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ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮、同人誌の話他

クリスマスに贈る怖い魔物の話

2010年12月16日 | 文学・歴史・美術および書評
冬ですね。冬こそホラーです(なんのこっちゃ)

今日はドクシーという妖怪だか魔物だかの話。

ヨーロッパに、セイブル・ドクシーという魔物がおるそうな。
全身は黒イタチのような毛でびっしり覆われていて、真っ黒。とても素早い。
身長は子供くらい。手足が4本ある。
するどい毒のあるキバを持ち、人の精気を吸い取る。吸血系。
吸血鬼と違うのは、単に血液を吸うだけでなくて、血を毒で穢す事と
人間に化ける事ができるって事。
(吸血鬼みたいに永遠に生きるのかどうかはちょっとわかりません)
ただし、さすがに身長180以上とかのでっかい白人には化けにくいらしく
だいたい、美少女か美少年に化けるようです。
もちろんエサ調達のため。たぶらかすため。

背中には黒褐色のてかてかした昆虫の羽っぽいもんがついてますが。
ゴキの羽っぽくてキモいです。

ドクシーは説得する魔物、とか口の上手い怪物とかそんなふうにも言われてます。
ドクシーが化けた人間はとても口が上手い。
弁護士だろうが宗教思想家だろうが、どんな相手でも説得してしまう。

ドクシーにとっての楽しみは、一般的な人間が怖がったり恐れたりするようなものの事。
そして、友達になりたがるのはだいたい、気持ちの弱い人。寂しい人。
そういう奴の前にとびきり美少女、とびきり美少年で現れるんだからタチが悪いです。

もともと、地獄から派遣されてきた悪魔の使いのようなとこがあるので
とにかく、1人でも多くの人間を死の世界に、魔王のもとに勧誘して連れ帰りたいわけです。
その説得には、人の不安をかきたてるような事を必ず用います。
そうして、一度ドクシーに説得されると、その者は永遠にドクシーの下僕。
財産も人生も、何もかもなげうってでも、悪魔に精気を捧げ尽くす。
ドクシーの言う事を信じ続ければ、周囲には理解されなくなり、「狂人」「廃人」になるのですが…
そんな事本人はわからない。だから、生きている事自体の矛盾に苦しむようになる。
そしてやがて、自ら地獄の門を叩くといいます。


ただ苦手なものも当然ある。
苦手なのは、ひたすら聖書を信じる奴のように、何も考えず信仰する人
一般的な他の悪魔と同様、光、愛、そんなとこか。
そして、クリスマスとイースターが大嫌い。

もちろん伝説なので、河童や口裂け女並にいろんな説があります。
(説でなくて「種類」とか思った方が面白いのかもね)

町中にクリスマスソングとキラキラの今頃は、さぞかしアレルギーでも起こしている事でしょうね…。

もし、ドクシーの化けた美少年に説得されたら
あー…OKしそうな自分がコワい。
地獄の門だけは勘弁な。




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