大人はマンガをよまないと思ってた

読んだマンガの備忘録。ジャンルは色々でたまに本と映画も。脱線も。

Happy!

2007-02-13 15:32:15 | 青年漫画
Happy! (1)
Happy! (1)


Happy! 浦沢直樹 著 小学館 全23巻(完全版は全15巻)

兄の借金2億5千万を返し、
弟・妹にいい生活をさせる為に
プロテニスプレイヤーとして死に物狂いで
頑張る天才海野幸の物語





浦沢直樹が描く男性に初めて萌えた
記念すべき作品である。


萌えキャラ名は「鳳 圭一郎」


登場した当初は
YAWARA!における風祭氏(コーチ役の人)にしか見えなかったが、
彼が海野のために自立し、マザコンを克服しようと
苦しみ出すあたりから
私の中でこのマンガの主人公は圭一郎氏となった。


今まで浦沢直樹の描く美形
(MONSTERのヨハンとか)
は私には美形に見えなかった。


しかし圭一郎は美形に見える。


髪にスクリーントーンが貼ってあって、
ちょっと眉が太いぐらいで、
あとはほとんど二十世紀少年の警察官(名前忘れた)
と同じ顔だけど、
エピソードを追うごとに美しく見えてくる。


いくら海野幸が理不尽なイジメにあって
健気に頑張っていても、
おう!がんばれ!
としか思えないが


圭一郎が淡々とコンビニで
明らかにローソンだよね、という縦じま制服を着て
おにぎりを陳列している姿はうつくしい



海野幸が足裏を擦りむきながら、裸足で走り回って
勝利を手にしても
「スポ根には裸足と怪我はよくあるな」
としか思えないが


お金欲しさに海野のライバル蝶子に
鬼のようにコーチをする圭一郎はうつくしい


髪を振り乱しつつ
蝶子もタジタジにさせる怒声。
最高。


コンビニよりいいお金を稼ごうと
ホストになってみたものの、全然仕事が出来ないとこも


シャツに縦じまトランクスで
泣きながら海野の作ったカレーを食べるとこも

とっても美しい



がんばれ圭一郎。
幸せになれ圭一郎。
もう圭一郎のシーンにしか興味が無い。


ドラマ版の圭一郎はKAT-TUN田口くんか
前半マザコン部分ならピッタリかも。


浦沢氏には一度本気で
若い美しい男を主人公にした
話を描いて頂きたいものだ。



とにかく、
スポ根ものとして、浦沢直樹っぽい(YAWARA!っぽい)
おもしろさが保証されている。

ライバルは徹底的にむかつくやつで
ヒロインはアホか、というぐらい徹底的にいいやつなので、
すっごく分かりやすい。

人気がそれほど出なかった、
とTV「プロフェッショナル」
でいってたけど、
残念なことだ。

イキガミ

2007-02-05 18:25:04 | 青年漫画
イキガミ 1 (1)
イキガミ 1 (1)



イキガミ 間瀬 元朗 著 (YS)小学館 現在3巻

場所は日本、時代は近未来(多分)
「国家繁栄維持法」※という法律によって、ある若者がある日ある時間に死に、
死亡日時を記した死亡予告証・通称「イキガミ(逝紙)」が
その24時間前に本人へ届けられる。

イキガミを受け取った若者は最後の24時間をどう生きるのか。
また、イキガミ配達人を務める主人公の法律への疑問と任務に対する苦悩を描く。


※「国家繁栄維持法」
就学時に国民は全員ある注射を受ける。
その中には1000分の一の確率で18歳~24歳の決まった日時に
心臓にダメージを与え死に至らしめるナノカプセルが入っている。

若者やその周囲の人々は、
確率は低いにせよ自分にいつイキガミが届くか分からないという状況におかれることで、
日々の暮らしをよりよく生きようとし、命の尊さを学ぶ。
そしてその結果
活気をもって生きようとする国民によって、国家は繁栄する。ということを狙った法律。

<補足>
・法律に反対する人は再教育され、それでも反対し続ける人は殺される。
・死亡予告を受けた人がヤケになって犯罪を犯すと、残された家族は大変な目にあう。




若者が泣く!と話題なので、
あんまり若者じゃないけど気になって書店へ。

1巻を買うために
マンガ専門店・大型店含む4軒を回った。
4軒中最も小さい本屋にあった。
そう急いで買うもんでもないけど
どうしても読みたいなら小さい本屋が穴場らしい。



さて、「泣く」と強調されまくっていただけあって、
一般的に涙腺を刺激する作りの作品だと思った。
人によって色々だろうけど、私は二巻の第一話に泣。



確実に泣く為にこうすればよかったという点は下記の通り。


1、「ここで泣け!」っていうのがとても分かりやすいので、
  「フン、先が読めるわ!」という汚れた雑念を捨てて素直に読む。


2、そもそも国家繁栄維持法が成立してること自体おかしいやん、
  ナノカプセル?はあ~?
  ・・・などということは
  イキガミをもらった人のエピソード展開中は考えない。


3、1人で読むこと。






ところで、このマンガの帯に
「生きることの大切さを知りました」(○歳・男性)
「生きる意味を考えさせられました」(○歳・女性)
とか熱い反響が載っていたけど、
10代はともかく30歳ぐらいの人がいた・・・。
よほど周りに死の気配が無いのだろうか。
幸せな人だと思う。



主人公のイキガミ配達人の日常と
「泣ける限りある命のお話」とのバランスが難しそうだけど
今後どう展開するか楽しみだ。



最後に
心に残った一言

「今 戦え!」

!!良い!
文脈で読むと尚良い。もっと昔に聞きたかった。


百鬼夜行抄

2007-02-04 00:28:54 | 少女漫画
百鬼夜行抄(15)
百鬼夜行抄(15)


百鬼夜行抄 今市子 著 朝日ソノラマ 現在15巻(文庫版は8巻)



祖父の霊感を強く受け継いだ飯島律は
祖父の教えに従い、出来る限り関わらないようにしてきた。
しかし、周囲の人間が危険にさらされるなど、
否応無く人でないもの達の引き起こす事件の解決に力を貸すことになる。
とはいえ物の怪達と渡り合っていた祖父とは違い、
何の訓練もしていない律はいつも祖父の残した
強力な式神青嵐の助けを借りつつ四苦八苦している。

律とその周囲の人々の幻想・怪奇な出来事の話 

基本的に一話完結だが、
律も周囲の人間も年を重ねる。
エピソードをまたいで話が続いていることも多々




大昔に、BSマンガ夜話で取り上げられていたのを覚えている。
当時は題名ぐらいしか知らなかったから見てないので、
是非再放送して欲しい。


このマンガの魅力は
素敵なキャラクターと
面白いストーリー、
美しい絵、
つまり、全部。




■素敵なキャラクターについて■

とにかく登場人物の多い話だが、
特に良いのは


「律」
「律の叔父開」
「若い頃の祖父」
「律の母」
「尾白・尾黒」
「青嵐が乗り移った律の父」

・・・


特に、ではなくなってしまった。
みんないい味出しています。


しかしやはり主人公律が一番素敵。


律は日本一リュックとチェックのシャツが似合う主人公だと思う。


子どもの頃魔よけのために女装させられていたり
ヘンなものが見えてしまうために
友達が出来なかったり、出来ても幽霊だったり
ヘンなものに邪魔されるので勉強が全然出来なかったり

こんな相当気の毒な生い立ちにも負けず
飄々としている様はとっても良い。


しかし、
14巻ぐらいから、達観しすぎてボケキャラみたいになってきた。
目もつぶらになり、
年は取ってるはずなのに、逆に若返っている。
前のビジュアルの方が好きだ。
まあたいした変化ではないけど。。。


また、最近は「従兄弟の司ちゃんが好き」
みたいな描写があるので癪である。
彼は是非恋愛沙汰から1人遠ざかった存在でいて欲しい。




■面白いストーリーについて■


土地信仰、妖怪関連、生き霊関連、幽霊関連、神様関連
多種多様な「とにかく人以外のそういう世界」が登場。


最近の作品では、
序盤ヒントだけ与えながら不穏な状況を見せて
その後一気に解決に導くという展開が多いような気がする。
こういう話を煙に巻かれながら読み進むのは楽しい。


私的に好きなのは 
10巻収録の「隣人を見るなかれ」

完全にだまされた。



■美しい絵について■


文庫版をお借りして読んでいたけど、
カラーイラストが大変綺麗なので、
装丁が美しく、中にカラーページのある
大きい版をつい買い直してしまった。


中の絵も綺麗。

しかし、たまにサブキャラの遠景の顔が
ものすごく手抜きされている。

これ誰?ぐらい。


例えば15巻では、とあるコマの開さん※の顔がひどい。
※開さんとは・・・律のおじ・本当はナイス眼鏡のナイスミドル
(具体的に言うと158ページの一番下のコマ。)



=お知らせ=
2月3日からドラマ放映。
土曜深夜枠ニッテレで今週末から。


律:細田よしひこ 司:酒井彩名


どうせ関西では見れないけど、やってても見なそう。
深夜ドラマでこのマンガの世界を十分表現出来ると思えない・・・


細田よしひこさんブログ 
彼を知らない人はビジュアルをチェックしてみて下さい。
私としては、律は目が丸い人のイメージじゃないなあ。