狩猟民族

数年前、「オヤジ狩り」と呼ばれる犯罪行為が横行しました。
若者が集団で帰宅中のサラリーマンを遅い、強盗を働くという
卑劣な犯罪です。

ある日、僕の住む田舎町で、そんな事件が発生しました。
若者４人で帰宅中の男性を襲い、金品を奪って逃走。

平和な田舎町は、一夜にして厳戒態勢が発動。
それからしばらくは、毎晩パトカーが巡回し、町内放送で
常に安全を呼びかけていました。

そして１週間ほどして、警備体制がやや薄れてきた頃のことです。

僕は夜の９時ごろ、近所の自動販売機にジュースを買いに行きました。




油断していました。




道路を歩いていた僕の前に、一人の男が現れたのです。


年齢40～50代。トランクス一枚という姿で木製バットを手に持ち、道路を
フラフラと歩いていました。
なんか一人でブツブツ喋っています。



※髪は薄いが体毛は濃い


「オヤジ狩り」ならぬ「狩りオヤジ」の登場に、僕の本能は
脳味噌に「大至急逃亡」の指令を送る。

しかし、体が逃げるよりも先に、僕はオヤジと目が合ってしまいました。

オヤジはバットを振り上げて身構え、叫んだ。
「お、お前に何が分かるってんだよォ～」


「いや、なにひとつ分かりません」などと答える余裕があるはずもなく
あまりにも怖かったのでダッシュで逃亡。
その後どうなったのかは分かりません。通報したほうが良かったかな…。


しかし、僕はヘンなのに遭遇する確率が非常に高い。なんでだろ…。