もう一つの 昭和・私の記憶

『 昭和・私の記憶 』 の、続編
吾生涯を物語る

カモ釣って どないすんねん

2021年06月02日 | ガハハ・・・1996~2006

ヘラブナ釣をしていると
いろんなものが釣れる
「 ジャミ も当たらん 」
・・と 親分がふてくされた ジャミ
釣り人は
ヘラブナ以外の小魚を総称して そう呼んでいる
ホソ に ヘラブナ5万匹・・存た頃
ジャミ の種類も多かった
もつご もろこ  ケタバス こと はす  コンコンサン こと にごい  ドンコ こと ゼゼラ
「なんや ワタコかぁ 」・・と 親分の口癖の ワタカ
これ等が
私が釣った ジャミ である
ブルーギル ブラックバス は 
ジャミ とは 呼ばない
 
変わったものを釣った と 言へば  
これ スッポン
顔も体もグロテスクで 甲羅も柔らかく  気持の悪いものであった

他に 雷魚 ( カムルチー)  ナマズ   ミドリガメ  ザリガニ  モズクガニ・・と 尽きない   


カルガモ が 前を横切る
ホソ ではよくみる光景である
ウキ の傍まで来ると
一旦停止して ウキを覘いている
そして
ウキ を 遠回り に 通り抜けして行くのである
それはもう
慣れたものである

カルガモを釣る
ホソ・下 での事
いつもの如く カルガモ が近づいて来る
成鳥した カルガモ
いつもの如く よけるもの・・と 私は、高をくくっていた
然し
カルガモ
一旦停止をせずに そのまま、進んでくるではないか
「 まずいな・・・」
このままだと 掛る・・と 思いつつ  手が動かなかった
近づく カルガモ を 茫然と 眺めてしまったのである
果たして
ウキの前 スレスレ を 横切った
「!」
そして
案の定 道糸が足にひっかかった
驚いた カルガモ
「 クゥワー カー」・・と 啼いて 飛び上がった
もう 必死である
渾身の力でもって 引っ張っている
竿ごと 持っていかれる かと思った
竿が立ち  道糸が空に伸びている
その先には 足首に釣り糸を絡めた カモ が 付いている
道糸を切る為に引っ張る事はできない
そんなことをすれば 
ハリス や シズ  ウキ の ついた しかけ糸 が カルガモの足に絡みついてしまう
況してや
竿を放り投げることなぞできるものか
然し このままでは
飛び上がったカモ 水面に落ちてしまう・・・
「 どうしよう 」
咄嗟のこと由え 如何してよいか 判るものか
茫然としている最中
カモの渾身の力が 道糸を切った
そして 案の定
しかけ糸 を 足に巻き付けたまま
彼方の空へ 飛んで行ったのである

僅か 2、3秒 
一瞬の出来事であった
「 近づく前に 竿を上げれば良かった・・」
「 かわいそうな事をした 」
・・と 悔やんでいた私に
隣で  一部始終を 見ていた親分
「 カモ釣って どないすんねん」
「 ガハハ・・」
・・だと


次回 ヘラ一枚に命かけて どないすんねん に 続く

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