いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

アサヒナカワトンボ 産卵とオスの警護

2019年05月28日 | 昆虫類

17時過ぎにアサヒナカワトンボの生態を水路で観察していると、ミクリにとまって交尾をしているペアがいた。オスは橙色翅型である。
しばらくして交尾が終了する。交尾直後も双方がミクリにとまったままだった。この後どうなるのかワクワクしながら見ていると、なんとメスがとまっているミクリに産卵し始めたのだ。



アサヒナカワトンボの産卵を見るのは初めてである。当然のことであるが、交尾後に飛んでいかず、その場で産卵を始めるメスを見るのも初めてだ。このパターンは全く予想していなかった。
オスの方はというと、産卵するメスのすぐ近くにとまっていた。産卵中のメスを他のオスから警護しているようだ。



無色翅型オス同士の争いが近くで始まると、この橙色翅型オスは実際に追い出していた。


こちらは同じ日の日中に、川で見た別の橙色翅型オスの交尾。


交尾が終わり連結を解いた後、このペアは数十秒ぐらいとまっていたが、すぐにメスが飛び上がった。すると、メスを追いかけるようにオスも飛び上がった。メスは数十メートル先の対岸の草むらの方に飛んで行った。オスはメスを追うように同じ方向に飛んで行った。メスを警護するためにこの距離でも追いかけることがあるのだな、と驚いた。


また、この川では同じ日に無色翅型オスの交尾も見た。


アサヒナカワトンボ 交尾直後のペア(無色翅型オス)

交尾後どうなるか見ていると、しばらくしてメスは数メートル横の草むら(その下は極浅く水が流れる)に飛んで行った。オスの方はと言うと、メスを追わずにその場に留まり、じっととまっていた。

一日に3ペアの交尾、そして交尾後の動きを見た。
交尾後に産卵するメスを警護するように橙色翅型オスには強くインプットされている、と感じた。
他方、無色翅型オスは基本的に産卵するメスを警護しないのだろうか。そもそも、無色翅型オスには橙色翅型オスと戦う意思がどれだけあるのだろうか。無色が橙色とバトルを交わしているところを見た記憶がない。あるのは、橙色に追い出される無色の姿である。無色翅型オスが警護するとして、相手が同じ無色翅型オスなら追い出そうとするだろう。しかし、相手が橙色翅型オスの場合、無色翅型オスは戦わずに逃げてしまうような気がする。これでは警護にならない。
このような点を意識しながら、今後もアサヒナカワトンボを観察していきたい。



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