評価:★★★★【4点】
最後に言い放った「今後、誰も連絡せずその場から逃げるだろう」
強烈で的を得たこの言葉の意味は大きかった。
◆
1996年、オリンピックが開催中のアトランタ。
高齢の母と2人暮らしの不器用で実直な男リチャード・ジュエル。
警備員をしていた彼は、多くの人でにぎわうイベント会場で
不審なリュックを発見し、中身の爆発物に気づいたことで
大惨事を未然に防いだ。
マスコミはこぞって彼を英雄として報道するも、捜査に当たるFBIは
次第に第一発見者のリチャードに疑いの目を向け始める。
その動きを地元メディアが実名で報道したのをきっかけに
マスコミ報道は過熱し、リチャードは全国民から
激しいバッシングを受けるようになっていく。
そんな窮地に陥ったリチャードを、息子の無実を信じる母親と
弁護士のワトソンだけが懸命に支えていくのだったが…。
<allcinema>
◆
クリント・イーストウッド監督作品ということで
毎年かならず実録ベースのリアリティ映画を見ることができる。
御年90歳という高齢に関わらず、映画製作のペースは
まさに驚きである。
年間1~2本というハイペースで映画が撮れるのも
実話モノにすれば形は既にあるので、あとはどう肉付けするかだ。
そして、どこに主眼を置くのか、そこが決まれば出来る脚本家と組めば
撮影自体が恐ろしく速い監督なのでこんなことも可能なんだろう。
さて本作、英雄から一転、容疑者になってしまった男。
事件の第一発見者というのは、いつの時代も最初に疑われることになる。
無能なFBIやハイエナのようなメディア報道により犯人に仕立て上げられ
この上ない屈辱を3か月もの期間味わった肥満症の若者の話である。
英雄→容疑者→無罪、というのは分かっていながらも
やはり人間の心理を巧みな演出で撮ってしまう御大はさすがだと思う。
◆
【今週のツッコミ】
・たった3か月のことだったのね、みたいな。しかも拘束されてないし。
・日本の制度だと日当たり12,000円強の拘束費が国から支払われる。
冤罪で20年獄中生活すると、約8千万円~9千万円受け取れるらしい。
・法執行官に憧れ続けると、容疑者でありながら思わず無駄に解説する癖。
・彼に依頼された弁護士が今後の振る舞いを指導しても
1分後には簡単に破ってしまう主人公の天然ぶりは、
まさに『インフォーマント!』のマット・デイモン並みである。
・声のサンプルが必要といって言わせた文言は証拠の捏造以外ないだろ。
・野心のかたまりのような記者オリビア・ワイルドの心の変化が急すぎ。
・誤報!メディアの責任として謝罪はあったのか否か。そこ描かれてない。
・熱血弁護士、この映画のヒーローは彼だと決め打ちしたい。
・容疑者の母ともなれば、記者会見もしなければいけないのね。
カンペがないと噛み噛みで聞き取りにくくカンペがあっても棒読みで、
ご静聴されたメディアに結局感動させられないと心配する口下手なワタシ。
・無駄におデブでいるとなにかと軽侮されてしまう今の世の中気を付けよう。
◆-------------------------------------------
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ビリー・レイ
音楽:アルトゥロ・サンドヴァル
出演:ポール・ウォルター・ハウザー
『リチャード・ジュエル』
最後に言い放った「今後、誰も連絡せずその場から逃げるだろう」
強烈で的を得たこの言葉の意味は大きかった。
◆
1996年、オリンピックが開催中のアトランタ。
高齢の母と2人暮らしの不器用で実直な男リチャード・ジュエル。
警備員をしていた彼は、多くの人でにぎわうイベント会場で
不審なリュックを発見し、中身の爆発物に気づいたことで
大惨事を未然に防いだ。
マスコミはこぞって彼を英雄として報道するも、捜査に当たるFBIは
次第に第一発見者のリチャードに疑いの目を向け始める。
その動きを地元メディアが実名で報道したのをきっかけに
マスコミ報道は過熱し、リチャードは全国民から
激しいバッシングを受けるようになっていく。
そんな窮地に陥ったリチャードを、息子の無実を信じる母親と
弁護士のワトソンだけが懸命に支えていくのだったが…。
<allcinema>
◆
クリント・イーストウッド監督作品ということで
毎年かならず実録ベースのリアリティ映画を見ることができる。
御年90歳という高齢に関わらず、映画製作のペースは
まさに驚きである。
年間1~2本というハイペースで映画が撮れるのも
実話モノにすれば形は既にあるので、あとはどう肉付けするかだ。
そして、どこに主眼を置くのか、そこが決まれば出来る脚本家と組めば
撮影自体が恐ろしく速い監督なのでこんなことも可能なんだろう。
さて本作、英雄から一転、容疑者になってしまった男。
事件の第一発見者というのは、いつの時代も最初に疑われることになる。
無能なFBIやハイエナのようなメディア報道により犯人に仕立て上げられ
この上ない屈辱を3か月もの期間味わった肥満症の若者の話である。
英雄→容疑者→無罪、というのは分かっていながらも
やはり人間の心理を巧みな演出で撮ってしまう御大はさすがだと思う。
◆
【今週のツッコミ】
・たった3か月のことだったのね、みたいな。しかも拘束されてないし。
・日本の制度だと日当たり12,000円強の拘束費が国から支払われる。
冤罪で20年獄中生活すると、約8千万円~9千万円受け取れるらしい。
・法執行官に憧れ続けると、容疑者でありながら思わず無駄に解説する癖。
・彼に依頼された弁護士が今後の振る舞いを指導しても
1分後には簡単に破ってしまう主人公の天然ぶりは、
まさに『インフォーマント!』のマット・デイモン並みである。
・声のサンプルが必要といって言わせた文言は証拠の捏造以外ないだろ。
・野心のかたまりのような記者オリビア・ワイルドの心の変化が急すぎ。
・誤報!メディアの責任として謝罪はあったのか否か。そこ描かれてない。
・熱血弁護士、この映画のヒーローは彼だと決め打ちしたい。
・容疑者の母ともなれば、記者会見もしなければいけないのね。
カンペがないと噛み噛みで聞き取りにくくカンペがあっても棒読みで、
ご静聴されたメディアに結局感動させられないと心配する口下手なワタシ。
・無駄におデブでいるとなにかと軽侮されてしまう今の世の中気を付けよう。
◆-------------------------------------------
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ビリー・レイ
音楽:アルトゥロ・サンドヴァル
出演:ポール・ウォルター・ハウザー
『リチャード・ジュエル』
メディアリンチも怖いですが、最近ではSNSで証拠もないのに吊し上げしたりと、犯罪者扱いされる点でも犯罪者扱いに加担してしまうという点でも、いつ自分い降りかかるか判らなくて怖いですね。
冤罪でつかまってしまう犯罪の代表格は満員電車のアレですから気を付けないといけません^^;
本作、20数年前の話なので、これが今だったら速攻でSNSの餌食となっていたでしょうね。
拡散スピードが半端ないからもっと悲惨な状態になっていたことでしょう(笑)
でも、この事件は、はい、まったく知らず。
日本でも、報道くらいはあったはずですよね。
逮捕される前からマスコミの餌食になってしまう恐ろしさ。
と言って、逮捕されても冤罪もあるわけで。
最後疑いが晴れるとわかっているからまだいいですが、誰の視点で描くかでこういう事件は大きく変わってくるなぁ~~って思いました。
そうそう、女性記者の豹変はちょっとでした。
と、こんな風に覚えるしかないですもんね(笑)
女子マラソンで有森裕子選手が銅メダルだったので
かなり前になりますね。
この事件は当時知らなかったです。
ニュースで流れていたとは思いますけど記憶にない(笑)
マスコミの報道によって世論が動きますからね。
味方にすれば心強いけど、敵ともなれば万人から攻撃受けますから、あ~怖い^^;
あの女性記者の心の変化にもうちょっと時間を割いてほしかったです。
遅ればせながらのコメントで失礼します。
大好きなクリント・イーストウッドなのですが、毎年毎年本当に精力的過ぎて、実は眩暈がしそうです。
元気ですよねぇ(って、映画の感想を書くように!)
クリントは年齢を感じさせませんよね~
年1ペースで映画を作るって、この粘りにはホント驚くばかりです。
非常事態宣言にともない新作映画から随分遠ざかってますが
その分、Netflixで過去に見逃した映画を漁って観ています(笑)
そういえば、今さらながら「テラスハウス」を見て楽しんでますが、
過去に地元から出演してた子がいたことにビックリしている今日この頃(笑)