北海道機船漁業協同組合連合会 販売事業部

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韓日漁業協定交渉 日本に速やかな交渉再開を促す

2018-08-27 09:47:24 | 日記
2018年08月25日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[韓日漁業協定交渉 日本に速やかな交渉再開を促す]
相手国の排他的経済水域(EEZ)での操業条件を決定する韓日漁業協定の交渉が、2016年6月以降、2年間、暗礁に乗り上げているが、日本側の不誠実な交渉態度により、今年もなかなか突破口を見つけられていない。
韓国海洋水産部は、2018年操業期(2018年7月-2019年6月)のため、2018年8月初めに開催予定だった”韓日漁業委員会”が開催されなかったと明らかにした。
韓日両国は”大韓民国と日本国との間の漁業に関する協定”に基づいて、毎年、相手国EEZで操業を行ってきた。
また、両国は相手国EEZでの操業に関する具体的な条件を毎年交渉を行い決定してきた。
しかし、2015年操業期(2015年7月-2016年6月)が終了した後、交渉が難航、長期間、それが中断された状態となっている。
2018年操業期(2018年7月-2019年6月)のための協議はこれまで6回行われた。
今年2018年4月に課長級会議、同年5月-6月に局長級会議が3回、同年6月に室長級会議、そして次官級会議が開かれた。
交渉が膠着状態に置かれた主な理由は、韓国のタチウオ延縄漁業の取り扱い、東海の中間水域のズワイガニ漁場での両国の円滑な操業のための漁場の交互利用(シフト操業)に関する主張の隔たりとされている。
2015年操業期(2015年7月-2016年6月)交渉時、2019年までに、韓国は延縄漁船の着業許可隻数を40隻、日本は巻き網漁船30隻と釣り漁船10隻、計40隻、お互いに減らしていくことに合意している。
しかし、日本側は、韓国の延縄漁船の違法漁業問題を提起、着業隻数を206隻から73隻に、3分の1相当までに大幅に削減することを要求している。
韓国側は、先に合意した40隻のほか、追加減船案とともに、違法漁業根絶のため、今後、違法漁船の日本EEZ着業を禁止することどを提示している。
過去から両国は東海の中間水域でのズワイガニ操業のため、一定の水域と期間を合意して漁場を交互に利用してきたが、日本の交代操業水域と期間の大幅な拡大要求等で交渉が進展していない。
シフト操業協議は、2015年から再開され、民間団体である韓国水産会が主管し、日本側と協議してきた。韓国政府も両国漁業者間の協議が円満に行われるように助言・指導するなどの努力をしているが、双方の立場の違いが大きい状況である。
韓国漁業者は、日本EEZで年間1万8,000トン余りを漁獲していたが、日本の漁業者は、韓国EEZで7,000トン程度の漁獲で、交渉が決裂したままでも、日本の損害が大きくないという計算が敷かれているというのが業界の観測となっている。
さらに、2011年の福島原発事故以降周辺8県で獲れた水産物の輸入禁止措置に対する日本側の反発心理も作用しているものと分析されている。
世界貿易機関(WTO)は、今年2018年2月に「韓国の日本産水産物の輸入禁止措置がWTO協定に違反する」という決定を下したが、韓国政府はこれを不服として、2審に上訴した状態となっている。
韓国政府は日本側に早期交渉再開を促す一方で、漁業者の被害を最小化するための対策を始めた。
今年2018年初め、政府は水産協同組合を通じて韓日漁業交渉被害業種のうち大型巻き網など出漁経費が高い漁業種について緊急経営安定資金を支援している。
また、タチウオ漁業者の被害を最小限に抑えるためタチウオ禁漁期の7月、北緯33度以南でのタチウオ操業を許可している。

韓国水産業界は米中貿易紛争を好機会にとらえる

2018-08-27 09:46:36 | 日記
2018年08月25日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国水産業界は米中貿易紛争を好機会にとらえる]
韓国水産業界は、韓国産水産物の中国市場での価格競争力の上昇を期待し、米中貿易紛争を好機会だととらえている。
米国と中国の間の貿易紛争は、韓国の水産物輸出にも影響を与えると分析されており関心を集めている。
中国と米国は、韓国の水産物輸出において、日本に続き、それぞれ2位、3位の位置を占めている。
韓国海洋水産開発院によると、米中両国が、2018年7月初め、相互主力製品に関税措置を発効し始まった貿易紛争は激化し、米国が第3弾として2,000億ドル規模の水産物を含む中国産輸入品の追加関税措置を用意している。
これに対抗し、中国はマダラ、スケトウダラ、サケマス、ロブスターなどの水産物まで関税賦課対象を拡大した。
特に中国の関税賦課品目545のうち、水産物や水産食品が占める割合が31%(171)であり、ほとんど、中国内保税地域から加工され、米国に再輸出されたり、中国内で消費されるものと推察される。
この内、中国での消費が急激に増えている米国産ロブスターの場合、関税が従来の15%から40%まで上昇、中国で消費者価格は引き上げが避けられないと予想される。
両国間の貿易紛争が、このように水産物分野にも拡大されることで、これまでの中国市場に輸出された米国産水産物が、カナダ、ロシア、そして韓国産などに置き換えるられる可能性が高い。

米中貿易戦争 アラスカ州選出上院議員サリヴァンは”漁業者ファースト”を求める

2018-08-25 22:24:43 | 日記


2018年08月25日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[米中貿易戦争 アラスカ州選出上院議員サリヴァンは”漁業者ファースト”を求める]
アラスカ州選出上院議員ダン・サリヴァンは、2018年8月23日、水産業界支援のため米国国際貿易委員会の公聴会で証言を行った。
サリバンは、トランプ政権が中国から輸入される製品2,000億ドル相当の第3弾の関税措置案に反対する証言を、米国国際貿易委員会(USTR)委員会301委員会の公聴会で行った。
この対象製品には、主にアラスカの漁業者が漁獲した9億ドルの米国産水産物が含まれている。
サリヴァンは、赤字を是正し、公正な貿易を国家が維持するためには、多くの作業が必要だと知っているが、米国漁業者を第1に考え、アラスカ漁業を支援すべきだと語った。
また、サリヴァンは、第3弾の関税措置案の対象となる製品のうち、9億ドル以上が米国の水産物であり、主にアラスカの漁業者によって漁獲され、その多くは再び米国市場に向けられているものだと言及、これが中国人漁業者が中国漁船で漁獲した製品なら、おそらく自らも理解するだろうが、そうではないと指摘した。
サリヴァンは、関連する中国製品を貿易措置案(第3項・第16項)から撤廃する検討を要請、現在の提案は、ロシアや中国の業界に有利で、それが政権の意図ではないと確信していると語り、それを変更することを求めると加えた。


ロシア スケトウダラ価格が上昇する

2018-08-20 10:45:59 | 日記
2018年08月14日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア スケトウダラ価格が上昇する]
今年2018年、ロシアのスケトウダラ価格は、中国市場の拡大とヨーロッパ市場の需要から急激に上昇している。
ロシア農業省によると今年2018年8月上旬のスケトウダラの極東地方での卸売価格は1kgあたり約78ルーブルとなった。
前年2017年同期は約63ルーブルだった。
これにより、ロシア中央部でのスケトウダラの価値も高まり、卸売価格は2017年8月から2018年8月までに25%増加し、1kgあたり76ルーブルから94ルーブルに上昇した。
スケトウダラはロシア人の中で3番目に人気がある魚である。
1人あたりの消費量は、ニシン2.81kg、太平洋サケマス2.73kgに次いで2.59kgとなっている。
ロシア産スケトウダラは主に輸出品であり、国内市場での価格は国際市場価格によって決定される。
ロシアのスケトウダラ価格の上昇は、中国市場の拡大とヨーロッパ市場での需要の増加の影響を受けている。
ロシアは世界最大のスケトウダラの供給者で、2017年、ロシア漁業者によるスケトウダラの漁獲量は180万トンであり、そのうち80万トンが製品輸出された。

またがり資源スケトウダラ・ズワイガニ 北海道隣接サハリン州 高い状態を維持

2018-08-20 10:44:20 | 日記
2018年08月05日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[またがり資源スケトウダラ・ズワイガニ 北海道隣接サハリン州 高い状態を維持]
サハリン海洋漁業研究所サフニロは、2016年、2017年の漁獲情報等もとに、“またがり資源”に評価される北海道隣接サハリン州の周辺(東西サハリン・南北クリール)海域のスケトウダラ等について、過去と比較して高い水準の資源量を維持していると報告した。
(2016年)
2016年、サハリン州周辺海域では太平洋サケマスを除き46万4,300トンの水棲生物資源が開発された。
最も生産が大きかったのが北クリール海域で19万8,800トン(42.83%)、これに南クリール海域12万7,500トン(27.46%)と東サハリン海域12万6,500トン(27.24%)が続き、西サハリン海域は1万1,500トン(2.5%以下)でもっとも小さかった。
サハリン州周辺海域全体で最も生産が大きかった魚種はスケトウダラで28万6,300トンを占めた。
当該魚種生産の海域別内訳は東サハリン海域10万5,100トン、北クリール海域7万3,900トン、南クリール海域7万3,900トン、そして西サハリン海域が500トンだった。
また、同様に“またがり資源”と評価される東サハリン海域のズワイガニ(オピリオ)について、禁漁措置を終え、同年から商業操業が再開、1,400トンが生産されて当該漁業の成功が指摘された。
(2017年)
昨年2017年のサハリン州海域の太平洋サケマスを除く水棲生物資源の開発量は52万4,900トンで、2016年を13%上回った。
最も生産が大きかったのが北クリール海域で19万8,500トン(37.82%)、これに南クリール海域18万5,000トン(35.25%)と東サハリン海域11万8,400トン(22.56%)が続き、西サハリン海域は2万3,000トン(4.37%)でもっとも小さかった。
サハリン州周辺海域全体で最も生産が大きかった魚種は、前年2016年同様スケトウダラで28万7,300トンを占めた。
当該魚種生産の海域別内訳は東サハリン海域9万3,700トン、北クリール海域10万6,300トン、南クリール海域8万7,000トン、そして西サハリン海域が300トンだった。
また、同様に“またがり資源”と評価される東サハリン海域のズワイガニ(オピリオ)については、1,500トンが生産され2016年に引き続き当該漁業の成功が指摘された。
更にマダラ、カレイ類が重要な漁業となった。
東サハリン海域での操業においてカジカの混獲が多く、1,200トンになった。
傾向としてサハリン州周辺海域のスケトウダラは、過去と比較して高い水準の資源量を維持しており、また、マダラとカレイについては若干の変動はあるものの比較的安定していると評価された。