NYの白人三人組がブチ込んだ、確かな一撃。

コムアイ(水曜日のカンパネラ)の事ばかり考えて過ごす秋の暮。久々にブログに雑文を垂れ流す気にさせてくれた1枚のアルバムをご紹介します。白人ヒップホップユニットBeastie Boysの4th『Ill Communication』でございます。
1981年にNYで結成されたBeatie Boys(以下ビースティ)は、マイクD、キング・アドロック、MCAの白人3人組で構成されるヒップホップユニット。元々はハードコア・パンクバンドとして結成されたが、ヒップホップミュージシャンと交流を重ねるうち、ロックの楽曲を大胆にサンプリング(既存の音源から一部を抜粋し、再構築して新たな楽曲を制作する技法)した独自の音楽性を確立した。1stアルバム『Licensed to Ill』はヒップホップのジャンルで初めてビルボードチャート1位を獲得。さらには80年代最も売れたラップミュージック・アルバムとして、この上ない鮮烈デビューを果たした。米音楽誌『ローリング・ストーン』には「Three Idiots Create a Masterpiece(3人のバカが大傑作を作った)」と、誉めてるんだか貶してるんだか判らない不思議なレビューを書かれる。スゲー。

さて、おバカな3人組がこりゃまた大ケッサクを作った、として世に出たのは4thアルバム『Ill Communication』。鮮烈デビューから8年。「少しだけ」大人になった3人が、再びマスターピースを産んだのだ。実はこの8年間、商業的な失敗を経るなどビターな時を過ごしたビースティ。デビューの鮮烈さも相まって「一発屋」感が蔓延していたのもまた事実であった。そこで彼らは得意のサンプリング手法に、荒々しいパンク時代のギターサウンドを足した「ミクスチャー・ロック」に衣替え。前作の3rd『Check Your Head』がその移行中の作品で、4thである今作でようやく結実する。今作には待望のヒットシングル『Sabotage』も収録され、インパクトこそ1stに劣るものの、その完成度とアルバム全体のまとまりという点では、圧倒的に今作の方に軍配が上がる。その後徐々に社会派になっていくビースティの、おバカな一面が見えるのもこのアルバムで最後となった。ザンネン。
Beastie Boys - Sabotage
このアルバムを聴いてまず感じられたのは、アメリカ・アフリカ・アジアのルーツミュージックに対する彼らの強い関心。そして適量のおフザケだ。そのユーモア感覚こそ、彼らの音楽への深い愛情の照れ隠しにも見える。冒頭を飾る『Sure shot』から『Root Down』までの流れは特にピカイチ。様々なアプローチから、音楽の切り貼りを重ねる彼らの姿勢の根底には、パンク的スピリッツも垣間見える。破壊と創造を繰り返す、愛すべきおバカ3人組。それが、ビースティボーイズだ。
メンバーのMCAが亡くなってから早3年。パンク世代、ヒップホップ世代のスターまでもがこの世を去る時代になった。各界から送られた数多くの追悼メッセージから、万人に愛された彼の人柄が見てとれる。憎まれっ子、世にはばかる。MCAよ永遠に。

コムアイ(水曜日のカンパネラ)の事ばかり考えて過ごす秋の暮。久々にブログに雑文を垂れ流す気にさせてくれた1枚のアルバムをご紹介します。白人ヒップホップユニットBeastie Boysの4th『Ill Communication』でございます。
1981年にNYで結成されたBeatie Boys(以下ビースティ)は、マイクD、キング・アドロック、MCAの白人3人組で構成されるヒップホップユニット。元々はハードコア・パンクバンドとして結成されたが、ヒップホップミュージシャンと交流を重ねるうち、ロックの楽曲を大胆にサンプリング(既存の音源から一部を抜粋し、再構築して新たな楽曲を制作する技法)した独自の音楽性を確立した。1stアルバム『Licensed to Ill』はヒップホップのジャンルで初めてビルボードチャート1位を獲得。さらには80年代最も売れたラップミュージック・アルバムとして、この上ない鮮烈デビューを果たした。米音楽誌『ローリング・ストーン』には「Three Idiots Create a Masterpiece(3人のバカが大傑作を作った)」と、誉めてるんだか貶してるんだか判らない不思議なレビューを書かれる。スゲー。

さて、おバカな3人組がこりゃまた大ケッサクを作った、として世に出たのは4thアルバム『Ill Communication』。鮮烈デビューから8年。「少しだけ」大人になった3人が、再びマスターピースを産んだのだ。実はこの8年間、商業的な失敗を経るなどビターな時を過ごしたビースティ。デビューの鮮烈さも相まって「一発屋」感が蔓延していたのもまた事実であった。そこで彼らは得意のサンプリング手法に、荒々しいパンク時代のギターサウンドを足した「ミクスチャー・ロック」に衣替え。前作の3rd『Check Your Head』がその移行中の作品で、4thである今作でようやく結実する。今作には待望のヒットシングル『Sabotage』も収録され、インパクトこそ1stに劣るものの、その完成度とアルバム全体のまとまりという点では、圧倒的に今作の方に軍配が上がる。その後徐々に社会派になっていくビースティの、おバカな一面が見えるのもこのアルバムで最後となった。ザンネン。
Beastie Boys - Sabotage
このアルバムを聴いてまず感じられたのは、アメリカ・アフリカ・アジアのルーツミュージックに対する彼らの強い関心。そして適量のおフザケだ。そのユーモア感覚こそ、彼らの音楽への深い愛情の照れ隠しにも見える。冒頭を飾る『Sure shot』から『Root Down』までの流れは特にピカイチ。様々なアプローチから、音楽の切り貼りを重ねる彼らの姿勢の根底には、パンク的スピリッツも垣間見える。破壊と創造を繰り返す、愛すべきおバカ3人組。それが、ビースティボーイズだ。
メンバーのMCAが亡くなってから早3年。パンク世代、ヒップホップ世代のスターまでもがこの世を去る時代になった。各界から送られた数多くの追悼メッセージから、万人に愛された彼の人柄が見てとれる。憎まれっ子、世にはばかる。MCAよ永遠に。
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