こんばんは中浦和(さいたま市南区鹿手袋)の歯医者いちかわ歯科の市川です。
ホームページからお子さんの歯の変色についてご質問を頂きました。保護者の方のご了承を頂きましたので、Q&Aとしてご紹介させて頂きます。
まずは、
Q:
前歯がぶつかったことによって、歯の中から歯を支えている骨の部分に出ている
神経が押しつぶされてしまい、神経自体が壊死(血が通わなくなって、細胞が死
んでいってしまうこと)が起こってきているものと思われます。
お子さんの歯の外傷としてはよくある現象です。特に子供さんの歯(乳歯)は、
歯の根の長さが短いため、永久歯に比べるとより起こりやすいようです。
歯科での専門用語でpink toothという状態なのですが、死んでしまった神経の
中の血液成分が溶け出して壊れることによって、血液の色素が透けて見える
状態です。また、このまま経過をしていくと、ピンクのままのこともあれば、さらに
色素が分解して黒ずんでくることもあります。
基本的にばい菌が感染する状態ではないので、痛みを伴うことは少ないのです
が、もし、痛みが出てしまったり、色合いが気になる場合には、壊死してしまった
神経を取り除くことが必要になります。
また、ばい菌が何らかの形で定着してしまうと、永久歯の発達にも影響を及ぼす
可能性があります。
また、神経を取り除いたとしても、神経のない歯はある歯に比べて色がやや黒
ずんだ感じになることが多いです。
いずれにしても6歳前後まで使う歯なので、とくにお子さんが気になされるようで
あれば、治療が必要になると思われます。
思われます。問題は細菌感染が起きないかどうかということになると思い
ます。基本的にぶつけただけで、歯がヒビ割れたりしなければ、細菌が
歯の中まで入り込むことはないはずなので、神経は打撲の衝撃で壊死
してしまっているだけなので、現在の所はほっておいても痛みを出したり
歯の周りの他の組織(歯ぐき、骨、骨の中にある永久歯)に悪い影響
を出す可能性は低いです。(ゼロというわけではないですが。)
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<回答2>
歯がピンク色になるケースというのは、しょっちゅう見るわけではないので、
もちろんケースバイケースです。基本的にはある時期を境に黒ずみが出て
きて赤みが取れてくる感じになると思います。
どんな色でも、乳歯は基本的に大分白いため、それと対比すると若干
目立ちます。神経を取ることによって、多少変色を和らげることができます
が、これも、完全に色を周りと同じくすると言うところまでは至りません。
大人の歯であれば漂白という技法を使うこともできますが、お子さんの歯
に関しては使う薬品の関係で不可能です。詰め物などで色を整えること
などで、少し改善を図れる可能性はあります。
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<回答3>
してしまって、感覚が無い場合には、麻酔注射の必要が無くさわることが
できますので、歯の裏側に穴を削って開けて、そこから指で持って使う細
いドリルを使って、壊死してしまった神経を掻き出し掃除をして、神経の
入っている空間をきれいに致します。その後、薬を使って、その空間を
殺菌消毒致します。
(もし、神経が部分的生きていて、感覚が残っている場合には、麻酔注射
を事前にする必要があります。)
次回の来院の時に、状態が良好であれば、神経を取り除いた空間を別の
薬品で、しっかりと密閉致します。
その次の来院の時に、問題がなければ初回に開けた穴の部分をプラス
チックなどで密閉して治療が完了します。
大がかりかどうかと言われると、そんなに時間がかかるものではないですし、
僕たちにとっては、そんなに特別な処置でも無いですが、とくに治療を初めて
受けられるお子さんにとって見れば、どんな治療でも未知のものになります
ので、どうしても抵抗があります。
始めによく診断して、治療の必要性の有無をよく検討して、現時点で一番よ
いと思われる治療計画をお子さん、保護者の方、我々の間の諸条件をすり
あわせして選択するという形になります。
また、症状がない状態なので、まずは、すぐには治療にとりかからずに、
診療室に慣れてもらって、治療の道具などをお見せしたりして、少しずつ練習
しながら、治療を行っていくことも必要です。(もちろん3歳でもいきなりでも
できる場合もあったり、痛みがあって仕方ないときは押さえてでも強制的に
治療をしなくてはならないときもありますが。)基本的には、数回のあいだに
すこしずつ慣れてもらう必要があります。
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<回答4>
大きさが変わることはまずございません。歯並びも、よっぽど乳歯の位置が
ずれるほどの脱臼が起こらない限りはまず影響しません。
一番考えられることは、永久歯の表面の色が若干変色する可能性がある
かも知れません。また、若干形が気持ちへこんだりするところができること
もあります。ただ、これは、顎の中で永久歯を作っている細胞があるのです
が、その周りに ①で述べたような細菌感染が起こったときに生じることで
あって、細菌が感染していなければまず心配はございません。
あとは、状態を拝見して、レントゲンの状況を見ての判断になります。
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