池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

90 オオイタビ

2011年09月11日 | Weblog
大かみ娘・大いたち・大ざるこざるという看板が町中に出て、恐ろしげな娘の絵やアマゾン川
のカワウソのよう絵、日光東照宮の3サルのような絵が掲げられて客を誘っている。私は40年間東京下町で暮らしたので縁日によく出かけた。夏の夕暮れ、少し涼風が吹く中をぶらぶら縁日を歩くのが好きだった。
江戸時代の見せ物小屋のある景色は何となく想像がつく。大いたち・大ざる小ざるは容易に想像できる。大かみ娘は何だったのだろうとちょっと考えてみるのもおもしろいだろうな。テレビの天気予報では「宵の口」のことを「夜の初め」などというけれど、味も素っ気もない。「逢魔が時」などという言葉もあったと思うけれど。

牧野富太郎図鑑には、団地の山地石崖などにはう常緑低木…本種の中にクイイタビ、一名ワセオオイタビというものがあり、果のうは倒卵状果球形で食べられる。写真は江戸時代の見せ物ではなく本物であります。

山野には食える物が多い。二日酔いで山道を歩くと、季節によって変わるけれど、今の季節には様々な山の物がある。現在の子供たちはあまり口にしないようだが、昔の子供にはいい季節である。栽培されていた桑が大きくなって真っ黒く熟した実をつけている。それをごちそうになる。子供の時のように口いっぱいほおばると唇まで染まったような色がついてしまうのでそこは大人の食べ方で少しずつ食べる。次はイヌビワこれも乙な味がする。イチジクそっくり。そして熟したイタビ、これは大きいので食べがいがあるが、実には小さな虫がついているけどそれは無視して食ってしまう。実は長くイタビの名前がわからなかった、実の形をよく見るとイチジクによく似ている。それで、イチジクの仲間だろうと検討鵜をつけて調べたらわかったのです。そうこうしながら歩く、これが私の二日酔い解消法だった。過去形にしたのは、20年も前のはなしだからである。現在は断酒してしまったから。

体の筋肉が落ちてきた。上に書いたような頃は千葉県の花見川を上流から下流まで一日がかりで歩いた。山の物を食べたり、野鳥や野草を気ままに写したりしながら歩いていると、胃袋や頭のむかむかも徐々にとれてきて、昼食を行きつけのラーメン屋でとり、(この店の海鮮ラーメンは旨かった)歩いていると、ウオーキングハイになってきて、どこまでもいつまでも歩けるような気持ちになったりしたものです。筋肉がおちた、この頃は5㎞空身で歩くと疲れてしまうようになった。これからは渡り途中の野鳥にも逢えるし、前号で書いたムベも熟すし、足を鍛えてもう少し距離を稼げるようにしたいと思っている。

大いたち、大ざるこざるもすぐ想像ついたが、大かみ娘はすこし手間取った。江戸の警察(とりかた)はインチキだと訴える客に対して、一方的に見せ物小屋の責任にはしなかったという。「自分の買い物には責任を持つ」という考え方だったようです。

気温29℃(11:10)彼岸花が咲いた池田湖でした。