6月となった。小雨があがった14時すぎ、事務所へあいさつに行き、仕事場の鍵を返した。
帰り、守恒の銀行に寄った。自転車をとめようとしていると頭の上をなにかがスッと飛んだ。ツバメだった。2羽が何度も巣に出入りした。ひなの姿はなかった。
巣が乾いた土と濡れた土で2色にわかれている。巣を修復していたのだったか、とあとで思った。
帰宅して、同僚のYさんにお礼の電話をした。10年だから、なみだ、なみだだったでしょう、とYさんが言われた。誰にも涙はなかった。
日暮れ前、部屋できのういただいた花がほのかに香る。
花をくださったのは20代から40代まで6人の男性だった。花をみていたら、どの花もどの花も6人の方たちの姿と重なってきた。