日蓮正宗の正しい本尊は、『日蓮正宗宗規』第三条に「本宗は、宗祖所顕の本門戒壇の大漫荼羅を帰(き)命(みょう)依止(えし)の本尊とする」と、明確に定められている「本門戒壇の大御本尊」です。
この大御本尊は、宗祖日蓮大聖人が『聖人御難事』に
「此の法門申しはじめて今に二十七年、弘安二年大歳己卯なり、仏は四十余年(中略)余は二十七年なり」(新編 1396頁)
と仰せのように、御本仏の出世の本懐(ほんがい)として顕わされました。
日興上人の『日興跡条々事』に
「日興が身に宛て給はるところの弘安二年の大御本尊は、日目に之れを相伝す」(新編 1883頁)
と仰せのように、この大御本尊は、日興上人、日目上人と唯授一人血脈付法の御歴代上人によって相伝されています。
日寛上人は
「就中(なかんずく)、弘安二年の本門戒壇の御本尊は、究竟中の究竟、本懐の中の本懐なり。既に是れ三大秘法の随一なり」(富要 4-221頁)
と説かれ、弘安二年十月十二日に御図顕の本門戒壇の大御本尊は、宗旨の根本となる本尊であると教示されています。
代々の御法主上人は、その相伝の権能(けんのう)のうえに本門戒壇の大御本尊の御内証を書写され、本宗僧俗に下付されるのです。