【関西アニバーサリー】育児ライフの本家本元に 赤ちゃん本舗80周年(1/3ページ) - MSN産経west 2012.9.15
赤ちゃん本舗主催のマタニティスクールで赤ちゃんの沐浴を習う参加者ら(赤ちゃん本舗提供)
育児ライフの本家本元に 赤ちゃん本舗80周年
全国にチェーン展開するベビー用品店「赤ちゃん本舗」は今年、創業80周年を迎えた。大阪・本町の卸問屋から始まった店は、当時では珍しいベビー用品専門店として注目を集め、第二次大戦後はベビーブームなどの時代の流れに乗って大きく成長した。最近では、出産を控えた夫婦に育児を学んでもらう場を提供するなど、赤ちゃんに関わるさまざまなことに精力的に取り組んでいる。
赤ちゃん本舗の始まりは昭和7年。呉服商を営む両親のもとに生まれ、中学校卒業後に綿織物や洋反物の商売の見習いをしていた小原正司氏が前身の「小原正商店」を創業した。「これからは付加価値のある既製品の時代や!」と考えた小原氏は、当時専門店がなかった赤ちゃん用品に注目。「人類があり、夫婦があり、人間が裸で生まれてくる以上、赤ちゃん相手の衣類需要は決してなくなれへん!」と意気込み、産着などの取り扱いを始めた。
出産・育児に必要な衣類は、何店舗も回らないと手に入らなかった当時で、赤ちゃん用品が1店舗でそろうために小原正商店は早速注目を集めた。社名が「赤ちゃん本舗」に変更されたのは昭和16年。「いつまでも個人的な名前ではあかん」と考えた小原氏。一発で「赤ちゃん用品を扱っている店」と分かるよう「赤ちゃん」を社名に入れ、「赤ちゃん用品に関する限り、本家本元にならねばならぬ」との思いから「本舗」と付けた。
小原のこの狙いは見事に成功し、売り上げは飛躍的に増加。数名だった社員は30人にまで増えた。「赤ちゃんの『赤』の字をくずして作られた当時のロゴは、今のロゴのもとになっています」と同社常務の味志謙司さん(41)は話す。
しかし、その後の第二次大戦で、大阪の市街地は焼け野原に。だが、商売への情熱は冷めなかった。昭和24年には、現在の大阪市中央区南本町にあたる繁華街に自社ビルを建設。肌着などの衣料品を中心に幅広い商品をそろえた。やがて時代は戦後の第一次ベビーブームに。瞬く間に人気店となり、会社も規模を拡大していった。
昭和24年に大阪市中央区に新築された赤ちゃん本舗のビル
昭和16年に設立された当時の「有限会社赤ちゃん本舗」店頭
(下)赤ちゃん本舗のマスコット「赤ちゃん人形」とロゴ。「赤ちゃん」のくずし文字がロゴになっている

そんな赤ちゃん本舗にも、平成に入ってからは不況の波が押し寄せた。ベビー用品チェーンとして成長した会社だったが、少子化に伴う市場規模の縮小や競合企業との競争により、業績が悪化。「原点に立ち返って、赤ちゃんのものを売る会社に戻ろう」。平成19年にイトーヨーカ堂と資本提携し、イトーヨーカドーの中に店舗を開店するなど、互いの相乗効果を考えた店舗展開を促進。イベントなどのサービスの強化にも取り組み、育児ライフをトータルで支援している。
「買い物の予定はなくても、訪れたくなる店作りを目指しています」と味志さん。新たな発見がある売り場作りに取り込んでいる。
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