奄美自然観察記

高のフィールドより

多様性を維持する工夫  シマイボクサ

2019-09-13 17:52:03 | 植物




たまに出かけるウォーキングコースに昼前に出かけてみました。案の定、前からあることが分かっていたシマイボクサに、花が2個開いていました。以前、この花の群落にインタバルカメラで咲く時間を調べたことがあり、正午挟んで約3時間ほど咲くことが分かっていました。茎が地面を這うように広がっていくのですが、花の咲くところだけ茎が立ち上がって咲きます(写真2枚目)。アップで観ると、この花は右側に2個のオシベ(白っぽく見えるのは仮オシベ)があり、左側にメシベの柱頭が伸びています(写真3枚目)。鏡像二型性の花として知られ、オシベが右側にあるR型です。個体によって左側にオシベがあるL型と2つの型があって、この花の場合、訪花する昆虫の右側に花粉が付くと、同じ花の個体同士では受粉しにくく、違う型の花に受粉することで多様性を維持することになるというわけです。同じシマイボクサでも、多様性を保つためのこういう工夫があるというのは、ちょっと驚きでもあり、感動してしまいます。

5年前の今日  10年前の今日

【島口バージョン】(キシゆむた)
長くなりましたので、省略いたします。すみょうらん。

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