最近巷でよく耳にする有機農法、自然派・自然農法
今までの農業と何が違うのか?
生産者の思いや農法を聞く機会を得て、畑に伺いました。
現在、有機農法や自然農法に注目が集まっていますが、これらの農法で農産物の安定したものが手に入りやすくなってから、
そんなに年月は経っていないそうです。
高度成長期に野菜や果物にもより安定的に、安価に、大量に同じ商品を作ることが求められた時期がありました。
農薬や肥料の進化は安定した収穫を可能にしていきましたが、その反面土の中の微生物を減らし、畑は瘦せて行ったそうです。
(アメリカの農業地域は宇宙からの写真では顕著に表面の色の変化が表れている)
現在は高度成長期も終わり、大量の商品をいっぱ買う事よりも良いものを自分たちに必要なだけ求める、
そんな時代を予感した作り手や一部の生産者はエコやサステナビリティを意識して農産物の生産に乗り出しました。
その中で今回は「自然派ワイン」の作り手を訪ねました。

自然派とは可能な限り自然に寄り添い、自然の力を存分に引き出せるように作る方法。
土地のことや環境の事を考え労力を惜しまず作った少量生産のぶどうを使用したワインのことを言うくらしいのですが、
はっきりとした枠組みや選別は国や地域によって様々だそうです。
ぶどうの有機栽培農法はいくつか方法がありますが、EU法では厳密な規定を3年以上守ってぶどうを栽培した場合に認証資格を得ることができます。
この農法により生産されたぶどうのみを使用しワインを作った場合、「有機ワイン」との表記が可能となるそうです。

伺った畑も化学肥料は一切使用しておらず、化学肥料を使用すると植物は根を下へとは伸ばさず
大地の栄養を自分であまり取らなくなってしまそうです。
また殺虫剤や農薬を使用しないため、本来住むべき昆虫や微生物も一緒に住むことができ生態系がきちんと守られます。

一年に一筋づつ交互に植物の種を蒔き成長させて、それを自然の堆肥にして畑に返してゆく方法は今も行われています。
環境や自然に配慮した有機的なワインや野菜作りは、人気を集めていますが自然派や有機農法信仰となりすぎて
十分な知識をつけていかなければ本物と偽物の区別ができなくなる可能性も出てきています。
自然派や有機農法に対する理解を深めて、造り手のこだわりも知った上で応援、購買して
味わうことができればワインも野菜もベストだと思った訪問でした。