入門介護講座。老人ホームの選び方

元、「特別養護老人ホーム」の施設長が、施設の「選び方」などを、エッセイ風に伝授します。新聞でも紹介されたコラムです。

第12回 特養にも、「モンスター」登場?

2008-05-26 | 拝見!特別養護老人ホーム《見たまま》
 最近、学校では、モンスター・ペアレンツが話題になっています。

今回は、困ってしまう入居者のご家族の話しです。どうも、学校と似ているのですね。やはり、いろいろな方が集まる、社会の縮図になってしまうのでしょうか。
 
 「特養」でも、権利意識が全般的に強くなっており(これ自体はいいことなのですが)、そこに、ご家族のちょとした誤解「など」で、双方「泥沼」に漬かることがあります。
 この場合、たいていイニシアティブをとっているご家族は「泥沼」とは思っていらっしゃらないので、なおさら、困ってしまうのです。
 まア、誤解ならよいのですが、どう考えても「いいがかり」ではないか、「どうしたら、あんな発想になるのかな」と、首を傾げてしまう例もないではありません。

 一番「すごい例」は、「部屋のヤクルトの本数が減っている、職員が飲んだでしょう!」、というのもの。

 学校でも、「運動会」の「席取り競争」があるように、どこの「特養」でも、大きなイベントでこのようなことがあります。例えば、「夏祭り」「餅つき」などです。このときに、早い時間から机を一家用にで占拠される方は少なくはありません。お祭りをきっかけに、よそのご家族と仲良くなればよいと思いますが、最後まで、閉鎖的な雰囲気で、そのご家族だけでお楽しみです。

 その代わり、といってはヘンですが、施設で気にいらないことは、フロアの他の家族と携帯電話で、即情報交換し、「自派」を増やす、といったことも結構あります。

 「KY」、「空気を読めない方」もいらっしゃいます。

 困った例は、頻繁に面会にこられるのはいいのですが、必ず、そのときに、他の入居者の方に「お説教」を始める男性の方。

 また、デイサービスで、送迎なしでよいということで、ご自分のご家族を「お迎え」に来た方が、毎回、夜まで1時間以上、何か苦情的なこと、これまでの出来事の蒸し返し的なこと、などを見つけて、ずっとお話される方。職員は、毎回、帰れません。 

 毎日、夜中に面会に来られ(私は、特養は24時間面会可とすべきであると思いますので、これ自体はいいのですが)、ただでさえ夜間人数の少ない夜勤職員を「独占して」、「うちのおじいちゃん(おばあちゃん)の状況に」ついて、夜間の、このときに、話しこまれる方。

 世間ではいろいろな方がいる、のでしょうが、特養とあまりに相性が悪い場合は、施設を変われるようにすべきだと思います。
 自治体にとっては、それが絶対できない自治体がありますがなんとかすべきでしょう。
 そういえば、「学校」の「指定校変更」も、実際はなかなか難しいようですが、これと似ています。
 介護保険は、「契約制度」といいながら、特養が少ないことから、入所自体、まだ役所一本の窓口のところもあるし、制度上の課題がたくさんあるのです。
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