バス停の向かいには昔ながらの琉球家屋が見える。シーサーがこちらを向いて一匹、屋根の上に立っている。
今頃、あの中城城(ナカグスク城)にも夕暮れが訪れているのだろう。
一歩足を踏み入れた途端、遺跡に眠る古代の熱気が僕を包み込んだ。僕は城の石段にしゃがみ込んだまま、しばらく動くことができなかった。
素晴らしく美しい門のアーチを見ていると、そこを行きかっていたはずの人々の姿が目に浮かぶ。
人生で初めて、僕は歴史が身体を通り抜けて行く場所に立った。
3歳ぐらいの子供を連れた親子が僕の前を通り過ぎた。バスが来るまでにはまだ1時間ほどある。
ひめゆり平和祈念資料館で元ひめゆり学徒だったおばあさんが展示室に出てきて、修学旅行の生徒たちに向かって
熱心に話をしていた。
悲惨な体験を語りながらも、「知らないでしょうねえ。わからないでしょうねえ。」と言われるのが、呆然とするしかない我々にとっては、つらい。
それでもここでは、少しでもかつて沖縄で起きたことを知ってもらいたい、という思いを持った元ひめゆり学徒の方々が11名、活動を続けている。
ありきたりだが「平和の大切さ、命の尊さを理解してほしい」というおばあさんの懸命な言葉がとても心に響いた。
だいぶ暗くなってきた。どこかの家から夕飯のにおいが流れてくる。
遠くに、バスのライトが見えた。 終
番外
首里城
名物丸三冷やし物専門店のしろくまミニ(普通サイズはどれだけ大きいのだろうか)女優の蒼井優さん御用達
次はセイノザウルス、君に決めた!
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