日付も変わって…30日の未明といった方が正しい時間だったように思うが。
酒場で酒を飲んでいた。
ちっとも酔えないことに溜息が出そうになりつつ。
一人で飲んでいると、扉が開いた。
ずぶ濡れのセクトと赤子がいて、聞けば泉に落ちたのだという。
泳ぐにはまだ早いだろうに…俺のマントを羽織らせた。
狂…歪…不安定要素は誰の中にでもあって。
それが表に出ているか、出ていないかだけの話。
俺はずるいから、それを覆い隠す術を知っているだけ。
境界線など本当はどこにもない。
いつでもどちらの側にでも行くことが出来るのだと…俺は思う。
不安に怯える子が居れば、傍にいて手を握っていてやりたいと思うし。
寂しさに震える子が居れば、腕の中に抱きしめていてやりたいと思う。
望まれれば、望まれるだけ。
欲すれば、欲されるだけ。
尽きることなく与え続けてやりたいと思う。
俺に、その広さがあるのかどうか…疑問ではあるけれど。
奴を完全に止める事が出来ないのは、まだ、足りないからなのか。
奴にとっての俺は、本来邪魔者でしかないのかも知れん。
それでも俺が奴に構い続けるのは。
奴の事を愛しいと思っているからだ。
酒場で酒を飲んでいた。
ちっとも酔えないことに溜息が出そうになりつつ。
一人で飲んでいると、扉が開いた。
ずぶ濡れのセクトと赤子がいて、聞けば泉に落ちたのだという。
泳ぐにはまだ早いだろうに…俺のマントを羽織らせた。
狂…歪…不安定要素は誰の中にでもあって。
それが表に出ているか、出ていないかだけの話。
俺はずるいから、それを覆い隠す術を知っているだけ。
境界線など本当はどこにもない。
いつでもどちらの側にでも行くことが出来るのだと…俺は思う。
不安に怯える子が居れば、傍にいて手を握っていてやりたいと思うし。
寂しさに震える子が居れば、腕の中に抱きしめていてやりたいと思う。
望まれれば、望まれるだけ。
欲すれば、欲されるだけ。
尽きることなく与え続けてやりたいと思う。
俺に、その広さがあるのかどうか…疑問ではあるけれど。
奴を完全に止める事が出来ないのは、まだ、足りないからなのか。
奴にとっての俺は、本来邪魔者でしかないのかも知れん。
それでも俺が奴に構い続けるのは。
奴の事を愛しいと思っているからだ。