入門介護講座。老人ホームの選び方

元、「特別養護老人ホーム」の施設長が、施設の「選び方」などを、エッセイ風に伝授します。新聞でも紹介されたコラムです。

第7回 人生を「傾聴」する技術

2008-05-20 | 拝見!特別養護老人ホーム《見たまま》
 前回「人生暦」作成のすすめ、についてお話しました。

今回は、もう少し、参考図書なども、ご紹介してみましょう。

 まず、私の、別のカテゴリーでも述べましたが、高齢者のお話を聞く場合に、ただ、フンフンとあいずちをうつのではなく、フンフンの中に話を先に発展させるネタを入れるのがコツだと申し上げました。このことは、もう一度認識してください。
 未経験や若い方は、「ネタ」が少ないので、そのようなあいずちをうつのも大変ですが、数度経験すれば、その中で、ネタは蓄積されていきますのでご心配には及びません。
 また、疑問があれば、質問してください。例えば、兵隊に行かれた男性のお話で、兵隊の「階級」がわからなければ質問されればよいのです。「敬礼の仕方」などもおもしろいです。素朴な疑問をどんどん発してください。

 さて、図書ですが、入門的には、

ホールファミリーケア協会「傾聴ボランティアのすすめ」(三省堂)


 また、高齢者の方の中には、信心深い方もおいでです。いろいろな宗教(いわゆる新興宗教も含めて)の基礎知識を得るには、

「図解 新宗教ガイド」(九天社)
なども役に立ちます。

 ビジュアルな「小道具」を利用するなら、例えば、「週刊朝日百科113」の「日本の歴史」などは、学校給食の写真が表紙で「面白い」でしょう。また、同別冊の「歴史の読み方」2巻や7巻あたりが役に立つでしょう。ただ、これらは、あくまで「歴史ビジュアル」本であって、高齢者の話を聞く素材には作られていませんので、役に立つ写真は数枚、となるのは仕方ありません。
 どこかの出版社で、高齢者の話を聞く素材に特化した、「廉価な」ビジュアル本をだしていただければよいのですが。
 
 そうこう、していると、高齢者の「人生暦」作成に似た本がすでに出ていました。ちなみに、東京駅の丸善の、プラモデル本などのある「趣味」のコーナーにあったのを偶然みつけた(やっとみつけた?)のですが、

「ライフレビューブック 高齢者の語りの本づくり」(弘文堂)
です。CDも付いていますので、施設などでは役に立つと思います。

 みなさんも、これから「人生暦」をおつくりになるなら、むしろ、あなたがパイオニア、といった気持ちで、同時並行に資料を蓄積整理されることをぜひ進めます。
 また、あなた御自身の人生暦の整理もお忘れなく。
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