映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~

映画でシミュレーションしておけば何処かで役立つはず

ココ・シャネル

2009年08月15日 02時21分01秒 | 映画 か行
評価:★★★★[4/5]



実は、デザイン画が描けなかった世界のトップクリエイター。


孤児院育ちのお針子から
世界のトップデザイナーとなるまでの波乱に満ちた半生を描く。



1954年、パリ。
15年のブランクから復帰を果たしたココだったが、
周囲の反応は厳しいものだった。
そんな時、彼女は孤児だった自分が今の地位を築くまでの
困難な日々を振り返り、同時に切なくも情熱的な
いくつもの愛に思いを馳せるのだった…。
<allcinema>



冒頭のオートクチュールコレクションは散々たるものであった。
が、それは、それまでに彼女が築き上げてきた功績に対しての
期待があまりにも大きかったためのものであり
決してデザイン的に魅力がなかったものではないと思う。

15年ぶりのコレクションでは、モデルを送り出す寸前まで
ハサミを入れるなど、自身のイメージに多少の迷いが見られたことは
その後に見せられる、彼女の物語からすると珍しいものであった。

それは気負いから来たものなのか?
それでも、間髪入れずに次々と切り刻んで行く手際の良さは
見ていて惚れ惚れしてしまうのだ。

すべては持って生まれた才能であることは言うまでもない。


時は1895年に遡る。
病で他界した母のたったひとつの形見である“シンブル”をもらい
孤児院で過ごす間、裁縫を習い、18歳の時に小さな衣装店のお針子として
住み込む。

その衣装店でも、彼女のセンスはひときわ目立っており
来客の要望に対し、瞬時に解決させてしまう手腕は爽快感さえ味わえる。
こういうことから、彼女目当ての客が増えていき
次第に女主人との関係がギクシャクするのは予想通り。

そのころに出会った将校であるエチエンヌ・バルサンに伴われて
郊外へ移り、彼の友人らの社交場となっているその牧場で過ごすことになる。

趣味で制作していた帽子のデザインがそこで認められ
エチエンヌが以前住んでいたアパートで、帽子のアトリエを開業する。
これが、ココ・シャネルというブランドが立ち上がる元となる。

以降、エチエンヌと破局し、イギリス人青年実業家ボーイ・カペルと出会う。
この彼こそ、生涯最も愛し合う男性となる。

彼女の才能と、彼の資金という二人三脚でココ・ブランドは
瞬く間に市場に広がって行くのであった。

やがて当然のように結婚へと向かうと信じていたココは
彼のまわりの政略的な事情から他の女性と結婚してしまうボーイに
落胆し精神的ショックを受ける。
だが、ココは精一杯、感情を抑えていた。
彼女の性格を考えると実に切なく映る名場面だと言える。

このあとに、またひと波乱あるわけですが・・。

若き日のココを演じたバルボラ・ボブローヴァが凄くいい!
この女優さん、以前にもどこかで見たような気がしてならない・・。
と思っていたら、あの女優さんに似ていたんですね!
デビューしたてのジュリエット・ビノシュ(笑)
あ~!これは、妙に納得ですよ。
お鼻の先がツン!と上を向いてる横顔がチャーミングでした。



贅沢にして究極のシンプル!

ココの姪がパーティーに着ていくドレスを見て
「酷いドレスね!まるで鎧でも来ているみたいよ!」
と言いながら、着ている黒いドレスの両肩をバッサリと剥ぎ取り
腰からのティアードまで抜いてしまう即席の大改造(笑)
挙句は、窓のカーテンでショールの代替え!
でも、これがまた素晴らしいんですよ!

すべての仕事が、こういう感じでまったく躊躇をしない手際の良さ。

逆に言えば、デザイン画が描けなかったココ自身の
身を守る手段だったのかもしれない。


おまけ)
・現代のシーンをコミカルタッチ(71歳の我がままが可愛い)にしたことで
 作品全体から受ける印象が明るい方向へと行ったのが嬉しかった。

・お針子時代からのただひとりの親友のアドリエンヌですが
 1954年のシーンで演じてたのはマイケル・ケインが女装してた???
 でも、あのお声、一瞬疑ってしまいましたが・・・。
 
・一緒に居て、退屈しない女と言われてましたが、まさにその通り!
 妻として不向きかもしれませんが、恋人としてなら絶対に楽しい。

------------------------------------------------------------
監督:クリスチャン・デュゲイ
脚本:エンリコ・メディオーリ
撮影:ファブリッツィオ・ルッキ
音楽:アンドレア・グエラ



出演:シャーリー・マクレーン/バルボラ・ボブローヴァ/マルコム・マクダウェル



『ココ・シャネル』














コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サマーウォーズ | トップ | トランスポーター3 アンリミ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コレ! (ぺろんぱ)
2009-08-15 11:33:07
こんにちは。

コレ観たい一作です。
予告編で興味を引いたのと、元気を貰えそうだということ、、、そしてマルコム・マクダウェルが出てるってことで。
『時計じかけのオレンジ』の印象はいまだ鮮烈に甦ります。

前記事の『サマーウォーズ』にも惹かれます。
積極的に劇場鑑賞をこなしておられる姿勢に感服です!(*^_^*)
返信する
顔立ち。 (BC)
2009-08-15 13:28:10
itukaさん、こんにちは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*

>デビューしたてのジュリエット・ビノシュ(笑)

確かに、似ていますね☆
バルボラ・ボブローヴァはフランス人ぽい顔立ちですね。
返信する
マルコム・マクダウェル (ituka)
2009-08-16 00:02:47
ぺろんぱさん こんばんは。

今年になって次々と公開されるココネタは
やっぱり創業100周年ということで3本の映画が公開されるようです。
実際のココの画像を見る限り、当時としては可也の美貌の持ち主ということが分かります。

>、元気を貰えそうだということ、、、そしてマルコム・マクダウェルが出てるってことで。

劇場を出る時の心地良さ、これを久しぶり味わえる作品でした。
ココのマネージャー(?)的存在のマルコム・マクダウェルがほんとうにいいひと^^
良い味をだす俳優さんですね。

>積極的に劇場鑑賞をこなしておられる姿勢に感服です!(*^_^*)

シネコン2館、ミニシアターと3か所の会員になったので元を取ろうと必死になっているワタシです^^;
ぺろんぱさんの鑑賞が叶うことを願っていますよ^^
返信する
本作のために生まれて来た (ituka)
2009-08-16 00:12:15
BCさん こんばんは。

おそらく、記事書き始めは同じころだったかもしれませんね^^
ワタクシ、本記事に4時間もかかってしまいました(笑)

>バルボラ・ボブローヴァはフランス人ぽい顔立ちですね。

でっしょう!^^
『ポンヌフの恋人』のリメイクがあるとすればヒロインには、このひとを是非使ってもらいたい。
出身はチェコ?スロバキア?このどちらかのようですね(違ってたら・恥)^^;
返信する

コメントを投稿

映画 か行」カテゴリの最新記事