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てのしごと~ながくて風土~

2023年もよろしくお願いいたします✨

野呂英作「希望」で編む、夏のニットベレー。

2015年07月12日 | hand knit  編みしごと


夏にもベレー、かぶりたいんですよね。

20年くらい前に買ったコットンの生成りのベレー、すごく気に入っているんだけど、洗いにかけているうちに目がキュッと詰まってきて固い感じになってきたし、なんとなく今かぶりたい深さと広さではないなあと思って、編むことにしました。

糸。

さんざん…さんざん迷いました。

今のシーズンはサマーヤーンも手ごろになっています。

黒い夏糸を買って、ごくごくシンプルなベレーを編もうと考えていたんですよね。

でも…野呂さんの糸を見るとやっぱり野呂さんの糸で編みたい気持ちがわいてきてしまって、買ってしまいました。



1玉、結構値が張るので糸代を考えるとひょっとすると多分今衣類の夏物セールやっている時期なので、どこかでなにかかわいい帽子が買えそうですよね・・・。

と、思いつつも、編み編みする日々がはじまりました。

わたしは透かし編みが似合わないというか、とってもラブリーになってしまうのであまり編まないのですが、今回は野呂さんの糸でシンプルな渋い透かし編みをほどこしたい…!と思っていたのでした。

そして決めた模様が、冒頭の写真の、蝶のような、蜂のような、なんだか昆虫のような…二つ並んだ目玉のような…ツインな感じの穴ぼこ模様でした。

これなら、レーシーな感じじゃないよね。



この糸、細い糸なんです。

衣類やショール的なものはもちろん1本で編むといい感じなのですが、多少ホールド感が欲しい帽子などは二本どりで編むとよいかもしれません。

わたしは2本どりで10号針4本で編みました。

あ~素敵な糸…。

ウールも少し入っているのですが、ホント、さらっとしていて気持ちがいい糸です。ひとつひとつ、味わいがあって魅力がつきません。。

実はベレー編みあがっていて(写真がないんですけど・汗)こちらも毎日着用しています。ホント気に入っていますが糸が結構値が張り、販売はどうかな~と思っています。

さて、ちょっと前になりますが肌寒い日も多かった今年の梅雨だったのでニットを片づけるのがいつもよりちょっと遅めになりましたが、ようやく冬物ニットを洗いにかけてしまいました。



アイルランドの糸、ケリーウールで編んだロングカーディガン。



シェットランドヤーンで編んだ、ニットベレーとキャップ。

ほかもたくさ~~~んありましたが、全部片づけることができました。

…気が付けばもう7月も半ば。

夏のニット考案はこの片にして、そろそろ秋冬のあたらしいニットを考えはじめたいなあと思います。




2015年野呂英作新作夏糸、「とこなつ」で編むニットターバン。

2015年06月28日 | hand knit  編みしごと


野呂英作の今年の夏の新作糸も、やっぱりホントに素敵で胸がきゅんとしました。

その名も、「とこなつ」。



綿、絹、レーヨンの糸でサラッとしているのにふんわりとした気持ちの良い感触で、夏場も夏糸で編まれたニットヘアバンドやニットターバンが欲しいわたしにはとっても嬉しい糸でした。

もちろんサマーセーターも雰囲気が出て素敵そう!

絹、レーヨンが入っているのだけど、編地はオーガニックコットンの糸のようにとーーーっても気持ちがよくふわふわ…幸せ感じる肌触りです。意外でした。

色も魅力的な色が多くてとっても迷いましたが、定番というか今ネイビーで全体のコーディネイトしたい感じなので、まず自分用に濃いめのブルーをセレクトしました。

最初は糸を1本どりで長くフラットに編んで、頭にはターバン風に巻いて使い、首に巻いたりもできるように編んでみました。



シンプルな模様なので、糸の良さがよくわかります。

ただ…!一回一回頭に巻くのは面倒で、いつものようにくしゃくしゃの髪の時でもすぐ頭につけて外出できる手軽さが欲しかったので、形成した方がいいなあと思い、今ホットなアイテム、ヘアバンドのように前を交差のデザインにして編みました。

頭をホールドする感じがいいなあと思ったので糸を2本どりにして編地に厚みをだしました。糸を2本どりにするときは、まず糸を2つに分けます。マキマキ…マキマキ…



こんな編地です。



はい、できあがり!



…できあがってからは…毎日着用しています!

髪をおろしていても結んでいても、出かける前にこれを付けると、なんだか全体がまとまるように感じる、頼れるアイテムになってくれました。

今、ヘアバンドが流行していますよね!

この交差の部分は、キュートな雰囲気で正面にもってきてもいいし、逆に後ろにもってきて正面をフラットな感じにつけても、横にしても雰囲気が出ると思ったので、わたしは交差部分を横にして、なんとなくベレーをかぶるような感じでちょっと斜めにして着用することが多いです。

このニットヘアバンド(ニットターバン)は、ご希望の方がみえましたら、注文制作させていただくことができそうです。

糸は野呂英作の「とこなつ」で、お好きなカラーを選んでいただいて2900円でオーダーメイドさせていただきます。

冬の糸は目方が多かったりして糸代がかなりかかってしまうのですが、この糸は目方が比較的少なくつくれそうなのと、サービスの気持ちを込めて、冬場よりもお安く設定をさせていただきました!

カラーは以下のリンクでご確認ください。

「とこなつ」カラーバリエーション

リピートの方は、電話でもメールでもSNSでつながっている方は、メッセンジャーなどのメッセでもご連絡いただければと思います。

はじめての方は、「ながくて風土」の記事のコメント欄(どの記事でも結構です)に、お名前と連絡先を記入して送信してください。コメントはネット上に公開されませんので(わたししか見れないです)ご安心ください。

…今冬場に向けてどんなニットをつくろうかな~と気持ちをあたためていたり、頭にあるイメージをちょっと編んでみてはほどいてみたりしています。

今年の秋冬は、昨年のサンカ・グローヴスとはまた違う、エストニアっぽいニットも加えていければいいかなとホクホク考えています!

4,5,6月は畑と保存食づくりが大変でしたが、6月の中旬くらいからまたニットに熱を上げはじめています…笑

また、こちらでもまた追々アップさせていただければと思います!



リアルシェットランドウールの、ニットキャップ。

2015年04月26日 | hand knit  編みしごと


スコットランドのサンカ地方に古く伝わるサンカ・グローヴ。写真はこれを元に編まれたと考えられる今から100年以上前の20世紀初頭のドライビング・グローブです。

普通サンカグローヴは、綿や麻などが混じった強くて細い糸で編まれるのだけど、この写真のものはシェトランドウールで編まれていてとてもやさしい風合いです。

このドライビング・グローブ、カフスの部分が折り返されて、親指をかけるように仕立てられてとても素敵で感激しつつ眺めていました。

サンカグローブは昨年のわたしのテーマだったので実際に古典的なデザインを再現したり、今の生活にあったデザインで仕立て直してつくったり、いろいろと編みましたが、このカフス(袖口の折り返し)の編み地がとっても素敵でどうやって編むのか自分でいろいろと試行錯誤した結果、2段1段のボーダー柄のゴム編みということがわかりました。別段、難しい配色でもないのになんだかとっても雰囲気のある編み地で、これをなにかに使えたらいいなあと考えをあたためていました。

シーズン中はなかなか自分のものや家族のものが後回しなのだけど、シーズンが終わったらまったりタラタラと、試行錯誤して編むのがなんとも面白いです。

今回は、相棒くんにずっと頼まれていたニットキャップか、自分のレッグウォーマーを編もうと考えていました。



だって、この伸縮性!なにかにせずにはいられません…!

つくり目の数を変えて、試行錯誤してやっぱりこの糸は足元には高級すぎなので摩擦や汚れの少ない帽子にしようと決めました。

…まずこれを決めるのにすごく試作して時間がかかってしまいました。

次に迷ったのは色。

糸はジェミーソンアンドスミスのナチュラルヤーンを使いましたが、濃い茶の黒羊の糸かもう少し薄い茶で迷って実際編んではほどいてを繰り返し、薄い茶とベージュの糸の組み合わせがしっくりしていていいなと思って色が決まりました。

ここでもまた試行錯誤して日数が経ってしまいました…。

ゴム編みは、表2目、裏1目のゴム編みにしました。これはあっさり決まりました。もともと好きな編み地で、わたしはしょっちゅうこのゴム編みを使っています。



わたしはこの編み地のB面(裏地)が気に入っているので裏地を表にしようと思って編みました。



なんともザクザクとして好きな雰囲気なんです。

一度完成したものが若干大きい気がして、思い切って全部ほどいて目数を変えて編みなおしました。

晴れて完成しましたが、このなんてことないキャップで、結局1か月近くを費やしてしまいました!

完成したキャップを眺めていてつくづく、自分のニットはパッと見「わーかわいい!」ってものではないなあと、よくも悪くも思いました。。。でも、自分では、とっても気に入ってます。

まず、すごーーーく糸がよくて編地がなんともいえずいい風合い。羊感が結構残ってるこの糸、一度よさを知るとぞっこんになっちゃいます。



2月に編んだ、ベレー。これもシェットランドヤーンなんだけど、もっと太い並太糸。これを2か月くらい使ったんだけど、すごくやわらかくて素敵な風合いに変化していっています。



うっとり。

…編み物がシーズンオフになって、図書館では編み物の本がどっさり並んでいます。最近は2週間に一度相棒くんが図書館に行くときについて行くようにしています。

秋口から春先までは編み物の本がとっても少なかったです。

先日、「ながくて風土」でもご紹介させていただいた、ニッターの三國万里子さん。

三國さんの2014年の新しい本を見つけました。

それを読んでいるとシェトランドのことがいっぱい載っていました。三國さんもシェットランドウールに魅せられて深い愛情をもってみえるのがわかりました。

-------シェットランドには固有種の動物がたくさんいます。人の生活に近いところでは、牛、馬、豚、そしてセーターの「もと」である羊。

彼らはよその地域の仲間よりも小柄です、その昔、外の世界からやってきたときにはスタンダードサイズだったのが、島の厳しい環境に適応して、ここでやっていくのにちょうどいい大きさになったのです。

シェットランドのニットは、この独自の進化を遂げた羊がいたからこそ生まれたものでした。

体格に比例して細い繊維、それがもともとのスポンジッシュな性質とあいまって、柔らかいのにこしがあって、編みやすい糸になります。この糸で編まれたセーターは、ひとことで言うと「ふかふか」です。

カシミアのようなとろんとしたやわらかさとは違う、少しざらっとしていて、弾力のある、素朴な感触。セーターになっても羊の野性を感じられるようで、着ていて心がなごみます。

文化出版局 「アラン・ロンドン・フェアアイル 編み物修学旅行」三國万里子著より--------


この本全体から、とても「風土」というものを感じることができて、かわいいデザインの図案がたくさんある編み物の本とはまた違った、素敵なテーマの本だなあと思いました。

フェアアイルのセーターや、クリケット用のトラディショナルなVネックセーターなど図案がいくつか載っていましたがやっぱり三國さんは天才だと思いました。

それと、スコットランドのケイトさんの事も載っていました。三國さんもネットでケイトさんを知って彼女の存在を励みにされていたそうです。

毛糸やセーターのお話が続きましたが、畑はすごい暑さです。



早生の新玉も収穫始まっています!

毎日新玉サラダやスープを食べることができて幸せです。



隣の地主さんからも先日タケノコをいただきました。

まだ出荷には早いけれどウチで食べるには十分のニラ、そしてキヌサヤも徐々に収穫はじまっています。

長女が友だちを連れてきて、一緒にラQで野菜をつくったと大笑いしながら二人で持ってきました。



長女はわたしが野菜をつくっていて、家に大きなタライやバケツ、苗なんかがならんでいるのをよそのお宅とはちょっと違うのでお友だちが来た時ちょっと恥ずかしいなという気持ちがあるみたいです。

先日、「野菜づくりは流行っているんだよー」というと、「ええ!そうなんだ!」とちょっとうれしそうにしていました。

乙女心はいろいろだね

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和のニット・パターン。

2015年03月17日 | hand knit  編みしごと


編み込み模様って、やっぱりかわいいですよね。

伝統柄も素敵だし、心のままに柄を編みこんでいってもとっても楽しい。

でも、せっかくだから日本人のわたしが日本の伝統柄や、和のテイストたっぷりの柄をニットにおとしこめたら面白いかなあとなんとなく考えてはいるんだけど、なかなか難しいです。

柄を編みこむとどうしても表編みで1目1目ループになって、和の刺し子や織物などのように直線や直角をうまく表現できないんです。

この直線や直角がなんとか出せるような方法もいくつかあるはあるんですが、編みやすさや美しさ、ちょうどいい編地を考えると悩ましくてわたしに腕がなくていつもぱったり止まってしまいます。

細い糸を使って緻密に編みこむこともひとつだと思う。

あと、こないだasさんにひさびさに会ったときに、まるで織物のように編む方法を教えてもらってそれはとっても直角がきれいに出るので目からうろこの編み方でした。ガーター編みなので表面に凹凸が出るのでそういうことを想定した編地にする場合は最適な編み方でいいなあと思います。

わたしの手持ちの細い糸で青森のこぎん刺しの紋様を編み込んでみました。

細い糸にするとヨーロピアンな雰囲気からオリエンタルな雰囲気にもって行きやすいかもしれません(ループが目立たないからね)。



これはこぎん刺しの「石畳の合わせ」というパターンをニットに編み込みました。結構なにを編んでも柄に編むとヨーロピアンになるのだけど、これはわりと和っぽく編めた方なんですよね。



冒頭の写真でもありましたが、グレーと赤でこぎん刺しの「轡のつなぎ」というパターンの変形を編みました。

これももっと面積を大きくすると斜線や直線が大きく広がっていいのかもしれない。

このパターンを使ってなにか編もうと思ったんですが、帽子…?手袋…?なんだか編みたいものが漠然としていてピンとこないまま図案を紙に控えてから止まってしまっています…汗

そして今、全然違うものを編んでいるんですが、相棒くんのニットキャップを編もうとしていたのをレッグウォーマーにするとよさそう!とひらめいて、レッグウォーマーを編み始めてしまったのです。

この編地は変形ゴム編みを1段ごとや、2段ごとに色をかえて編んでるんですが、1目1目が魚の骨のように見えて、とってもヨーロピアンなんです…あれ和のテイストは…??笑!!

結構気に入ってきたので、最後までうまくつくりあげられるといいなあ…!



最後に…

毎月1日~10日までオープンする、長久手の蜃気楼的な素敵なお店「稀月(きげつ)」さんから、今月はこんな素敵なものを連れて帰りました。

瀬戸の窯でつくられた素敵な一輪挿しです。真鍮製のように見えますが陶製なんです…ふふふ…ツボでした。

あまりにも気に入ってしまったのでちょうどプレゼントする機会が2回もあったので、自宅用のほか2点も購入させてもらって合計3つの1輪挿しを買ってしまいました~~!



今、我が家では錆納戸さんのキリムの敷物の上に鎮座しています。

…先日うかがったcafe bitoさんからも教えてもらっていて、みっちょんが遊びに行ってきた春日井の「つみき屋」さん。

こちらも月に数日オープンされる、春日井の蜃気楼的なお店です。

みちょんがブログにつみき屋さんを紹介してくれていました!

みっちょんのブログ「つみき屋さん」(タップしてください

ひとつひとつとっても素敵で手にとって触れてみたくなりました。来月、うまくいったらわたしもつみき屋さんに行けるかも!?

…もう気付けば3月も半ば過ぎ。今日はとっても暑かったです!

いつもはニット作製しない季節だけど、オフシーズンの今、こうタラタラと、考えをあたためる大切な時間にあてたいと思います。


原生種の羊からの糸たち。

2015年03月14日 | hand knit  編みしごと


わたしの畑では、その風土に育まれて種を採りつがれた固定種・在来種の野菜を育てています。

わたしの中での原体験はいつも風土がキーワードだったことが多いんです。

小さいころからこれだな!と自分の中ですごく納得できたこと、やっと巡り合えたということに風土がかかわっていることがとても多い。

野菜もなんかこう、昔(っていつ?って感じなんだけど)食べたあの味と歯ざわりのものが食べたいってずっと思っていて、在来種の農作物に触れてやっとああこれだなって思ったんですよね。

お茶も、天空の古来茶というお茶をいただいたときにああこれだ!と思ったんです。

岐阜県揖斐郡の傳六(でんろく)茶園のお茶ですが、このお茶は古来から品種改良など人の手で操作されることなく栽培され続けてきたお茶です。



…糸に関してはそんなこと頭で考えたこともなかったんですが、シェトランドウールに触れた時に、ああ、これだな!と思いました。

スコットランドの北東の海に浮かぶ島「シェットランド島」で寒冷な気候の中岩に生えるコケや草木、多分海藻なども食べて生きているシェトランドという種の羊がいます。

シェットランドは、この島を離れて暮らすとこの独特のヌメリとコシのある風合いの毛には育たないそうで、シェットランド島の風土がこの毛を育んでいることは確かです。

羊の中で最も小型の品種で野生種の特徴を多く残しているシェットランド。

最近は日本でも「シェットランド」と名の付いた糸が販売されていますが、原生種に近いこの羊から獲れる毛は限りがあり、シェットランドヤーンはさらに内側の毛(アンダーコート)だけを使うのできわめて希少なウールです。

「シェットランド」と名称があってもタグなどでリアルシェットランドウールなのか確認する必要があると思います。

なかなか日本ではリアルシェットランドヤーンが手に入らないのでイギリスから糸を送っていただいています。

英国の糸は脱脂加工がしていないなど、日本の糸よりも加工が少ないので触り心地など全然違うように思います。

フワフワな日本の糸に慣れているとズワズワしているように感じる糸もあると思います。

でも、時を経てふんわりとした風合いに変化していくのがとても素敵です。

羊のことを調べているとあまりの品種の多さに驚きます。

あと、原生種でよく知られているのが英国の「ジャコブ」や「ハードウィック」という種です。

逆に、最高級の糸をつくるために改良されてきたのがメリノです。

野菜も動物も、人の手で時間をかけて品種改良されてきた種がたくさんあります。

それはそれで人類の英知だと思うし素晴らしい文化だと思う。また、わたしも用途によって使わせてもらうこともあります。

ただ、圧倒的に数がすくないこの原生種や在来種を取り入れることが、わたしにとってすごく面白いライフワークなんです。

効率悪いしかえって手間がかかることもありますが、風土に生かされてきたすごいタフさがあって、興味が尽きません。

さて。

シェットランドの糸で編んだハンドウォーマーたち。



この子はシェットランドの糸でスコットランドのサンカ地方の伝統的な模様をアレンジした紋様を考えて編みました。



この子はシェットランドの糸でシェットランドの模様フェアアイル模様をつけて編みました。



これはアイリッシュヤーン。ケリーウーレンミルズという老舗のウールメーカーで、アイリッシュヤーンと言えばやっぱりケリーウールだと思います。

アラン模様が編みやすい!毛がすごくよくからんで模様をつけるときも特に模様編み用の針が必要なく延々棒針と手だけで編んでいけます。



このケリーウールの子ども用指なし手袋を編みましたが、ワンシーズン使ってすごく丈夫でいいことがわかりました。

今もすごくきれいでしっかりとしています。小1の男子でも大丈夫な糸だと確信したので、また来季は指なし手袋に取り外しできるミトンをボタンで付けはずしできるタイプの手袋を編みたいと思います。

そうなるべくしてそうなったようなタフな原生種のことを知っていくと、地球って面白いなあと思います。

これからも地味に(笑)こういう糸や素材を使って、実用できるものにかたちづくっていけるように努力したいなあと思います。




アイリッシュヤーンでアランロングカーディガン。

2015年02月20日 | hand knit  編みしごと
昨年、錆納戸のsabiさんに手伝ってもらってかせから玉にしてもらったアイルランドの糸。

アランニットといえば、やっぱりアイルランドの「ケリーウール」が王道だと思いますが、ロンドンからケリーウールを送ってもらいました。



こちらは昨年長男の通学用に編んだ、ケリーウールの指なし手袋。

片方を紛失していましたが、なにかのカバンからポロンと落ちてきて、晴れてまた使えるようになりました。

今年の冬は、ずっとこれを着用させていましたが、すごく丈夫ってことがわかって、今もとてもきれいな状態です(男子の手袋なのに)。

アイリッシュヤーンは、日本で売られている糸と比較してかなり違いがあると思います。

ゴワゴワガシガシしているんです。毛糸製品と言えばデリケートで野外でのハードな着用はちょっと控えたいなあというのがあると思うんですが、アイリッシュヤーンで編んだニットを身に着ければ…草原をかけめぐりたくなるような…潮風をあびて海岸を歩きたくなるような…そんな気分になるんです。

摩擦や汚れが大きい足元にいいなあと思える糸がなかなかなかったんですが、ナイロン混の細い糸以外で、ウールだけの太めの糸でレッグウォーマーを編む時などに使えそうだなあと思いました。

さて…!

9月からニット作製が続いていましたが、2月に入ってすべての注文作成が終わり、仕入れていたアイリッシュヤーンで自分のロングカーディガンを編みました。

もう、自分用のやつなので自分が好きな模様をズラズラ並べただけの図案を起こしてずんずんなんにも考えずに編みました。

そうして、前身ごろ2枚、後ろ身ごろ、袖2枚が編みあがりました。

ウワ!ガチすぎ…!笑~!

ただ編みたいものをズンズン編んだので、結果、当然ホントゴリゴリのアランニットになりました。

自分の編みたい気持ちも消化できたし、ほどいて現代風の図案に書き換えて作り直そうと思っていたんだけど…

後ろ身ごろの大きな長いバスケット編みが好きすぎて…

今までの編んだ労力も捨てきれず…

やっぱり形にしちゃえー!と、見ごろをはぎはじめました。

そして前立て、ボタンもつけちゃって…

こんなニットが完成!袖は肩から手首にかけて延々とツリーオブライフの模様の連続です。



これ、現実生活で着れるんかな!?ゴリゴリだわ。。。まあ、とりあえず洗いにかけようと、洗って干しました。



小物ではこんなに模様を大きく長く続けることができないので、自分の欲求は満たせました・笑!



こ後ろ身ごろ中心のバスケット編み、なにかで表現したかったんです。

漁師の網を描いたこの模様。ブランケットやセーターなどでしかこんなに大きく模様にできないのでわたし的にはここが一番うれしいです。

漁師の網を意味し、大漁を願う意味がこめられています。

こんな風にアランの模様には、ひとつひとついろいろな願いや意味がこめられていて、一つの説では(漁師が多いアイルランドで)事故がおこったときにニットの模様で誰かを見分けるということも言われています。

編んでいると、わたし的には意味や家紋みたいな風に使われていたといういきさつは、後付けな部分もあるのかもしれないなあと思いますが、できた模様に名前を付けたり意味を見出すのはすごく楽しそうで、そういう風に自分が思ったことをニットに表現して願いをこめるのがとっても楽しいなあと思います。

模様を編むとき、それをつける人のことをやっぱり考えて、幸せを願うような気持ちになります。



これが図案です。きれいになっていますが、編んでいるときの図案はぐちゃぐちゃでした。

あと…

ずっと後回しになっていた、シェトランドウールのベレー!

図案をずっと前に起こしてあって、もうどういうつもりでこの図案にしたのか忘れるくらい放置してあったのを編み始めました。

見直そうかなと思ったけれど、描いたときにいろいろ考えてやったからこれで編めばいいかなと思っていきなり編み始めました。



実際に編むと、目を減らすところで若干調整しましたが(水色の蛍光マーカーが実際の減目です。



こんなニットベレーができあがりました。



思ったよりうまく出なかったけれど、ダイヤモンドの中にきれいなチェーンを通したようなロイヤルな図案にしました。

おわかりになりますかね?

もっとくっきり出ると思ったけれどちょとボヤっとしてます。



…こんな木の葉(ダイヤモンド)が6枚並んだようなベレーを編みたかったんですよね!



この糸のよさ!シェトランドヤーンは、シェトランド地方の原生種の羊からとれた希少な糸。

アンダーコートと言って、内側の毛だけを使用するので本当に希少です。今、「シェトランド」という言葉を入れた糸が売られていますが、残念ながら本物のシェトランドヤーンは極々少なくて、タグなどをしっかり確認する必要があると思います。

この糸は、スコットランドの「ジェミーソンズ・スピニング」の糸で、「シェトランド・ヘザー」という並太糸の「モギット」というカラーです。

シェトランドの糸にはそれぞれのカラーに、宝石の名前や時間帯の名称など、雰囲気のある名前が付けられています。



かぶり口です。



さすがにこんな風にセットでは着用してはいけませんよ!

ゴリッゴリすぎw

クールなスタイルにこのオールドスクールなカーディガンを合わせたりしてギャップを楽しんで着ると面白そう。

…でも、できあがってから数日経った感想は…もう普通に着ちゃってます!

朝、末っ子を送るときにまず着て、それから外出するときも上着として着て、お風呂あがりから寝る前までの間も着て…

重いかなと思ったんだけど、わたしは結構大丈夫でした。

…今は柄モノが流行していると思うし、わたしも柄物好きで編むのも大好きなんだけど、ずっとアラン模様を存分に編んでみたいと思っていたのでこのカーディガンとベレーでとても満たされました。

今度は仕入れてある細い糸で柄編みのニットをなんかつくりたいなあと思っています。

…ふと外を見ると、もう日差しが春ですね~!






ニットのブリムキャップ。

2015年02月15日 | hand knit  編みしごと


友人の旦那さまにニットキャップを編ませていただきました。

ブリム(つば)付きキャップは、立体裁断で、厚味のあるしっかりした生地を使って芯を入れてしっかりと縫い目をつけて丈夫に仕立てるというイメージがあったのと、自分がつば付き帽をかぶることが少ないのでつくったことがありませんでした。

最初に声をかけてもらったときには、ニットでつば付きキャップをつくることができないかもしれないと言っていたんですが、一度打ち合わせをさせてもらったときにたくさん帽子を持っている方がニットでも…というご依頼だったのでやっぱり勉強にもなりそうだしお引き受けできたらなあと思い、編ませていただくことになりました。

まず糸を選ぶことに時間がかかってしまいました。キャップは編地がしっかりしていないといけないので、すごく悩みました。

ご希望の色があってその色がある糸が限られていたので、メリノウールの並太を2本どりで編もう!と決めました。

そしてブリム。

方法を考えたり調べたりしてまた悩んでいました。

一般的にはブリム芯(昔は紙、今は樹脂製のものが使われることが多そうです)を芯にして編みくるむ…という方法がありますが、重くしあがる場合もあるので自分的にはそれは避けたいなあと思っていました。

一度購入して様子をみようと思ってお店に行きましたが、やっぱりなんだかこのキャップには違うかな…と思いまた別の方法を考えました。

あとはテクノロートという形状を安定させる資材と熱収縮性のチューブをつかって、編地に編みこんでいくという方法もあったので、お店を回って調べました。

ちょうどいい長さがやっとネットで見つかったので、それを発注。

さて、材料はそろいました。糸3玉、テクノロートと熱収縮のチューブ。

そして、それからは2週間、いろいろと試行錯誤を重ねました。

かぎ針でも一度完成させて、ちょっとガーリーだったので棒で編み直して。。。

でもかぎ針の方が編地が厚く仕上がってくれて、形状的には安定しているなあ…とまたまた悩ましくなって…。

そこで、助けられたのが三國万里子さんのかわいらしい女の子用のキャスケットのブリムの編地でした。

…うちの相棒くんはしょっちゅう週末になると図書館に行きます。いつもは一緒に行かないけれどたまたま一緒に行ったときに三國さんの本があってパラパラと立ち見していたら、2本どりの糸でガーター編みにしてブリムを仕上げていたので、ここで大きなヒントをもらいました。

ちょっと女の子っぽくなるかなという懸念はあったけれど、もうこれしかないと思ってブリムを編み、その先端にテクノロートを編みこもうと決めました。(実際の三國さんのキャスケットはすごくかわいらしいふんわりと丸いボンボン付きのキャスケットです)

そして、こんなキャップが仕上がりました…!ニットのワークキャップというオーダーをいただいていて、かっこいいコンパクトな感じになるように意識しました。



てっぺんはこんな感じ。



長男にかぶってもらいました。



…いや~難しかったですが、とっても勉強になりました!

ブリムとベルトと本体のバランスがなんとも難しい!

つば付きキャップは元々ミシンでカッチリ成形していくのが向いていると思うけれど、ニットはニットで面白いなあと思って、たくさん帽子もっている方にはとってもいいなと思いました。

先日、「ながくて風土」でケイトさんや三國さん、アルネ&カルロスさんのことをご紹介させていただきましたが、ちょうど三國さんのブリムに助けられてこのキャップを仕上げているところだったんです。

やっぱり三國さんはすごいな~と思っていたこともあって、記事にさせていただいたんです。

キャップはもう仕上がって納品も終わっていますがやっと記事にできました!

それと…実はこの週末にアランのカーディガンを完成させることができました。

昨日は最後の仕上げで悶絶してました~今日は延々と糸の処理をやっていて、やっときれいに糸が処理できて洗いにかけて今干しています。

さて、9月からず~~っとニット作製していましたが、オーダーもすべて終了しました!

今季もたくさんのご用命をいただきまして、心から感謝いたします!

たくさんのニットがある中、こんなウチのニットを気に入ってくださる方がいらっしゃって本当にありがたいです。

パッと見、「わ~かわいい!」と言ってもらえるニットではないと思うけれど、糸の良さや伝統的なデザイン、そしてながくて風土オリジナルの模様や柄をみなさんと共感させてもらえることがとっても幸せです。

ありがとうございました!

畑が忙しくなる時期ですが、畑シーズンもゆるやかに営業しているので(もはや編まない生活は考えられなくなってしまった~)、またボチボチと心にあるイメージを形にしていくことができたらいいなあと思っています。

またあみしごと、こちらでもご報告できたらいいなあと思っています。



世界の編む人をリードするニッターの方々。

2015年01月21日 | hand knit  編みしごと
たまたま、サンカ手袋のことを調べていた時に知ったKate Daviesさん。



スコットランドのニッターの方でネット上にアップされている作品が息をのむほどきれいで、完璧な設計と編み目や配色の美しさにほれぼれと眺めていました。

Kate Davies(お名前をタップしてください♪圧倒的なニットたちをたくさん見ることができます。

作品からお人柄や、編み物を愛する気持ち、いろいろなものが伝わってくるようです。

日本にも、素晴らしいニッターの方がいらっしゃいます。

ご存知の方も多くみえると思いますが、三國万里子さんです。



…お産の前後などは外になかなか出かけられず、友人たちと編み物しようよ!となって週1くらいで集まるようになりました。

公立でお弁当と送り迎え、お迎え時間も早い幼稚園に上の子を通わせていたのでお昼はさんでほんの短い時間でほとんど下の子のおむつを替えたり食事させたり授乳したり、4人のメンバーみんながみんな1段も編めないような編み物会だったけれど、思い出がいっぱいの編み物会でした。

その時に、micoちゃんから教えてもらった三國さん。

編み物の本はたくさんあるけれど、何度もみたいなあと思うような本ってなかなかないですよね。

三國さんの本は本当になんど繰り返し見ても発見することがたくさんあるし、なんどもそぎ落とされたデザインにハッとさせられることがたくさんあります。

…実際には、自分は糸ありきな方なのでその糸を見てどんなのがいいかな~と考えていってしまってなかなか三國さんの作品を編んだことは無いのだけど、テクニックはもちろん、イメージの風合いを模索しているとき、三國さんの作品にはたくさん教えられることがあると思います。

おふたりとも、技術はもちろんですが作品が静かにあたたかく、そして力強く語ってくるんですよね…!

編み物で、自分の気持ちや願いを表現できるような気がするときが自分にもあります。

編んでいると、なんだかずっとわたしはこうしてきたような懐かしい気持ちになるし、家族や身近な誰かを想って編んでいた昔の人や、今どこかで編んでいる人たちと気持ちを重ねられるような気がします。

…たかが編み物で…と思われると思うけれど、友人や家族にニットを編むのはとても幸せでその人にたいしての敬意や想いを編みこんでいけるような気がします。

これは想像以上に楽しいことです。ちゃんと仕上がるかなって毎回緊張もするけどね…汗

冒頭の写真のケイトさんのニットキャップ、すごくキレイ!!

そしてモデルになっているのはケイトさんご自身なのかなあ?

そして実は今知ったんだけど、三國さんの最近出されたと思われる著書に、ケイトさんが出られているということをネットで知りました!



こちらのようです!

内容的にも本命な感じですね・・・どんな本なんだろう!?

それと、作品を1度見たことがあるだけなんだけどアルネ&カルロスさん。(お名前をタップしてください、プロフィールを見ることができます)



作品がとてもユニークでかっこいい!

・・・このように、日本にも世界にもすごいニッターさんはたくさんいらっしゃいます。

この方々は確実にニットの世界を広げてくれて、編む人の心の励みになってくれていると思うし、リードしてくれていると思います。

編み物の世界は無限だと思います。模様も柄も伝統もあるし、これから新しものもたくさんつくってゆける世界です。

それぞれの風土から育まれた民族性、受け継いだ技術、その人の心意気がニットに表現されて本当に魅力がつきません。

わたしもこんなニッターの方々の足元にも及ばないけれど、自分の中の民族性や感情、そして相手に対する敬意を表していけたらいいなと思う。

たかが、編み物なんですけど…自分にとっては大切であり、大切にしていきたいものです。





シェトランドウールの編み込みハンドウォーマー。

2015年01月19日 | hand knit  編みしごと


昨年、nunogokoroさんから赤を差し色にしたニットの相談をいただきました。

ちょうど、イギリスからシェトランドヤーンたちが到着したばかりで糸を見てもらってあれこれ話をしてイメージをつくっていきました。

最初はダークネイビー、グレーー、赤という組み合わせだったんだけど、図案を2つ起こして編んでいるうちに悩ましくなってきて柄をあたらしくつくることを何度も繰り返していました。

彼女は本当になんでも素敵に着こなせる人なので、きっと甘めのデザインも似合うんだけど、わたしは彼女には洒落たかっこいいニットを編みたくて、なんとなくノスタルジックで甘めになるフェアアイル柄は今回あきらめて、やっぱりこのサンカ風のマス目のデザインで、あたらしいパターン柄をつくろう!とデザインを絞り込みました。

この段階までがすご~~く長かったw

それからもマス目があるので目数に制限があるなどして針の号数を変えたり、親指の目数を何度も変えたりこの形になるまでにかな~~り悩ましい日々でした。

最後にこの新しいパターン柄でスッと気持ちが落ち着いてしっくりきて、最後の最後はすこぶる順調!



こんなニットができあかりました!

自分的にはかなり入魂のニットです。



サンカ手袋は細い細いナイロンが少し入った糸で編むので柄がくっきり出るんだけど、このシェトランドヤーンは、本場のフェアアイルニットの糸ですごくなじみがいいので、イメージ通り柄を際立たせるのが難しかったです。

OXOの基本のパターンを模して、なんとなく柄がOXOの形のパターンになっていると思います!

何度もこちらで記事に載せさせていただいていますが、みなさんはシェットランドウールをご存知ですか?

スコットランド北のシェットランド諸島に生息する羊からとれるウールのことです。

厳しい冬の寒さや湿度の高い天候、それに海草を副食に採るなどの飼育環境によって、柔らかい毛質をもつのが特徴で、通常はアンダーコートといわれる内側の毛だけが使用されているので、ハリと光沢感があります。

シェットランド種の羊は生息数が限られ、また1頭あたりから得られる産毛量が少ないため、きわめて希少です。

それなのに、シェトランドと名がついた糸が日本でも売られていますよね?

…最近ではシェットランド島以外の羊からとったウールでも、太くて荒いウールをシェットランドと称することが多いそうです。

本当のシェットランドウールを探している場合は商品タグや品質表示などを確認する必要があります。

わたしはイギリスから信頼できる方から直接取り寄せていて、リアルシェトランドウールを仕入れさせてもらっているのだけど、本当に肌触りや風合いがホントに全然違うのでもうやめられません・・・!

こっくりと味わいのあるニットに仕上がってくれます。

シェトランドウールと言えばココ!のジェミーソン・アンド・スミスの糸とジェミーソンズ・スピニングの糸です。(メーカー名をタップしてください)

うちのニットで「シェトランドウール」と言えば、確実にこちらの希少な糸になります!

本当に味わいのある素敵なニットに仕上がるので、編み物をされる方もぜひ思い切ってお取り寄せしてみてください



年明けに、20数年来の友人にベレーとハンドウォーマーのセットを編ませてもらいました。彼女のイメージに合わせて野呂さんの段染め極太糸の新色を使ってこんなベレーを編みました。これにあわせてグレーのネップ入りの大好きな糸でハンドウォーマー。

写真を送ってもらったらすごく似合っていてうれしかった~

かなりベレーの配色で何度も何度もやり直していたんだけど、やっぱりこの悩ましい日々がよかったな~と思えました

今着手しているキャスケットとカーディガンも迷走中だけどなんとかイメージを形にできるようにがんばります


野呂英作段染め極太糸で編むニットベレー。

2014年12月26日 | hand knit  編みしごと


今までにも何度かこの糸でベレーつくれないかなとお声をいただきつつも、形にできていなかったのですが、今回野呂さんの段染めの極太糸を使ってニットベレーを編んでみました。

やっぱりこの糸本当にいいです。この糸を使ったベレーができて感激…!

この糸は、職人さんが手で染色されたウールをを並べてゆっくり糸にしていくというつくり方で生産されていますが、色の変わり方も糸の個体差があってできあがりは単一ではないけれどどれも味わいがあって楽しいです。

いつもはターバンやハンドウォーマーなど、1段の目数が少ないものが多いので、色も何段も同じ色が続いていく感じになるのですが、80目くらいあるこのベレーは、色の出方が縞々みたいになるのかな~と思ってドキドキしながら編んだのですが、これまた面白い風に色が出てくれてホッとしました。



手持ちの服と合わせてみましたが、意外にいろいろな服装にもよく合っている感じで一安心。

野呂ヤーンは色がとても鮮やかなのに、カラフルな装いでも、大人っぽい装いでも、どちらにもとてもピッタリしっくりくることが魅力です。



かぶり口はこんな感じ。

顔周りはブラックからグレーな感じ、ベレー帽の顔となるてっぺん側は「ひつじ」の極太段染め糸の美しさが際立つように色を配分しました。

…これで今年の編み納めです。仕入れてあった糸はこれで全部なくなってしまいました。(あまり糸はたくさんあるけど、なにかつくれる量ではないんですよね~~)

今、イギリスから糸を待っているところです。

今まで英国の航空便のみだったんだけど、クロネコヤマトの海外便も利用できるようになったので、目方が多くなればなるほどクロネコさんの方がお安くなってたくさん仕入れるわたしにはとてもありがたいです。

今回も糸を厳選しましたが、送料だけでも3000円ほどなので糸の単価が高くなってしまい困ってますwでもこれでも航空便よりも結構お安くなって助かります。

はぁーやっぱり英国に糸を仕入れに行きたいです!

ラヴェンハムのコートと英国的な編み上げブーツもずっと欲しいので日本でちまちまと選んでいるよりもイギリスまで飛んで行きたいでーす

ぼちぼち、みなさまも仕事おさめされている頃でしょうか?




野呂さんの極太段染めウールでニットターバン。

2014年12月19日 | hand knit  編みしごと


何度編んでも、飽くことなくもっともっと魅力をたくさん発見してしまう野呂英作の糸。

今年もさまざまな新色が発売されました。

今年廃番になった糸もすごく名残惜しいけれど、種類は販売状況を見て変化していくから仕方ないですよね~とても気に入っていた糸が廃番になってショックですが、今年の新色、すごーーく素敵です

冒頭の写真は、先日お世話になっているショップのオーナーさんにご用命いただいたニットターバンなんですが、3つある新色の中のひとつをセレクトされました。

すごくいろいろなカラーが入っているのだけど、こんなにカラフルなのにどんなお洋服にもしっくり来る、とっても味のあるニットターバンができあがりました!

注文をいただいて使うのが初めての色もあるのだけど、すごくうれしいです。この新色の糸も新しいカラーにだんだん変わっていくたびにウっと来てました!楽しかったーー



こんなブルー系のカラーの裏を見ると…



グリーンやワイン色などこれまたこんなにカラフル!

残った糸を納品時にお渡ししようと思っていたのですが、使ってほしいと言っていただいて、手持ちの同じ糸とつないで子どものニットターバンをつくりました。ネックウォーマーにもなるので、最近極寒なので、すぐに使いはじめました。



頭にかぶった写真がなくなった



後ろ姿。



そして、先月ですが友人と友人の娘ちゃんに編ませてもらった親子のニットターバンセット!

友人が娘ちゃんにかぶってもらった写真を送ってくれたんですが超絶かわいかったです!

お顔もばっちり映っていたのでこちらでつかわせてもらうことは控えますが、本当にみなさんにもお見せしたいくらいです

野呂さんの「ひつじ(商品名です)」の糸を何度も何度も使わせてもらっているうちに、わたしなりに少しだけだけど、この糸に通じてきて編むものによっての糸の分量などもわかって来て、この糸のどの部分(カラー)をメインに出した、どんなニットがいいかつけていただく方とよく相談して編むというスタイルが定着してきました。

親子ターバンも、子ども用のターバンにピンクと茶をメインに出るように…とか、新色でつくったターバンはカラフルな部分をメインに出した感じ…などなど。

そして、せっかく編むんだからサイズが気持ちよくフィットしたものをつけてもらいたいというわたしの気持ちがあって、編むものによっては最初に打ち合わせした後、また一度会って実際にフィッティングしてから最後を仕上げることも多いです。

とくに頭につけるニットはサイズが合っていた方が断然いいと思っているので、試着などは欠かせません。

今年の野呂さんの極太糸の新色、すごく素敵なのでよかったらご覧ください。左の3色が新色です。

野呂英作自然の世界「ひつじ」(タップしてください~)

こんなに冷える日は、耳まですっぽりかくしてかぶると、じんわりと暖かいです。


アイルランドの糸で、子ども用指なし手袋。

2014年12月14日 | hand knit  編みしごと


夏に仕入れて気持ちをあたためていた、アイルランドのケリー・ウーレン・ミル社のアラン用糸

まさに本場の糸で、これでアランのさまざまなステッチを編むのを想像するとわくわくわく…と、胸を高鳴らせておりました。

しばらくは、野呂さんの糸、「くれよんソロ」の2014年新色でのニットキャップ製作や、イギリスのシグネットヤーンズの糸でサンカグローヴ製作に没頭しすぎて、11月頭からようやく少しずつ取り掛かることができました。

このアイリッシュヤーン(わたしが英国から取り寄せている糸はたいていそうかもしれないけれど)は、日本の手芸店で見かける毛糸たちとは結構風合いが違うんじゃないかと思う。

みなさんも、アイルランドの伝統的なニットである、フィッシャーマンセーターを見て、海でニット?と思いませんでしたか?

日本ではウール製品はデリケートなものとして扱われて、実際にも扱いに慎重さが求められるものです。

なぜ野外でニットを使用するのかなーと思っていましたが、英国で実際に使われている糸はかなりしっかりしているものが多いです。大きな理由の一つに脱脂加工がされていないということがあると思います。

動物たちが気候の変化や水気などに対応するためにまとっている毛は、油分がしっかりと保たれて汚れなどをはじいて、塩気や水気から身体を守ってくれます。

アイルランドなどでのニットはアウター感覚で使用されていることが多いと思うし、肌触りふわふわではないんですが、まさに実用のニットという感じでとても興味がありました。

この糸でわたしのアランカーディガンを編みたいと思い、一つ取り寄せてみましたが、手馴らしにこの丈夫な糸でレッグウォーマーを編もうとひらめきました。

なのに、長男が長女に編んだ子ども用指なし手袋をいいなあ、学校に行くとき寒いからこの糸で自分のも編んでくれと行ってきました。

確かに朝は寒いよね…昨年編んだミトンもサイズアウトしてしまったし…あ、この丈夫な糸って子どもの学校につけていく男子のニット小物にいいかな…と気持ちがそちらに移って…

こんな感じでつくってみました。



模様はかなり細かい部分で悩んで、友人にもどっちがいいかアドバイスももらい、この模様にしました。



こんな感じ。

年中の末っ子にはゴム編みの部分を折り返してこんな風に使えるので、幼稚園から小学生まで長く使える感じに仕上げました。



小さい手や頭にニットをつけるのはなんとも楽しいです。



ミトンってかわいいんだけど、子どもはすぐ手のサイズが変わるので、指なし手袋にした方が長く使えるとわかりました。

寒い朝が続いていて長男もあったかいと言って毎日つけて行っていました。

なのに・・・

その週末、近くに車で出かけて帰って来た時には片方を失くしてしまいました

実は長男が2歳の時に、マフラーを編んだのだけど、それも初めてつけたその日に失くしてしまいましたw

片方しかないので、サンプルなどにしたいと思いますw

時間を経た変化など、確かめたかったのに残念だわw

この糸、素敵な色がたくさんあったので、また軍資金をためて仕入れてほかの色もトライしてみたいと思います。

これからもアイリッシュヤーンのよさを生かしたニットを考えていきたいです!

…スコットランドのシェトランドウールも、たくさんトライしたい色があって、また糸をたくさん仕入れてしまいそうだ…

本当に、悩ましくもいとおしい編みしごとです。



そういえば、先月ついに2013年1月に仕込んだお味噌が全部なくなってしまったので、2014年頭に仕込んで夏場に天地返しをした味噌を出しました。食べごろです~~



子どもたちが「味噌変わった!?」と変化にすぐに気づいて聞いてきました。

これはマルカワ味噌さんの有機麹と土佐のちょっと上等な天日塩のカメの味噌です。

美味し!多分、こう発酵するものってその家に一番ふさわしい味と成分になるんじゃないかなって思ってしまう。同じ材料でもかなり味わいが違うのが本当に面白いし、どの味噌もすごく美味しいのが不思議でいつまでも興味がなくならないことです。

あと2つのカメは、木祖村の小池糀店さんの麹の味噌です。我が家のスタンダードです。



それと、こないだのツバメヤさんのわらび餅、すごく美味しかったな~~

生クで買えるのmicoちゃんに言われるまでガチで気づいてませんでした。

食べ盛りが3人いて、戦力になる食材ばかり必死で見てて、このあたり(嗜好品など)まで気持ちがまわってませんね~汗

わらび餅とは涼しげですが、外は本格的に寒くなりましたが、みなさん年の瀬元気にお過ごしくださいね!











オーガニックコットンのガラ紡糸で湯たんぽカバー。

2014年12月05日 | hand knit  編みしごと


先日石けん百貨さんでお値打ちで購入させてもらった岐阜高田焼きの陶製湯たんぽ。



…かなり気持ちいいです…!ホント!

重いし陶器だし使うかなーでもこの湯たんぽが民芸品としてもとても心惹かれるものがあったので、数年越しの想いをかなえて購入したんです.

しばらく暖かい日が続いたのであれだったんだけど、急に冷え込んだ日にここぞとばかりにやかんでお湯を沸かして湯たんぽにお湯を注いで使ってみました。

…あったか~~~~い

じんわ~り、なんともモイストな感じの温かみでこういうあったかさってホント気持ちいいなーとあたたかさにひたっていました。

でも、湯たんぽカバーもってなかったんですよね。

湯たんぽカバーって基本必要なものだとわかりました。タオルをぐるぐると巻いて紐でしめましたが、やっぱりずれるし滑って落とすのも困るし、知らぬ間に寝てしまい低温やけども危ないかな~と思い、カバーを調達することにしました。

編もうかな!?それとも誰かに相談して、布製のものをつくってもらおうかなと思ったときにふとガラ紡のオーガニックコットンの双糸が目にとまって、これで分厚い感じのカバーを編もうとひらめきました。

実は贅沢にも、なかなか素敵なバスマットと巡り合えなかったので、この糸でバスマット編もうと思っていたんです。

でも、実際に編んでみると、編み物なので伸縮性があってなんだかフワフワフカフカ。

わたしは足元がフカフカしているのって気持ち良くなくて、編んではほどいてをしばらく繰り返していました。

なにかに使ってみたい糸だったし、とっても気に入っていたのでなにに使ってみようかな~なんて日頃漠然と考えていたんですよね。

こんなに気持ちいいガラ紡の糸でじんわりあったかい湯たんぽを包んだら…

つくる前からニヤニヤしてしまいました

ガラ紡は、日本独自の紡績機でつくられた、こんな糸です。

ガラ紡機は、その名の通りガラガラ、ガラガラと音を立てながら回転することから“ガラ紡”と呼ばれるようになりました。

筒に入ったわたに回転を与え、下から上へと重力を利用して糸を紡ぐという、日本独自の独創的な方法で、ゆくりゆっくり。育てるようにこのガラ紡機は糸を紡ぎだします。

最新式の紡績機に比べ、能率は1/100以下と、元は川水の流れを動力としていただけあって非常にゆっくりで、一般的な英国式の紡積機で引くような、均一化された細くて綺麗な糸を引くことは出来ません。

しかし、その独特の凹凸がガラ紡ならではの何とも温かなぬくもりのある表情となるのです。


…以上、キタマさん(一宮市)のサイトより転記させていただきました。

また、このページにこのような記述もありました。

現在、世界の 農地で使われる農薬の約3割が綿栽培に使用されており、これは、世界の農地に占める綿栽培の割合に比べてあまりにも多い割合なのだとか。

口に入るものでは無いため農薬使用の基準が甘く、効率重視の綿栽培では、どうしても大量の農薬や枯葉剤が使われてしまい、農家の方達の健康被害も問題視されています。

そういった意味でも近年、ますます注目度の高まるオーガニックコットン。
農薬を使わず、枯葉剤を使わない有機栽培では、効率が悪く、想像以上の手間と人手がいります。
そのため、どうしても高価になりがちでなかなか一般に普及しません。
しかし、いつの日か、オーガニックが特別なものでなくなる日が来る事を願って、木玉毛織では、オーガニックコットンを原料に糸を生産しております。

オーガニックコットンの製品を選んで使うということは、お肌に優しいというだけでなく、地球環境保全に一役買うことにもなるということをより多くの方に知って頂きたいと思います。


…オーガニックコットンなどを選択すると、表面上エコやロハス、自分の身に着けるものや食べるものに気を付けているというふうなことに気持ちがいきがちですが、そういうイメージや言葉だけのこと、自分のことだけのことを超えて、一人の野良しごとする者として、あまりにも生産者の生活や環境が虐げられていたり軽く見られていることは、心にひっかかります。

わたし自身、大量に生産しなければならない状況ではないので薬を使ったり巨額の投資をしてまでなにかをつくる予定もないのですが、自分のつくっている野菜は日本でも数少ないし全然流通していないのもわかるんだけど、これが特別なことではなく、むしろ風土に育てられてふつうの野菜だとも思ってきました。

ただふつうのこととはいえ、自分自身、農薬や大型の施設などを使わずほとんど全部自分の手ですべてを行ってきているので、この記述の中の「想像以上の手間と人手がいる」ということは悲しいくらいよくわかります。

また、ちゃんと収益を得るためには、どうしても枯葉剤や農薬に頼らざるを得ないことも理解できます。大量に生産しないと、収入にはならない世界だから。。。

でもそうとはいえ、わたしたちが生活することはないけれど、誰かの住まいの周りで大量の枯葉剤散布が行われていることや、そこで働いて健康被害を受けている農家の人を見ていると、あまりにも薬に頼りすぎずにやっていくのもどうなのかと、これからまた別の方法も模索する必要があるなあと思われれるんです。

…人の手で大切にはぐくまれるようにつくられた綿は、手に触れるとなんとも言えない幸せな気持ちにさせてくれるものが少なくありません。このガラ紡はすごく気持ちよくて子どもたちも大好きです。

こういう綿でつくられた糸が、いつか特別なではなくて、ふつうのものになってゆく日が来れば、わたしも心スッとするなあという想いになります。

…これらのオーガニックコットンを使って、一宮の古い機械でゆっくりとつくられた糸から…こんなカバーができあがりました。



いたって普通でーす・笑



底の感じです。湯たんぽの形に合わせてひたすら長編みを繰り返しています。

こういうカバーには伸縮性と分厚さがあってとてもよかったです。フカフカしているのもとても気持ちがいいし、分厚くて直接湯たんぽの面に触れないもの安全だし。

お風呂上りにお湯を仕込んで寝るまでの間わたしのとなりに置いておいて、寝る時には足元に置く…という感じで使っています。

家族の分も買い足していこうと思っています。

ひさびさにかぎ針を使いました。子どもの小物はたまにかぎ針でかわいらしくつくることもありますが、棒針の編地に比べてちょっとレーシーで女の子らしくなるので、今のわたしの年齢にあまり似合わなくなってきたのもあって。。

でも、かぎ針で編むのは好きですよ~~ひたすら無心で…モクモクモクモク編み続けて…

編み物が楽しい季節になってきましたね。

もう12月です。

今年もまた、ここちゃんからあゆみさん特製のシュトーレンが届きました…!



ここちゃんのお姉さんのあゆみさんとあゆみさんのご主人のしゅうじさんと新栄のブーランジェリーを開店してもう1年ほど経ちましたね。すごく忙しい1年だったと思います。

パンドール丸武タップしてください

近くまで行ったらお店に必ず寄らせてもらっているんだけど、いつもお客さんがいっぱいで、美味しいパンもいっぱい…!

3児の男児母であり、今年は園の会長さんもしてるし、お店も経営しているし、ここちゃんの存在はわたしをいつもとっても励ましてくれています。

毎日座る暇もないほどだと思うし、9月には一度会おうね‼って夏休み前から言っていたのに今年もまたゆっくり会えないままだったけど、お互いいつも思っていることは感じてます!



どんな時も、こんな風に心づかいを忘れない大事な友人です。忙しい合間をぬって荷物つくってくれたんだろうなあ…わたしからもささやかだけど、昨日お菓子を送らせてもらいました…!

昨日2015年のスケジュール帳を買いました。子どものことや仕事のこと、学校や幼稚園、実家の事…容赦なく予定が入ってきて2014年の手帳のカレンダーがめちゃめちゃになってきたので、読解不能になる前に新調しました

みなさんもご家庭や家族のこと、仕事や学校、その他もろもろせわしいせわしい12月だと思います。

寒くなりますが、元気に2014年最後の月を過ごしていきたいですね!




スコットランドの伝統手袋、サンカ・クローヴス。

2014年11月19日 | hand knit  編みしごと


わたしの1か月半の夏休みをすべて使って研究したスコットランドの伝統手袋、サンカ・グローヴス。先日つくってもらったnunogokoroさんのレザーバッグとも相性◎~‼

何百年も前にすでに完成していたとは思えないほど緻密で完璧とも思える設計で、手編みの手袋を編んでいていろいろ思うところがわたしの中でたくさん解決できたように思います。

ただ、あまりにも古典的な遠い国のデザインなので、普段使うのはハードルが高いかもしれないし、今の自分の生活を見ても、長時間野外で乗馬するような生活ではなく、運転をしたりお買い物でお財布を出したり、子どもの細かい世話をしたりというのがあって、指なし手袋の形状がやっぱり使いやすいなあというのもあります。

なので、サンカ風のハンドウォーマー、指なし手袋を編みました。

わたしが解決したことのひとつに素材があるんだけど、あまりにも繊細な素材の糸はやっぱり手袋には向かいないかなーと思いました。パーティーなど完全な装飾のみが目的だったらいいと思うんだけど、普段使いには難しいと思います。

本場英国ではウールがポリアミド(ナイロン)少量混ざっている梳毛で古くから靴下や手袋があまれていて、今でも数少ないサンカの編み手の方々は「やっぱりナイロン混のウールが一番」とおっしゃられています。

わたしもこの細い細い梳毛で手袋を編んでから、やっと納得がいきました。

耐久性、伸縮性、フィット感…。細い糸で立体裁断的に編んでいくとこれらが解決できました。

・・・手編みのニットは素敵だけど、どこか野暮ったくてあまり身体にフィットしていないものも多いのでそれがネックでした。

だから、自分で手や頭にぴったりのニットを編もうという気になったというのもあります。

わたしのニットは多分みんなが「わーかわいい!」と思ってもらえるようなものではないと思う(笑)けど、こんなわたしのニットを好きだと言ってくれる人がいてくれることに感謝してます。

自分自身にはせっかく作るんだったら満足してもらいたいっていう気持ちやオーダーメイドさせてもらうときに何度か打ち合わせをさせてもらうのは、身体とその方の好みにしっくりくるニットを編みたいという気持ちが大きいかなと思う。

こんな風変わりなニットつくってどうすんだと思いつつも3点つくりました。



ネイビー×ラズベリーのハンドウォーマー。

オリジナルのデザインで4×4のマス目の連続パターン模様です。糸は本場イギリス製のウール75%、ポリアミド25%のシグネットヤーンズの糸をイギリスから取り寄せてつくりました。



こちらはグレー×ラズベリー。



そしてこちらはほんの手だけ寒さをしのぐハンドウォーマー。夜パソコンをしたりちょっとした作業をするときなどに使うといい短いデザインです。

これらはオーダーメイドの場合はイギリスに発注をかけて糸が届くのが10日から2週間、編むのが3週間ほどかかるため、1か月ちょっと時間がかかります。

そういうことを考慮してやっと価格が決まりました。(値付けは本当に難しい)

わたしが自分のセレクトで編んだものに関しては4800円、オーダーメイドの場合は1000円アップとさせてもらいました。

短いものは糸も少ないこともあって3800円です。

そして最後は~!



来年やろうと思っているフェアアイルのツートンカラーの指なし手袋!

実はずっと憧れだったリアル・シェトランドウールをイギリスから取り寄せて編みました!

正真正銘のシェトランドウールです。

これは数か月前に仕入れていて、ずっと気持ちをあたためていました。



今回は図案を起こしながら編んだので2週間くらいかかりましたが、1週間くらいで編めそうな感じです♪



完成してからじっくり完成した設計を書き残しています。

あんなに雑然としていたメモがスッキリ!

こちらは時間は短いのですがシェトランドウールのためサンカと同様4800円(オーダーメイドは1000円アップになります)で販売できると思います。

今ニットはとても手ごろだから、これだけ糸を研究してどうなのかなーと思うんだけど、糸や編み方などやっぱり伝統的な製法のよさや、新しい製法のよさなどいろいろある。興味が尽きない世界です。

一見風変わりに見えるかもしれないけれど、糸のよさや手編みの味わいをみなさんと共有できたら楽しいなと思ってます。





座布団カバーとナフキン。

2014年11月08日 | hand knit  編みしごと


この秋は雨が多い秋ですね。

雨で畑仕事が遅々としているうちに蒔きそびれたものもあったりだめになってしまったものもあるんだけど、夏場は土日も休めない日々が続いたので自分の体を休めたり、なかなか目が行き届かない家の細かいことをみたりするチャンスに恵まれました。

長男の昼食のナフキン…幼稚園の時からずっと使っていて古くなってきたので、これをつくろうと思い立って、雨の日を狙ってなんだかんだ年に1~2回しか行けない大屋に行って、布を買ってきました。

そして4種類の布で3枚ずつつくり12枚のナフキンを新調できました!うれしい!



また雨の日を狙って用事の合間合間でミシンをかけましたが、半日でなんとか完成♪丈夫そうな布を選んだつもりなので、長持ちしてくれるちいなあ…。

そして先日購入した伊勢木綿ですが、結局買った2~3日後に幼稚園のお迎え前の30分で思い立ってダダダとミシンをかけてつくりました。気になって気になって…!



2枚しか作らないし、1つにつきミシンをかけるのは4か所(しかも短い距離でまっすぐ!)なので、布を採寸して切って縫うところまで30分でできました。

身近な方々はご存知だと思いますが、わたしはミシンがとても苦手で、一番がんばって作っても枕カバーや座布団カバー(チャックなどなしの簡単なもの)くらいなので、わたしにしてはMAXの作品…!

たまたま友人が来ることが多かった週で、みてもらった友人たちからすごくキレイに作れているね!と言ってもらったんだけど、木綿屋さんにも教えてもらったんだけど、この木綿、かなりパリッとしていてすごーーーくきれいに縫えるんです!

そして39㎝幅の両端が耳になっていて、フチの始末なども全然しなくていいし、わたしのような布苦手な人でもパシッと気持ちよく小物が作れるみたいです。

この木綿、本当に素敵で、もっと裁縫が得意だったらお洋服や家の中の雑貨などいろいろに用いてみたかったわ~~…子ども服とかもすごくかわいいと思う。

39㎝幅で1m1000円を超える価格ですが、きっと10年、20年経った後わたしの家に来ていただいても、まだこの木綿を使っていると思います。

時間とともにもっと素敵になるのがとてもイメージできて…全然高価だと思わないんですよねぇ…!

布をもっと楽しく扱うことができたらいいなあ…という憧れはずっとあって、まっすぐにしか縫えないなりのお裁縫を細々とでもやっていけたらいいなあと思います!

そうそう、とてもいいことを教えてくれた友人がいます。

わたしが布を切るのもすごくプレッシャーだ!とボヤいていたら…

「もっと布の気持ちになって・・・!」

と、うれしそうにほくそえんでいました。

そう、その友人はとてもお裁縫が上手。

ああ、わたしにかけていたのはそういうことだったんだーとすごく腑に落ちて納得できたんですよね。

あんなに野菜を育てる時や編み物をするときのいとおしい気持ちがかけていた…

相手を信じてなくて好きじゃなくて、うまくいくはずないよねって、すっと心に入ってきました。

それ以来、この布かわいいなあ、、、好きだなあ、、、切る時やミシンの針を入れる瞬間も「好き、楽しい~」って気持ちでやってくと、ホントなんかできあがりが違うような気がするんだよね。

周りの友人たちを見ても、その素材や工程を心から楽しんで愛しんでやっていることがよく分かって、ああそれだなってほんとにわかってうれしくなりました。