ほさか邦夫の日記帳

前志木市長、地方自立政策研究所理事長

国の事務・事業における主権を明確にする!~事業仕分けを進化させた役割分担明確化研究会~

2010-03-08 11:33:15 | Weblog
○佳境に入った明確化研究会

 地方自立政策研究所が主催する国の全事務・事業の役割分担を明確にする「第二次役割分担明確化研究会」の検証(分析)がいよいよ佳境に入ってきた。全国各地から参加した市町村や都道府県の職員、国のキャリア官僚・シンクタンクやマスコミ関係職員、地方議員などの有志ボランティアで構成する委員が各班に分かれて、それぞれの想いの中で熱い議論をたたかわせて分類作業を行っている。この事業は「官のサービスとして必要なのか」あるいは「もっと身近な市町村や都道府県でやるべき事業ではないか」また「適切な政府に一本化した方がベストではないか」この事業は「官で実施するより民間開放した方がサービスは充実し、コストは削減できる」などの分類作業である。単なるパフォーマンスなどと感じる研究委員は誰一人としていない。
  市町村・都道府県の検証に続く最後の仕上げとも言える、国の作業に取組む委員の胸にはどんな想いがあるのだろうか。この地道なひとつひとつの作業が長い間続いたわが国の三層制における中央集権的システムを分権システムに変える基盤工事になると多くの委員が信じていることだろう。
  分権改革がさけばれてから20年余り、わが国はいったい何をしてきたのだろうか。政権が変わり財政破綻の回避と地方再生の切り札とも言える地域主権改革がスタートしたが、今までのような木を見て森を見ない改革(修繕的改革)や森を見て木を見ない(法律の前文だけを変えただけで何もしない)改革に戻ってはいけない。
 今、必要な改革とは実務者(住民の視点)の視点と現場(現在実施している事務・事業)の視点で三層構造の構成者である各政府(市町村・都道府県・国)の総てのサービスを同じ机に並べ、ひとつひとつの主権を論議し、各政府に分類することによって公共サービスの体系を浮き彫りにし、水平的な国の三層構造の形を明確にする。言いかえれば森全体をしっかりと見つめ、地域主権を阻害する一本一本の木に根付いて複雑にからみあっている「根」を大胆に、確実に一気に切り開く改革である。
  この思い切った改革を一気に行うことが我が国の財政危機を救い地方を再生し、新たな展望を描くことの出来る唯一の方策である。私達は今、その曲がり角に立っている。

―以下次号―

穂邦夫の新書
―国と地方を救う役割分担の明確化―
◦2008.4  地方自治 自立へのシナリオ(監修)・東洋経済新報社(3,150円)

―健全化への処方箋―<行政・議会・住民の協働による地方再生マニュアル>
◦2008.5  自治体再生への挑戦・株式会社ぎょうせい(2,500円)

―市町村長を廃止するー<地方を変える、国を変える、徹底した比較・検証・調査>
◦2008.12  シティマネージャー制度論(監修)・埼玉新聞社(1,500円)