Rainy Soul ~イギリス研究留学してました~

研究者がアカデミックなことなどを中心に徒然なるままに書いています。イギリスに研究留学していた際の情報も載せています。

種苗法改正を正しく理解する

2020-06-05 | 徒然に書きたいこと・思いついたこと
種苗法改正が話題になっていますね。なぜか芸能人の方もコメントしていたりしますが、間違った理解も多いみたいです。
今日はそのことについて書いてみます。動画の方がわかりやすいかもしれませんのでいくつかYoutubeのリンクも貼っておきます。

きうい
ちょこっと自然農 -try natural farming-
いちご農園 ミライバナ


今回の種苗法は日本の品種が海外へ流出することを防ぐためのものです。
カーリング娘が韓国の大会で食べていたイチゴの件を覚えておられる方もいるかもしれませんね。

農林水産省のホームページ種苗法の一部を改正する法律案について
『日本で開発されたブドウやイチゴなどの優良品種が海外に流出し、第三国に輸出・産地化される事例があります。また、農業者が増殖したサクランボ品種が無断でオーストラリアの農家に譲渡され、産地化された事例もあります。このようなことにより、国内で品種開発が滞ることも懸念されるので、より実効的に新品種を保護する法改正が必要と考えています。』


植物の品種には『一般品種』と『登録品種』があります。
『登録品種』は品種登録が為されている品種です。農林水産省の品種登録ホームページを参照して頂きたいのですが、簡単に言えば個人や企業などが育種の権利を登録するものです。’シャインマスカット’や’あまおう’などが該当します。登録品種は都道府県などが特定の農家さんに頒布しています。この登録品種の自家増殖を規制するのが種苗法です。
『一般品種』は品種登録が為されていない(期限切れなどを含む)品種です。’コシヒカリ’・’デラウェア’・’桃太郎’などがそうですね。
家庭菜園などに流通するのはほぼ全て『一般品種』なので一般の方には種苗法の改正はほぼ関係ありません。

もちろん日本の農家にも影響がありますが、それほど大きな影響があるわけではありません。
本や音楽には著作権がありますが、品種にも育成者の権利があります。その権利を守るための法律です。
植物の育種は数年~数十年、手間も費用もものすごくかかります。
そんな品種が許可なく海外に持ち出されて使われてしまう(海外への持ち出しには日本人が関わっているとも言われていますが……)のを防ぐのが今回の種苗法改正の意図であり、日本の農家を困らせるのが主目的ではありません。
もちろん、日本の農家には権利関係をしっかりとせずに、登録品種であっても自家増殖している農家もいるかもしれませんが、それは改正前から違反しています。

まずは正しい理解を進めて欲しいと思います。

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