池田湖通信

指宿市池田湖から鳥見人の写真エッセイ

79号「池田湖」の秋②隼人瓜

2010年10月26日 | Weblog
熱帯アメリカ原産。最初に鹿児島県に伝わってきたので、「隼人」という名をつけたと書いてあった。
瓜はどこにも見えないと思うかもしれないが、左側、緑色の葉っぱがハヤトウリの葉と茎です。今時分はフランス梨のような実はまだ親指の先ほどの大きさしかない。

私が上京した昭和40年代初め頃は関東地方の八百屋ではほとんど見かけなかったが、最近は見かけるようになりました。鹿児島では緑色の果実が主流ですが、千葉県あたりでは白い色のものが多かったような記憶があります。「これをどのように調理しますか?」と千葉の八百屋できいたことがあります。「漬け物です。味噌漬けにすると旨いです」と店長が答えたのを覚えています。

子どもの頃、稲刈り作業のあぜ道で、炒め物にしたハヤトウリで昼食を食べた記憶があります。子どもの頃の思いでは(良い思い出)として記憶していることが多いと思いますが、この味も旨かったと私の脳みそは覚えています。

昨年私の家の周りでこれを植えたのですが育たなかった。ところが道ばたにいくらでも生えているんです。ただ急斜面の崖や谷間に生えていることが多いので足下に注意が必要です。野菜不足のこれからの季節、私も何度かおせわになるだろうと思っています。

写真左に白い花が見えるでしょう。これは植物図鑑で調べたら、(ジンジャー)と出ていました。ショウガでしょう。実は私の冷蔵庫野菜室には現在若いショウガを買ってきて味噌つけにしたものを入れてあります、そろそろ食べ頃なのです。私は血圧が高く少し油断すると上が200位になることもあります。塩分が血圧を上げることは常識です。ですから日常の食事ではお新香は食べないようにしてるんです。

だけど通りかかった八百屋でふと見るとはじかみではない立派なショウガなのだけれど、いかにも若い感じのひとかたまりを100円で販売していました。これを買ってきたのです。味噌だけではあまりに塩分が強いだろうとみりんで味噌をのばしてつけてあるんです。今日あたり食べてみようとおもっています。

原っぱに生えているジンジャーも見た目はショウガそのものです。今度掘り起こしてみようと思っています。

78号「池田湖の秋」

2010年10月06日 | Weblog
先号でこの夏池田湖周辺でキリギリスがいなかったと書きました。夏は異常気象ということで、ほかにも変わったことが起こりました。けれども本日10月6日ともなると朝夕はめっきり涼しくなって来ました。涼しいというより寒いくらいです。先日近く(車で10分くらいの標高577㍍にある千貫平という名前の公園に行ってみました。

榊が小さな島のように点々と群落状にまるで人が植えたような状態で生えていて、開聞岳、桜島、池田湖、錦江湾が一望できる公園になっている場所で、私たちが中学の頃、遠足に来たところです。この場所に来ると当時を思い出します。

私は、ここで錦江湾を行き交う舟を見ながら、東京へのあこがれを夢のように考えたり、将来のことを思ったことなど思ったのでした。

現在63歳で不治の持病を抱えてあの頃と同じ風景を眺めて「灌漑ひとしおだ」と、つぶやいたりしてみるとなんだか柄にもなくしみじみとした気分になります。

ここは高所湿地帯でもあって、モウセンゴケが自生しています。少し下の照葉樹林の中にはこの土地特有のツチトリモチもあります。そしてアケビやムベ(鹿児島弁ではウンベ)などもたくさんあります。

公園になっている頂上には、なんといっても草原の秋の花々がたくさん咲いています。写真のリンドウ、ワレモコウ、オミナエシ、アザミ、残年ながら私の知らない花もたくさんあります。それに集まる蝶がいます。これも名前がわからないものもいます。

10月10日はここで私たちの同じ病気の仲間と花を見ながら散歩をする予定です。この日は家から2時間ばかり離れた金峰山という山の頂で日本で夏を過ごした野鳥の鷹の仲間達が南シナ海を目指して群で渡る最盛日に当たりますが、今年はそこには行かず秋の野草の花を見ようと思っているところです。