先日のウィルあいちで行われた名古屋生活クラブの講演会(生産者・会員等参加)にて、化学物質にお詳しい医学博士の渡部和男先生が農薬の講演をされました。
先生からは膨大な論文をもとに、いつも最先端のことを教わっています。
先生が幼いころは有機リン系農薬が主流に使われていて、農薬散布時期(6月~9月ごろ)になると、誰かが病院に担ぎ込まれたよという話をよく聞かれたそうです。
また、新潟県のお米の一大産地で育ったわたしの友人は、親戚に、障害児が何人かいて、友人自身の子どもも障害を持って生れてきました。
・・・ある日、子育て中のお母さんが、自宅付近で送風機を使って、数十メートルに渡り、大量に農薬散布をされているのを見て、渡部先生に「怖い」と連絡をされてきたそうです。
先生はカメラを持って現場に行かれました。すると、凄まじい農薬散布の現場が・・・。道路も農薬(液体)でぬれており、その散布が終わって5分と経たないうちに犬を連れた人が、当然マスクもなしに散歩で通行していたそうです。
カメラに収められた農家の人は、おそらく今まで誰も何も言わないので、まあいいだろうと散布していたようです。しかし先生がカメラに現場をおさえるとすぐにこのような大散布は控えるようになったそうです。
このような時には現場を記録することが肝要だそうです。
写真をわたしも拝見しましたが、民家のすぐそばで何の告知もなくこのような大散布があるのは驚きでしたが、どこの地域でもこのようなことがいくらでもあるなとも思えることでした。
有機リン系農薬は、脳に入りやすく毒性も高いので、それに代わって昨今使われるようになっているのが「ネオニコチノイド系農薬」です。
わたしは昨年の勉強会、カンファレンス、今回の講演会で3度にわたりネオニコチノイド系農薬のお話をうかがわせていただいたので、やっと3度目の今回、頭の中でいろいろと整理されてきて理解が深まってきたなというところでした!
最初は聞き慣れない物質名や身体の組織名がたくさんでチンプンカンプン。
ネオニコチノイド系農薬は、有機リン系農薬と比較してヒトには毒性が少ないのではないかと考えられるが、一度散布されると残留性がかなり高いそうです。
また、浸みこみやすいため水で洗っても落とすことができず、有機リンより毒性が低いということで、気がゆるみ量がたくさんになったり、扱いがぞんざいになりがちだという心配もあるそうです。
実際、河川の汚染の実験ではかなり下流まで農薬汚染が残っていて、汚染したまま海に流れ込んで行っているようでした。
今のところたくさんの論文や実験からも安全だと言いきれも、危険だと言いきれもしない状況のようですが、いくつかの心配されるデータもあるため、今後も注意して見ていく必要がある農薬だと思いました。
医学博士である渡部先生は、化学汚染された時の人体の作用などもとてもわかりやすく教えてくださって、資料をぱっと見るととても理解できなさそうな内容なのですが、温かくユーモアのあるお人柄も手伝って、毎回笑いも交えておもしろくおしえてくださいます。
・・・講演会の前に、先生から、先生ご自身が仕込まれた唐辛子味噌をいただきました!
唐辛子と、味噌と、醤油で仕込んだそうですが、豆板醤のような調味料がつくれることがわかり、わたしもぜひつくってみたいと思いました!
先生は農業もされていて、唐辛子も売れるほどたくさん収穫されているそうです!
またレシピをおたずねして、「てのしごと」でおつたえできればと思います。