ギターから探るギタリスト考察、やっと第2回。
今回は言わずと知れた、エディ・コクランのギターから色々と考察してみます。
とはいえ、今回はちょっと専門用語が多めだし、興味無い方々には全くツマラナイ話がダラダラと続くと思います(汗)
これぞ自己満足!(笑)どうかご容赦を。
エディ・コクラン
古いロカビリー、R&Rが好きな方々以外でも、誰もが1度は耳にした事があるはずの「サマータイム・ブルース」「カモン・エヴリバディ」等々、その後の音楽に多大な影響を与えた人。
でも実際、音楽活動期はとても短くて、
'55年に高校中退して「コクラン・ブラザーズ」でプロ入りしてから、'60年の人気絶頂時に訪れたイギリスツアー中、乗ってたタクシーの事故で亡くなる間の、僅か5〜6年間。
それでも、今現在でも伝説的なミュージシャンとして色々な人々に語られてるのは、若くして亡くなった(21歳)のも勿論あるだろうけど、何より楽曲が良かったからなのだと思うのです。ハイ。
さて、エディ・コクラン愛用のギター。グレッチ6120。恥ずかしながら僕も使ってるギター。
僕は長年、疑問に思ってた事があって。
「なんで?フロントピックアップをギブソンのP90タイプに改造してるの?」
さあ!いよいよこの辺から、ギターやらない方々には全くツマラナイ話になってきます(笑)
でも、この小さな謎を解くまで時間が掛かったのです。個人的に。
なかなかの量の音楽を聴いてやっと分かった!!
(いや、実際合ってるかどうかは分からないが)
まず、エディ・コクランの初期「コクラン・ブラザーズ」や、そのちょっと前の録音物を聴くと
まだ10代だったのにも関わらず、かなりのテクニックを持ったギタリストだったのが分かる。
大ヒット「サマータイム・ブルース」のトッポいイメージしかない方々はビックリするはず。
「え!こんなにギター上手かったの!?」と。
サムピックをはめて、当時の大スターであるマール・トラヴィス、チェット・アトキンス等がやってるギャロッピングスタイルだったり、
ナッシュビルの1流ギタリストが好んでやった、流暢なブギスタイルの曲だったり。
個人的な話だけど、よくセッションとかでコード進行がシンプルなブルースや、ブギを演奏する機会が多いけど、
流暢でスウィング感溢れる、ノリノリのブギを演奏するのはホントに難しいと思う。
バカの1つ覚えみたいに、ペンタトニックをベラベラ弾くだけじゃあダメなんだよ!!(自分も含め)
ゴメンなさい。つい興奮してしまいました(笑)
話戻しましょ。
やはり文献を色々と見ても、当時のエディのアイドルはマールやチェット、テレビ番組でヒルビリーを演奏するナッシュビルの1流ギタリスト達。
って事は、エディの少年時代は相当なギター大好き小僧だったって事。歌い手とかではなくね。
では、エディ少年や当時のギター小僧達が心ときめかせ、憧れのマトだったギタリストを当時流行っていた文化等含め、簡単にご紹介しましょう。
ギター弾きの方々は是非!ギタリスト達が持っているギターやピックアップにも注目してみると面白いです。
マール・トラヴィス
ギタリストだけじゃなく、歌手としても大ヒット
日本でもフランク永井さんがカヴァーして有名な「16トン」はマールの曲。
チェット・アトキンス
先程のマールが編み出した「トラヴィス奏法」を、さらに独自に発展させて後のロカビリーブームに多大な影響を与えた。
でも、「トラヴィス奏法」自体は戦前ブルースの黒人達の奏法(ブラインド・ブレイク、ロニー・ジョンソン等)や、1900年初頭に流行ったピアノとバンジョー、管楽器による黒人ダンス音楽のラグタイムなんかが混ざって発展してる。
ね、「新しい物と言わてれるヤツにだって、必ずルーツはある」んだよ。
ジミー・ブライアント
個人的にも大好きなギタリスト。とにかく上手い!!ジャズの要素も取り入れながら、ずっと第1線で活躍した人。相棒のスティールギター奏者、スピーディー・ウエストとの音源はスウィング感溢れてて最高!!
グレディ・マーティン
世代的にエディ・コクランのちょっと上の先輩にあたる人。この人も様々なアーティストの録音で大活躍した第1線のギタリスト。
我々ガンボチローズもカヴァーしてる、ジョニー・ホートンの大傑作ロカビリー、
「ホンキートンク・マン」や、「ファースト・トレイン・ヘッディン・サウス」はこの人のギター
もっといえば、60年代に大ヒットした「プリティ・ウーマン」や、マリアッチの名曲「エル・パソ」のギターもこの人。
ハンク・ガーランド
この人も、上記のグレディ・マーティンと同じ、様々なアーティストの録音で活躍する、
「ナッシュビルAチーム」という超1流スタジオミュージシャンの1人。
ビリー・バード
(右から2人目)
当時の国民的人気ヒルビリー歌手だった、アーネスト・タブ(写真中央)を支えたギタリスト。
因みに箱物ギターファンなら、もうヨダレが出るくらいの高嶺の花(笑)である、
ギブソン「バードランド」という最上機種のギターの名前は、ハンク・ガーランドとビリー・バードの2人の名前からとって名付けられた。
と、まだまだ凄いギタリストはいっぱいいるんだけどね、とりあえずこの辺で。
んで、気づきません?みーんなフロントピックアップをP90タイプにしてるの。
まあ、ハムバッカーピックアップが本格的に登場するのが'57年だから、それまではP90タイプしかなかったってのもあるけど、
エディ・コクランはわざわざグレッチギターに、敢えて意図的にP90タイプに交換したと思う。それはやはり、エディの大好きな憧れのギタリスト達の音に近付きたかったんじゃないのかな?と。
でも「じゃあ、なんでフロントピックアップだけP90に改造したの?リアピックアップもP90に変えりゃいいんじゃねの?もしくは、グレッチギターじゃなく、ギブソンとかのギターにすればいいんじゃね?」との、新たな疑問が生まれるが、
'55年前後から、コツコツと音楽活動をしてたエディ少年にとって、天地がひっくり返るくらいの大事件が起こるのです!!
(個人的な主観ですが、、汗。いや!でも多分当たってると思う)
それは時を同じくして、ティーンエイジャーに爆発的な人気となった「ロックン・ロール」の登場!!
ビル・ヘイリー「ロック・アラウンド・ザ・クロック」を筆頭に、エルビス、カール・パーキンス、ジェリー・リー、チャック・ベリー、、、
もう挙げたらキリがないくらい。曲のタイトルに「〜ロック」って付けただけで、もしかしたら売れたんじゃねの?というくらい、猫も杓子もロックン・ロール(笑)
またロックン・ロールに影響された若者達が、もっとバックビートを効かせた「ロカビリー」も時代の流行の音楽なってくると、
同じティーンエイジャーだったエディ・コクランだって、随分と影響受けたはず。
「もう、年寄り相手のヒルビリーなんかまっぴらだっぺ!これからはロックだっぺ!ロック!」
と、どこの方言かも分からないような言葉で言ったかどうかは知らないが、実際すぐさま「コクラン・ブラザーズ」を解散して独自の音楽を目指していく事になっていくが、、、
ここで!リアピックアップをP90タイプにしなかった理由があると思う。
エディの目指す、ロックン・ロールやロカビリーのサウンドにある、ガリッ!としたアタックの強いグレッチギターの音が欲しかったんじゃないのかなと。
P90タイプにすると音的にパワー不足だったと思うし、
何より!エディ・コクラン自身のこれからの音楽の姿勢、「俺も皆に負けないで、ガツンとやってやるんだ!!」との決意というか、気持ちの表れだったんじゃないのかな?と思う訳なのです。
でも、その後が短命に終わってしまったのは、本当に残念な話。
なんかエディ・コクランのギター1つで勝手に話を拡げて、勝手に検証してる気がするが(笑)
こうやって、想像を膨らませながら音源を探ったり、色々歴史を調べるのも音楽の楽しみの1つ。
エディ・コクランや、それ以前だったり同じ時代に活躍したアーティストに少しでも、興味を持ってもらえれば幸いだし、
音楽の奥深いクレパスにハマって、抜け出れなくなってしまった、
1人のオッさんの戯事だと思って頂ければ、幸いです(笑)
ホントに長々とお付き合い、ありがとうございました。
今回は言わずと知れた、エディ・コクランのギターから色々と考察してみます。
とはいえ、今回はちょっと専門用語が多めだし、興味無い方々には全くツマラナイ話がダラダラと続くと思います(汗)
これぞ自己満足!(笑)どうかご容赦を。
エディ・コクラン
古いロカビリー、R&Rが好きな方々以外でも、誰もが1度は耳にした事があるはずの「サマータイム・ブルース」「カモン・エヴリバディ」等々、その後の音楽に多大な影響を与えた人。
でも実際、音楽活動期はとても短くて、
'55年に高校中退して「コクラン・ブラザーズ」でプロ入りしてから、'60年の人気絶頂時に訪れたイギリスツアー中、乗ってたタクシーの事故で亡くなる間の、僅か5〜6年間。
それでも、今現在でも伝説的なミュージシャンとして色々な人々に語られてるのは、若くして亡くなった(21歳)のも勿論あるだろうけど、何より楽曲が良かったからなのだと思うのです。ハイ。
さて、エディ・コクラン愛用のギター。グレッチ6120。恥ずかしながら僕も使ってるギター。
僕は長年、疑問に思ってた事があって。
「なんで?フロントピックアップをギブソンのP90タイプに改造してるの?」
さあ!いよいよこの辺から、ギターやらない方々には全くツマラナイ話になってきます(笑)
でも、この小さな謎を解くまで時間が掛かったのです。個人的に。
なかなかの量の音楽を聴いてやっと分かった!!
(いや、実際合ってるかどうかは分からないが)
まず、エディ・コクランの初期「コクラン・ブラザーズ」や、そのちょっと前の録音物を聴くと
まだ10代だったのにも関わらず、かなりのテクニックを持ったギタリストだったのが分かる。
大ヒット「サマータイム・ブルース」のトッポいイメージしかない方々はビックリするはず。
「え!こんなにギター上手かったの!?」と。
サムピックをはめて、当時の大スターであるマール・トラヴィス、チェット・アトキンス等がやってるギャロッピングスタイルだったり、
ナッシュビルの1流ギタリストが好んでやった、流暢なブギスタイルの曲だったり。
個人的な話だけど、よくセッションとかでコード進行がシンプルなブルースや、ブギを演奏する機会が多いけど、
流暢でスウィング感溢れる、ノリノリのブギを演奏するのはホントに難しいと思う。
バカの1つ覚えみたいに、ペンタトニックをベラベラ弾くだけじゃあダメなんだよ!!(自分も含め)
ゴメンなさい。つい興奮してしまいました(笑)
話戻しましょ。
やはり文献を色々と見ても、当時のエディのアイドルはマールやチェット、テレビ番組でヒルビリーを演奏するナッシュビルの1流ギタリスト達。
って事は、エディの少年時代は相当なギター大好き小僧だったって事。歌い手とかではなくね。
では、エディ少年や当時のギター小僧達が心ときめかせ、憧れのマトだったギタリストを当時流行っていた文化等含め、簡単にご紹介しましょう。
ギター弾きの方々は是非!ギタリスト達が持っているギターやピックアップにも注目してみると面白いです。
マール・トラヴィス
ギタリストだけじゃなく、歌手としても大ヒット
日本でもフランク永井さんがカヴァーして有名な「16トン」はマールの曲。
チェット・アトキンス
先程のマールが編み出した「トラヴィス奏法」を、さらに独自に発展させて後のロカビリーブームに多大な影響を与えた。
でも、「トラヴィス奏法」自体は戦前ブルースの黒人達の奏法(ブラインド・ブレイク、ロニー・ジョンソン等)や、1900年初頭に流行ったピアノとバンジョー、管楽器による黒人ダンス音楽のラグタイムなんかが混ざって発展してる。
ね、「新しい物と言わてれるヤツにだって、必ずルーツはある」んだよ。
ジミー・ブライアント
個人的にも大好きなギタリスト。とにかく上手い!!ジャズの要素も取り入れながら、ずっと第1線で活躍した人。相棒のスティールギター奏者、スピーディー・ウエストとの音源はスウィング感溢れてて最高!!
グレディ・マーティン
世代的にエディ・コクランのちょっと上の先輩にあたる人。この人も様々なアーティストの録音で大活躍した第1線のギタリスト。
我々ガンボチローズもカヴァーしてる、ジョニー・ホートンの大傑作ロカビリー、
「ホンキートンク・マン」や、「ファースト・トレイン・ヘッディン・サウス」はこの人のギター
もっといえば、60年代に大ヒットした「プリティ・ウーマン」や、マリアッチの名曲「エル・パソ」のギターもこの人。
ハンク・ガーランド
この人も、上記のグレディ・マーティンと同じ、様々なアーティストの録音で活躍する、
「ナッシュビルAチーム」という超1流スタジオミュージシャンの1人。
ビリー・バード
(右から2人目)
当時の国民的人気ヒルビリー歌手だった、アーネスト・タブ(写真中央)を支えたギタリスト。
因みに箱物ギターファンなら、もうヨダレが出るくらいの高嶺の花(笑)である、
ギブソン「バードランド」という最上機種のギターの名前は、ハンク・ガーランドとビリー・バードの2人の名前からとって名付けられた。
と、まだまだ凄いギタリストはいっぱいいるんだけどね、とりあえずこの辺で。
んで、気づきません?みーんなフロントピックアップをP90タイプにしてるの。
まあ、ハムバッカーピックアップが本格的に登場するのが'57年だから、それまではP90タイプしかなかったってのもあるけど、
エディ・コクランはわざわざグレッチギターに、敢えて意図的にP90タイプに交換したと思う。それはやはり、エディの大好きな憧れのギタリスト達の音に近付きたかったんじゃないのかな?と。
でも「じゃあ、なんでフロントピックアップだけP90に改造したの?リアピックアップもP90に変えりゃいいんじゃねの?もしくは、グレッチギターじゃなく、ギブソンとかのギターにすればいいんじゃね?」との、新たな疑問が生まれるが、
'55年前後から、コツコツと音楽活動をしてたエディ少年にとって、天地がひっくり返るくらいの大事件が起こるのです!!
(個人的な主観ですが、、汗。いや!でも多分当たってると思う)
それは時を同じくして、ティーンエイジャーに爆発的な人気となった「ロックン・ロール」の登場!!
ビル・ヘイリー「ロック・アラウンド・ザ・クロック」を筆頭に、エルビス、カール・パーキンス、ジェリー・リー、チャック・ベリー、、、
もう挙げたらキリがないくらい。曲のタイトルに「〜ロック」って付けただけで、もしかしたら売れたんじゃねの?というくらい、猫も杓子もロックン・ロール(笑)
またロックン・ロールに影響された若者達が、もっとバックビートを効かせた「ロカビリー」も時代の流行の音楽なってくると、
同じティーンエイジャーだったエディ・コクランだって、随分と影響受けたはず。
「もう、年寄り相手のヒルビリーなんかまっぴらだっぺ!これからはロックだっぺ!ロック!」
と、どこの方言かも分からないような言葉で言ったかどうかは知らないが、実際すぐさま「コクラン・ブラザーズ」を解散して独自の音楽を目指していく事になっていくが、、、
ここで!リアピックアップをP90タイプにしなかった理由があると思う。
エディの目指す、ロックン・ロールやロカビリーのサウンドにある、ガリッ!としたアタックの強いグレッチギターの音が欲しかったんじゃないのかなと。
P90タイプにすると音的にパワー不足だったと思うし、
何より!エディ・コクラン自身のこれからの音楽の姿勢、「俺も皆に負けないで、ガツンとやってやるんだ!!」との決意というか、気持ちの表れだったんじゃないのかな?と思う訳なのです。
でも、その後が短命に終わってしまったのは、本当に残念な話。
なんかエディ・コクランのギター1つで勝手に話を拡げて、勝手に検証してる気がするが(笑)
こうやって、想像を膨らませながら音源を探ったり、色々歴史を調べるのも音楽の楽しみの1つ。
エディ・コクランや、それ以前だったり同じ時代に活躍したアーティストに少しでも、興味を持ってもらえれば幸いだし、
音楽の奥深いクレパスにハマって、抜け出れなくなってしまった、
1人のオッさんの戯事だと思って頂ければ、幸いです(笑)
ホントに長々とお付き合い、ありがとうございました。