池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

93  「公園」

2011年11月20日 | Weblog
池田湖周りの公園については2度目の記事です。以前書いた公園が完成したようです。樹齢50年くらいの黒松がわずかだが残っていて、池田湖の往年の面影を偲ぶことができた場所についに公園が完成しました。一昨年池田地区の有志がの参加で松の根元に生い茂っていた雑草を刈り取ったことがあります。ごろた石の多い中、刈り取り機の刃を損傷しながら作業が終わったあと私はここを通ったことがあったが、まるで一面芝生を張ったようになっていて、それが松と相まって思わず「我は海の子」という歌を口ずさみたくなるような風景だった。近くにイッシー公園という公園があるがそれと比較してこっちの方がどれだけいいかと感じたものでした。その草むらをはがしてこのような公園にしてしまったのです。

これで自然の砂浜は残すところ100m有るか無いかになってしまいました。砂浜と湖の水が接する場所(みぎわ)には多くの微生物が住んでいます。その生物たちが水の浄化をしています。海でいえば、干潟のような役割を湖で果たしています。
ここは県道のすぐ脇になります、県道には歩道が無く菜の花マーチいう、人が歩く行事を指宿市主催で年1回開催しますので、その歩道を作りたいのだろうという気持ちはわかりますが、池田湖の汀(みぎわ)まで工事をしてしまうことはしないでもいいだろうと私は思うのです。

以前にも書きましたが、池田湖は周囲が崖になっています。砂浜が有る場所は少ないのです。水質がますます悪くなっています。前に報告しましたが、池田湖に生息する生き物の調査が鹿児島水産高校の協力でようやく少し進展しました。これまではいったい何がどのくらいいるのかさえきちんと調査されていなかったのです。それでも池田湖湖水は大がかりな灌漑用水設備ができて、ダムとしての利用はどんどん進行しました。ダムとしての水を確保するために海とつながっていた水路は締め切られ、海からやってきていたウナギはほぼ姿を消しました。寿命の長いオオウナギはまだ生息しているようですが、海とのつながりが途絶えてしまったのでいずれオオウナギも姿を消すでしょう。
日本の湖に興味のある人は是非調べてみてください。日本に自然のままの湖がいかに少ないかすぐにわかるでしょう。

昨日夕方オシドリ30羽あまり飛んでいるのを見ました。シロハラも昨日確認しました。冬鳥でにぎわう池田湖です。

92  再び「むべ」

2011年11月02日 | Weblog
池田湖も秋冷の候という時候の挨拶が似合う時節になりました。89号で紹介した我が家のむべ(鹿児島語でウンベ)がこのような色合いになりました。食べ頃です。

近所に大きなむべの木がある家がありました。私の幼い頃ですが。山の生活ですから秋の山の物はあります。あけびも家にたくさんあります。ジネンジョといわれる、山芋もあります。現在でもムカゴがたくさん実っています。3年くらい前、むべの苗木を2本植えました。1本は大木にからみつきその木が常緑樹で葉が茂っている中に紛れてしまい、おそらくたくさん実をつけていると思われるけれども葉っぱなのかむべの実なのか判然としなくなり、したがって時折下から眺めてみるけれども只見るだけで終わっています。もう1本はシュロに絡ませました。それが5個の実をつけて89号の青い実となり今回熟したというわけです。
だけど、私の体は果物や野菜などに多く含まれるカリウムが良くないのです。生き物にとって、チッソ、リン、カリウムといういわゆるミネラルは大切な物です。なくてはならないものなのですが、これが余分にあってもまた良くない。だが、私は尿が出ない病に冒されているのです。いわゆる「腎不全」になってしまい、既に5年も人工腎臓の助けを借りて一週間に3回人工的に尿を排泄してもらっています。「人工透析」をおこなっているわけです。それでかろうじて命をつないでいます。必要だけど必要以上にはいらないのです。(ややこしい)

子供の頃ほしかったいくらでも食べられた、そのむべをいただいていたおばさんが、なんと回覧板を持ってバイクで通りかかりました。「ウンベです、只の1個で恐縮ですが」と差し上げました。おばさんは、「珍しい物をありがとう」と丁寧にお礼を言ってくれました。

私の家に来る人は、むべよりもあけびの方が好きです。という人が多い。あけびもたくさんあります。畑まで葛が伸びてきて少々往生しています。実もつけますが実が小さい。そして独特のねっとり感が口中でしないのです。だから私はむべのほうが好みです。でも上記したような理由で多くは食えないのです。カリウムが増えると心の臓が止まってしまうらしいのです。まだ私は止まったことがありませんが、ですからこれは1個だけ食べようと思っています。種に絡んだあのねっとり感がたまらない。たまらないから種も一緒に飲み込んでしまおうと考えています。
現在、気温20℃。10月30日、ジョウビタキ初認。カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、オオバンが池田湖に来ました。池田湖コアユの産卵間近、アサギマダラが来ていてベニトンボもまだ飛んでいます。