昨年、錆納戸のsabiさんに手伝ってもらってかせから玉にしてもらったアイルランドの糸。
アランニットといえば、やっぱりアイルランドの「ケリーウール」が王道だと思いますが、ロンドンからケリーウールを送ってもらいました。
こちらは昨年長男の通学用に編んだ、ケリーウールの指なし手袋。
片方を紛失していましたが、なにかのカバンからポロンと落ちてきて、晴れてまた使えるようになりました。
今年の冬は、ずっとこれを着用させていましたが、すごく丈夫ってことがわかって、今もとてもきれいな状態です(男子の手袋なのに)。
アイリッシュヤーンは、日本で売られている糸と比較してかなり違いがあると思います。
ゴワゴワガシガシしているんです。毛糸製品と言えばデリケートで野外でのハードな着用はちょっと控えたいなあというのがあると思うんですが、アイリッシュヤーンで編んだニットを身に着ければ…草原をかけめぐりたくなるような…潮風をあびて海岸を歩きたくなるような…そんな気分になるんです。
摩擦や汚れが大きい足元にいいなあと思える糸がなかなかなかったんですが、ナイロン混の細い糸以外で、ウールだけの太めの糸でレッグウォーマーを編む時などに使えそうだなあと思いました。
さて…!
9月からニット作製が続いていましたが、2月に入ってすべての注文作成が終わり、仕入れていたアイリッシュヤーンで自分のロングカーディガンを編みました。
もう、自分用のやつなので自分が好きな模様をズラズラ並べただけの図案を起こしてずんずんなんにも考えずに編みました。
そうして、前身ごろ2枚、後ろ身ごろ、袖2枚が編みあがりました。
ウワ!ガチすぎ…!笑~!
ただ編みたいものをズンズン編んだので、結果、当然ホントゴリゴリのアランニットになりました。
自分の編みたい気持ちも消化できたし、ほどいて現代風の図案に書き換えて作り直そうと思っていたんだけど…
後ろ身ごろの大きな長いバスケット編みが好きすぎて…
今までの編んだ労力も捨てきれず…
やっぱり形にしちゃえー!と、見ごろをはぎはじめました。
そして前立て、ボタンもつけちゃって…
こんなニットが完成!袖は肩から手首にかけて延々とツリーオブライフの模様の連続です。
これ、現実生活で着れるんかな!?ゴリゴリだわ。。。まあ、とりあえず洗いにかけようと、洗って干しました。
小物ではこんなに模様を大きく長く続けることができないので、自分の欲求は満たせました・笑!
こ後ろ身ごろ中心のバスケット編み、なにかで表現したかったんです。
漁師の網を描いたこの模様。ブランケットやセーターなどでしかこんなに大きく模様にできないのでわたし的にはここが一番うれしいです。
漁師の網を意味し、大漁を願う意味がこめられています。
こんな風にアランの模様には、ひとつひとついろいろな願いや意味がこめられていて、一つの説では(漁師が多いアイルランドで)事故がおこったときにニットの模様で誰かを見分けるということも言われています。
編んでいると、わたし的には意味や家紋みたいな風に使われていたといういきさつは、後付けな部分もあるのかもしれないなあと思いますが、できた模様に名前を付けたり意味を見出すのはすごく楽しそうで、そういう風に自分が思ったことをニットに表現して願いをこめるのがとっても楽しいなあと思います。
模様を編むとき、それをつける人のことをやっぱり考えて、幸せを願うような気持ちになります。
これが図案です。きれいになっていますが、編んでいるときの図案はぐちゃぐちゃでした。
あと…
ずっと後回しになっていた、シェトランドウールのベレー!
図案をずっと前に起こしてあって、もうどういうつもりでこの図案にしたのか忘れるくらい放置してあったのを編み始めました。
見直そうかなと思ったけれど、描いたときにいろいろ考えてやったからこれで編めばいいかなと思っていきなり編み始めました。
実際に編むと、目を減らすところで若干調整しましたが(水色の蛍光マーカーが実際の減目です。
こんなニットベレーができあがりました。
思ったよりうまく出なかったけれど、ダイヤモンドの中にきれいなチェーンを通したようなロイヤルな図案にしました。
おわかりになりますかね?
もっとくっきり出ると思ったけれどちょとボヤっとしてます。
…こんな木の葉(ダイヤモンド)が6枚並んだようなベレーを編みたかったんですよね!
この糸のよさ!シェトランドヤーンは、シェトランド地方の原生種の羊からとれた希少な糸。
アンダーコートと言って、内側の毛だけを使用するので本当に希少です。今、「シェトランド」という言葉を入れた糸が売られていますが、残念ながら本物のシェトランドヤーンは極々少なくて、タグなどをしっかり確認する必要があると思います。
この糸は、スコットランドの「ジェミーソンズ・スピニング」の糸で、「シェトランド・ヘザー」という並太糸の「モギット」というカラーです。
シェトランドの糸にはそれぞれのカラーに、宝石の名前や時間帯の名称など、雰囲気のある名前が付けられています。
かぶり口です。
さすがにこんな風にセットでは着用してはいけませんよ!
ゴリッゴリすぎw
クールなスタイルにこのオールドスクールなカーディガンを合わせたりしてギャップを楽しんで着ると面白そう。
…でも、できあがってから数日経った感想は…もう普通に着ちゃってます!
朝、末っ子を送るときにまず着て、それから外出するときも上着として着て、お風呂あがりから寝る前までの間も着て…
重いかなと思ったんだけど、わたしは結構大丈夫でした。
…今は柄モノが流行していると思うし、わたしも柄物好きで編むのも大好きなんだけど、ずっとアラン模様を存分に編んでみたいと思っていたのでこのカーディガンとベレーでとても満たされました。
今度は仕入れてある細い糸で柄編みのニットをなんかつくりたいなあと思っています。
…ふと外を見ると、もう日差しが春ですね~!