流星パズル

イナズマイレブンの愛を語りまくるブログ。
一部腐向けですので、苦手な方はお引取り下さい。

再会 (豪吹)

2010-03-20 00:47:13 | 小説
※腐向け(BL)小説ですので、苦手な方はご注意下さい。


―――僕は息が止まりそうになった。
『吹雪。東京に、来てくれないか』
僕はあまり聞き慣れていない声の主の言葉を信じ切れなかった。
その人は前の雷門イレブンの監督だったらしい。
僕はほとんど会ったことが無かったからあまり知らない人だけど。
「…どうしてですか?」
「理由はまだ言えない。来れば分かる。
お前に来て貰いたい理由はきちんとあるさ。
お前が北海道から離れたくないのなら来なくてもいい」
そこまで言われると、行かざるを得ない。
僕ははっきりと「行きます」と言った。
理由が知りたいというのもあるし、僕が必要とされていることが嬉しかったというのもある。
だけど本当は、豪炎寺君に会いたくて会いたくて仕方なかったことがあったからだ。
電話越しじゃ表情は見えない。触れることもできない。
やっぱり物足りない。満足出来ない。
豪炎寺君は他の人と仲良くなってるかもしれない。僕以外の人に夢中かもしれない。
僕以外の人を…好きになっているかもしれない。
一緒に居れないとなると、不安しか抱かない。
勿論電話でも愛しいことには何の変わりもないけれど。
すごく好きだけど。でも好きだからこそ、不安になって心配してワガママになる。
電話越しじゃ分からないことがある。むしろ、分からないことばかりだ。
一番僕の心を締めつけるのは、“会いたい”と“寂しい”の2つだった。

そして、東京に僕は来た。
北海道から東京まではかなり時間がかかったけど、
今まで寂しくてたまらなかった時間と比べれば大したことはなかった。
早く早く、早く豪炎寺君に会いたかった。
―――そして久しぶりに豪炎寺君を見た。
変わってないようにも見えるけど、少し変わったようにも見える。
会いたくて会いたくて仕方なかった人。
さあ、今すぐ声をかけなきゃ。見てるだけじゃダメだ。
わかってる。そんなことは頭ではわかってるんだ。
でも、体が動かない。動けない。
この足は豪炎寺君の元へと踏み出せない。
どうして―?あんなに会いたくて、あんなに喋りたくて、あんなに触れたかったのに。
会えて嬉しいはずなのに。
何だか怖い。
もし、豪炎寺君がもう僕のことなんか興味もなかったら。
もし、豪炎寺君がもう他の人を好きになってるのなら。
もし、嫌われていたら。
怖い。苦しい。悲しい。辛い。
会えて嬉しいはずなのに。豪炎寺君は僕に気付きもしない。
やっぱり…僕は一人ぼっちになっちゃうのかな。
東京なんか来なきゃ良かったのかな。
僕は少し後悔をし始める。
だけど、その後キャプテンに会ったり他の皆とも喋ったり新しく見る人達も居たりして、
楽しかった…のは、楽しかった。
だけど心から笑えないのは、きっと豪炎寺君と一言も交わしてないから。
僕はちらちら見たりするけど、目も合ったりしない。
僕の心の傷はどんどん深く抉れていった。
そして日本代表の話を聞いたあと、僕は一人外に出た。
暗い気分だったから気分転換もしたかった。
青い空を見つめる。
何故か急に北海道が恋しくなる。
帰りたい。でも、帰るわけにはいかない。
僕はやっぱりサッカーをしたいし、逃げたくない。
やっと自分に向き合えたのだから。
だから…今度は豪炎寺君と向き合わなきゃいけない。
でも、どうしても出来ない。
もどかしくて弱い自分が嫌いだ。
「吹雪」
愛しい声が聞こえてくる。
ハッと息が止まりそうだった。
振り返るのに大分時間がかかってしまったけど、
勇気を振り絞って振り返り、豪炎寺君とやっと目が合った。
心臓が、今までにないくらい跳ね上がりだす。踊り出して止まらない。
心臓の高鳴る音が耳まで聞こえてくるくらいだ。
顔も少し赤く染まっているだろう。
やっぱり好きなんだ。好きで好きで仕方ないんだ。
「…何で俺を避ける」
豪炎寺君は少し眉間に皺を寄せ、少し怒っている表情を見せた。声も少し低い気がする。
「…さ、避けてなんか…ない…」
僕は何故か緊張して上手く喋れなかった。
「嘘をつくな。吹雪。俺に嘘はつかないでくれ。
お前の気持ちをぶつけてくれ」
豪炎寺君は真面目な顔をして真っ直ぐな瞳で僕を見据える。
僕の嘘も一瞬の迷いも見逃さない、鋭い瞳。
「…僕…、あの、不安で…。
ごっ…豪炎寺君に…、嫌われてないかな、って…。
豪炎寺君がっ…他の人を好きになってたら…その…どうしようって…」
僕は気持ち悪いくらいモジモジしていた。
まるで初めて告白をする女子みたいだった。
ど、どうしたんだろ、僕…。
何で、豪炎寺君の前だけだとこんな風になっちゃうんだろ…。
もっと強くなって豪炎寺君に認められるような人になりたい、っていつも思って頑張ってきたのに…。
肝心なときにちゃんと出来ない。悔しくて悲しい。
すると、豪炎寺君は僕の方まで歩み寄ってきた。
何をされるか分からない不安と、近寄ってくることのドキドキが胸をいっぱいにさせる。
豪炎寺君の腕が伸び、僕の体をふわり、と包み込んだ。
心臓の音が耳まで聞こえてくるくらいドキドキした。
「…俺は、吹雪だけが好きだ。
いつもこうやって抱きしめたいと、頭の中はそればかりだった。
電話だけじゃ、吹雪のことは分からないことだらけだ。
今どこで誰と何をしているのか、そればかり気になってサッカーにも勉強にも、ろくに集中出来なかった。
俺も…吹雪はもう、他の人を好きになっているんじゃないかと気が気じゃなかった」
豪炎寺君は優しく抱きしめていた腕を、少し強くした。
「…豪炎寺君…」
「好きだ、吹雪。
俺は吹雪だけが好きだ」
「…僕も…。僕も、豪炎寺君だけが好き」
僕も豪炎寺君の腰に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた。
「これからは、ずっと一緒だね」
豪炎寺君の温もりが伝わってくる。それが幸せだ。
「ああ。好きだ、吹雪。好きだ。…好きだ」
豪炎寺君は何度も好きだと言ってくれる。
嬉しくて嬉しくてしょうがない。
「僕もっ…好き。豪炎寺君が好き。好きだよ」
僕も何度も言った。
二人とも笑い合っていた。息が暖かい。
すると突然、豪炎寺君は低い声でこう言ってきた。
「…お前が他の野郎に目がいった時は許さないからな」
「僕も。許さないよ、豪炎寺君」
僕だってそうなったときは何をするか分からない。
大体、僕は豪炎寺君以外の人を好きになれるかどうかも分からないくらいなんだから。
「…なあ、吹雪」
「何?」
「好きだ」
何度も聞いた言葉。
だけど聞き飽きることはない。
ずっと聞いていたいと思うから。
僕の望む時に、望む言葉を言ってくれる。
「好き」
僕も同じ言葉を言う。
何度もこの言葉を繰り返す。
いつか慣れてしまう日が来ないように願うんだ。
僕達は唇を重ねた。
本当に久しぶりの唇に、舌を入れずにはいられなかった。
それは豪炎寺君も一緒だったようで。
熱い舌が絡み合って、僕の心も溶けていく。
悲しみも苦しみも寂しさも辛さも後悔も悩みも過去も、全部その唇が溶かしてくれる。
その温かさは、再会の証。
――――――――――――――――――――――――――――――


…って感じでしたー!!
吹雪が女の子っぽくなっちゃったなー…。
っていうか最後ら辺、ただのバカップル…www
…というより、バカップルを目指しました(笑)。
遠距離→すれ違い→バカップル、みたいな感じにしようと思って。
でも何かイマイチ…です。でも直しようがありません(笑)。

ミッフィーさん、こんな小説しか書けなくてすみません…orz
なんか…本当に申し訳ないです…。

叶さん、佐久鬼の小説これから書きますので、
出来上がったら載せます^^
くれぐれも期待だけはしないでください…(汗)。


じゃあね!!


4 コメント

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サイコー! (ミッフィー)
2010-03-20 10:54:09
私の、リク小説を書いてくれて、ありがとう!もう、ドキドキです。豪吹の小説サイコーです。いつでもいいので、豪吹の小説書いてください。
楽しみにしています。
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吹雪ヤバい!! ()
2010-03-20 11:55:33
吹雪かわいすぎ^^
佐久鬼の小説楽しみにしてます!!というか,私のリク聞いてくれてありがとうー!!
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また追加なんです・・・ (ミッフィー)
2010-03-20 12:08:31
イナイレって、世界編は、合宿生活でしたよね?
そこで、ピーンとアイデアが思いついたんです。「合宿生活の中で起こった、豪吹の小説を、書いてもらおう。」って。(吹雪と円堂でもいいや)。いつでもいいので。
あ、難しッかたら、別にいいです。
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吹きゅぅん (みぃ)
2010-09-05 11:20:05
ヤバいww
バカップルなところが良い!!
また豪吹、書いて下さい!!
最後のエロちっく最高でした・・・
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