「一人親方」大工は労働者に当たらず 労災補償で最高裁(朝日新聞) - goo ニュース
従来から 労働現場における「一人親方」は、政府労災の補償を受けられないといわれてきたが、それを裏付ける最高裁の判決となった。
一人親方とは、建設業の多く見られる請負契約に基づき、建設現場で働く 技術者を言う。アルバイトや派遣との違いは 自分の判断で依頼された仕事を遂行するという点だが、実際の仕事ぶりからは、アルバイトや派遣との違いは少ない。
現場での事故でケガをした場合、両者を区別することは難しく、外資系の保険会社からは、両者を区別せず補償する保険も発売されている。
「一人親方」大工は労働者に当たらず 労災補償で最高裁
腕を頼りに仕事を請け負う「一人親方」の大工が仕事中にけがをしたとき、工事会社の「労働者」として労災補償を受けられるのか。けがをした男性が起こした訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は28日、こうした働き方をする大工は会社に雇われた「労働者」には当たらないと判断。補償を求めた男性側の主張を退けた。
男性はマンション新築工事で右手の指3本を切断するけがをした。
大工や左官、個人のトラック運転手など「一人親方」と呼ばれる業種には、個人で保険料を納めて補償を受け取る仕組みがある。ただ、この男性は非加入だったため、会社に雇われた労働者という立場で労災補償を受け取ることを求めていた。
第一小法廷は、具体的な工法や作業手順を自分で選択できた男性は「会社の指揮監督の下になかった」と指摘。報酬も「出来高払い」で労務への対価ではなく、仕事の完成に対するものだったとして、労働者には当たらないと結論づけた。