくな弟をなにもあそこまでなじることはないと思う。しかも親が。
 そういうことは本人がいちばん分っているものです。

・超美人な嫁をもらうと何かと疑ってしまうんですね。
 本作では誰からも美人妻だといわれてたナタリー・ポートマン。
 ワタシ「そうか~?」。そういう設定ならそれでいいけど。なんてね。
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監督:ジム・シェリダン
脚本:デヴィッド・ベニオフ
撮影:フレデリック・エルムズ
音楽:トーマス・ニューマン


出演:トビー・マグワイア/ジェイク・ギレンホール/ナタリー・ポートマン/
    テイラー・ギア/ベイリー・マディソン/


『マイ・ブラザー』

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました (風子)
2010-06-06 09:57:32
風船のシーンは、すごいし、うまかったですよねえ。
返信する
☆サムの変貌は・・☆ (TiM3)
2010-06-06 11:52:53
宇宙からの、どす黒い液体生命体が寄生してたから、
とワタシは考えてますが、どうでしょう?

(そんなアナタは、教会の鐘撞堂で苦しんでなさい、と(=^_^=))
返信する
あの風船が・・・ (ituka)
2010-06-06 19:50:40
風子さん こんばんは。

わざと不快音をだして注目させる辺り
あの子は大人の心理を見抜いてますよね(←なにを大袈裟に)^^

あの子の演技には終始惹きつけられました。
返信する
次期スパイダーマンはどちらが? (ituka)
2010-06-06 20:20:22
TiM3さん こんばんは。

ワタシ個人的にはトビーとジェイクの兄弟役はずっと前から望んでいたことです。
それがこの作品で叶ったことだけでも満足してるんですよ^^

ということで、似てる俳優さんの兄弟、姉妹、親子競演をもっともっと観たいものです。
例えば、クリント&ヒューやサンドラ&マーシャ・ゲイ・ハーデンみたいな^^;
返信する
まさに女でしたね! (オリーブリー)
2010-06-14 22:35:15
お姉ちゃん「テラビシアにかける橋」でおませな妹のコだったんですね。
いや~お見事な演技でした。
多分、大好きなおじちゃんが、ママ以外の女性といるのが許せなかったんでしょう~当たるところが分からなくて、元々ある妹に対する嫉妬に置き換えられたんだと思いました。

期待は裏切らない作品だったですが、ひとひねりがあったらもっと見応えあったかな~と。

私は、風船が大の苦手で…(苦笑)
見ただけで背筋がゾぉーーーとするので、あのシーンはめちゃリアルでした(笑)
返信する
この子を今後、要チェックしていきます (ituka)
2010-06-14 23:17:44
オリーブリーさん こんばんは。

お姉ちゃんの不満はそういうことだったんですね!
たしかにおじちゃんが彼女を連れて来たことにショックを受けたような表情をみせていたし^^
ワタクシ、まったく気が付きませんでした。
さすがです!読みが深いですね^^

え!風船が苦手って^^;どういうこと?
膨れたゴムを擦る音がダメなのか匂いがダメなのか>┼○ バタッ
オリーブリーさん、面白すぎ!

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