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天寿国繍帳 刺繍銘 亀の甲羅 橘大郎女 古代史探訪

2017-09-07 07:49:21 | 評論
天寿国繍帳の真実 古代史探訪

国宝 天寿国繍帳(部分)
飛鳥時代・7世紀 奈良・中宮寺蔵


 現存する最古の刺繍である天寿国繍帳は、飛鳥時代に制作された旧繍帳と、鎌倉時代にこれを模造した新繍帳の遺(のこ)りのよい部分を、江戸時代(天保年間)に貼り混ぜて1面の繍帳にしたものである。
 このことから正式な国宝の登録名は「天寿国繍帳残闕」されている。
 意外なことに、鮮やかな色彩のほうが旧繍帳である。
 制作当初は縦2メートル、横4メートルほどの「帳」2枚を横につなげたものであったと推定されるが、さまざまな断片をつなぎ合わせて制作された現存する「繍帳」は、縦88.8センチメートル、横82.7センチメートルの「額装仕立て」となっている。
 この繍帳には亀の甲羅に4文字の刺繍銘があり、「刺繍」には「部間人公」「干時多至」「皇前曰啓」「仏是真玩」、「断片」には「利令者椋」の四字五組の銘文が残る。当初は100匹の亀の甲羅に刺繍されていたとされ、その400文字の全文が『上宮聖徳法王定説』に記され、この繍帳作成の由来がわかる
それによると、推古30年(622)に聖徳太子薨去に際し、妃の橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が、推古天皇に願い出て、太子往生の姿を偲び、往生した天寿国の有様を刺繍によって表したものとしている。「天寿国」とは、阿弥陀如来の西方極楽浄土を指すものとされている。
 下絵を描いたのは椋部秦久麻(くらべのはたのくま)を総監督に、東漢末賢(やまとのあやのまけん)、高麗加西溢(こまのかせい)、漢奴加己利(あやのぬかこり)の渡来系の3人の画師で、宮中に仕えた采女たちが刺繍したとしている。  
中国六朝風の人物表現や文様がみられ、飛鳥時代の絵画としても貴重である。
製作された後は、しばらく本堂にて保管されてきたと思われるが、鎌倉時代に中宮寺を再興した尼僧・信如によって法隆寺境内の蔵から発見されたという記録があるので、鎌倉期まで法隆寺の蔵で眠っていたことが判明している。
 現在、中宮寺本堂に安置されているものは複製品で、実物は奈良国立博物館に寄託されている。


天寿国繍帳の銘文
 『上宮聖徳法王帝説』に記されている銘文は、一部に誤脱があるが、飯田瑞穂氏(中央大大学名誉教授)の考証によって400字の文章に復元されている。

(読み下し文 後半部分)
 「歳(ほし)は辛巳に在(やど)る十二月廿一癸酉日入(にちにゅう)、孔部間人(あなほべのはしひと)母王崩ず。明年二月廿二日甲戌夜半、太子崩ず。時に多至波奈大女郎(たちばなのおおいらつめ)、悲哀嘆息し、天皇の前に畏み白(もう)して曰く、之を啓(もう)すは恐(かしこ)しと雖も懐う心止使(とど)め難し。我が大皇と母王と期するが如く従遊(しょうゆう)す。痛酷比(たぐ)ひ无(な)し。我が大王の告(の)る所、世間は虚假(こけ)、唯だ仏のみ是れ真なり、と。其の法を玩味するに、謂(おも)えらく、我が大王は応(まさ)に天寿国の中に生まるるべし、と。而るに彼の国の形、眼に看叵(みがた)き所なり。悕(ねがは)くは図像に因り、大王往生之状(さま)を観むと欲す。天皇之を聞き、悽然として告(の)りて曰く、一の我が子有り、啓(もう)す所誠に以て然りと為す、と。諸(もろもろ)の采女等に勅し、繍帷二張(ぬいもののとばりふたはり)を造る。画(えが)く者は東漢末賢(やまとのあやのまけん)、高麗加西溢(こまのかせい)、又漢奴加己利(あやのぬかこり)、令(うなが)す者は椋部秦久麻(くらべのはだのくま)なり」

(現代語訳)
 「辛巳の年(推古天皇29年・西暦621年)12月21日、聖徳太子の母・穴穂部間人皇女(間人皇后)が亡くなり、翌年2月22日には太子自身も亡くなってしまった。これを悲しみ嘆いた太子の妃・橘大郎女は、推古天皇(祖母にあたる)にこう申し上げた。「太子と母の穴穂部間人皇后とは、申し合わせたかのように相次いで逝ってしまった。太子は『世の中は空しい仮のもので、仏法のみが真実である』と仰せになった。太子は天寿国に往生したのだが、その国の様子は目に見えない。せめて、図像によって太子の往生の様子を見たい」と。これを聞いた推古天皇はもっともなことと感じ、采女らに命じて繍帷二帳を作らせた。画者(図柄を描いた者)は東漢末賢(やまとのあやのまけん)、高麗加西溢(こまのかせい)、漢奴加己利(あやのぬかこり)であり、令者(制作を指揮した者)は椋部秦久麻(くらべのはだのくま)である」
(出典 Wikipedia)




2017年9月1日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
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1 コメント

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