ここ風

下北沢演劇祭2020参加!ここ風其ノ十八 「トタン屋根でスキップ」2月5日(水)〜11日 (火)@下北沢シアター711

ちょっとブレイク

2008-10-30 22:34:45 | 霧島ロック
朝バイト先に向かって自転車を漕いでいると、おじいちゃんが犬の散歩をしていた。

薄手のジャンパーをはおったおじいちゃんの背中には、デザインなのかデカデカと漢字四文字が書かれていた。

「次回予告」
と書かれていた。

凄く気になった。

とにかく3日目

2008-10-29 20:14:00 | 霧島ロック
3日目の紅一点天野。

平均年齢30歳を越えた野郎どもの中の彼女は、差し詰め荒野に咲いた一輪のイソギンチャク。
風に吹かれてはコロコロとその表情を変える。

「こうやって羽がパタパタ動くようにするんですよぉ♪」

嬉しそうに妖精の羽の仕組みを説明をする彼女は、
どんなに難しく技術を要する小道具その他の仕掛けも、短時間(数分)で簡単に作ってしまう。

主にガムテープを用いて…。

見た目とか丈夫さなどは眼中にない。
壊れたらその都度繕えばいい。
紙ガムテープで…。
(せめて布にしてくれ)

「間違いに気付けばやり直せばいい。
迷わず行けよ、行けば分かるさ。」

そんな男前な彼女も、舞台の上では、妙にしおらしかったりする。


稽古入りたての、まだ何も決まってないこの時期、全員が手探りだ。
不安と可能性が渦を巻く。

とにかく、思いついた事は全部試そう。
ダメな事をいっぱいやろう。

迷わず行けよ、行けば分かるさ!

とにかく二日目

2008-10-28 17:57:28 | 霧島ロック
二回目の稽古は女優不在。
彼女らは幸せの青い鳥を探すのに余念がない。それは稽古場にあるというのに…

という訳で稽古場は男の花園。
密閉された空間でほとばしる汗と男汁は、可能な限りの加齢臭を生み出し、買い置きのピコレットを数分でカラカラにしてしまう。

いつものごとく2回目からいきなり立ち稽古。
やっている事は一見、新橋の酔っ払い達の乱痴気騒ぎと同じだが、そこには目に見えぬ技術と技術、情熱と情熱、男の威信を賭けた魂のぶつかり合いが繰り広げられている。

息もつかせぬ命瀬戸際の攻防。君がボケて私が突っ込む。

まさしく「男カーニバル」!!

とにかく、今日も頑張っていこう♪♪

稽古日記

2008-10-27 01:42:35 | 霧島ロック
稽古初日である

三谷台本見参

前回の霧島台本にまけず劣らずのくだらなさぶりに、皆でゲラゲラ笑う。

初読みを終え、頑張った三谷に皆で温かい言葉をかける。

「お前やるじゃねぇか」

「いや、霧島さんの足下にも及ばないですよ」

お互い誉め合い、気持ちいい時間を過ごす。

さっさと切り上げ呑みに行く。

ひとしきり盛り上がって、どういう流れかウチの女優達は皆ガラスのハートで、壊れやすいからもっと気を使えという話になる。

ゲラゲラ笑う。

最近ひどく栄養のゆき渡った天野が、
「アタシは特に薄~いガラスですから気をつけてくださいね。」
とのたまう。

ゲラゲラ笑う。

客演の田宮さん、いつものごとく酒が進み、だんだん危ない感じになる。
が、まだ今のところ大丈夫なようだ。
幸い今のところ大丈夫なようだ。

同じく客演の香月くん、影山とガンダムの話で盛り上がる。
今までウチにいなかったタイプだ。
ニュータイプだ。

ともかく皆一丸となって楽しんでいこう。

チャンドラヤーン・すみこ物語

2008-10-25 00:08:56 | 霧島ロック
〈出演〉

チャンドラヤーン・すみこ

ロック霧島


すみこ:「皆、今までありがとう。ウチ楽しかった。でも今日でさよならやねん。」

霧島「何や突然?お前どこへ行くつもりなんや?」

すみこ:「ウチ月に行くねん。このチャンドラヤーン1号に乗って…」

霧島:「何やその楽しげな名前の乗り物は?それに月って…?」

すみこ:「知らんのんか?チャンドラヤーンはインド初の無人月探査機の名前や。
ウチ月に行くのが夢やってん。」

霧島:「お前アホちゃうか?!
お前乗ってもうたら無人にならへんやんけ?
だいたい人が乗れるようには設計されてへんやろ?」

すみこ:「うん。せやから見つからへんようにうまいことやらなあかんねん。
でもインドの人達の事やから、『修行ですねん』とか言うたら乗せてくれそうやん。
だってあんなにターバン巻いてる人達やで?ふふふ」

霧島:「ふふふ…て何や?!聞けやぁ!
せやから人が乗るようには出来てへんっちゅうねん!」

すみこ:「チャンドラヤーーーーーーーン!!」

霧島:「!!!」

すみこ:「ウチの名前は今日から『チャンドラヤーン・すみこ』や。月を見たらウチの事ちょっぴり思い出してくれると、嬉しいな。時々でええねん。」

霧島「………お前、本気なんやな?」

すみこ:「なぁ…、呼んでみて…」

霧島:「……チャンドラヤーン・すみこ…」

すみこ「(泣き笑い)ふふふ…おおきに。
これで胸張って行けるわ。」

霧島:「アホ…(泣いてる)」

インド人:「(泣いてる)…サァ、スミコ…イクヨ。ナミダヲフイテ…(頭からターバンを外し差し出す)」

すみこ:「(ターバンで涙を拭きながら)
ほな行くわ。元気でな。」

霧島:「チャンドラヤーーーン!!」


すみこは飛び立った。夢に向かってまっしぐらなお前…

俺達…
チャンドラヤーンage

10月8日

2008-10-08 20:17:00 | 霧島ロック
「いらっしゃいませ。ようこそお越しくださいました。」

「ありがとう。」

「長旅でさぞお疲れでしょう?」

「うぅん、そうでもない。でも予定より少しだけ遅れたかな?
どう?ここはいいとこ?」

「さぁ…いいところのようでもあり、一概にそうとも言えないようでもあり……」

「何それ?よく分かんないじゃん?」

「その通りでございます。何事もやってみなければ、分からない。」

「全然参考になんないじゃん!嘘でもいいから゛最高です♪゛とか気の利いた事言いなよ!」

「さぁ…、ただ一つ申し上げられますのは、例えばどんなに裕福になって、地位も名誉も財産も思うままに手にする事が出来ても、目の前にある幸せを見つける事が出来ない者もいれば、
どんなに貧しく多難な人生を歩もうとも、いつも身近に幸せを見つける事が出来る者がいる。…という事でしょうか?」

「何それ?つまりどういう事?」

「つまり幸せになるには、ちょっとした才能とコツがいる…時には手助けがいる…という事でございましょうか…」

「ふ~ん…ま、いいや。要は全部アタシ次第って事よね?とにかくやってみる。
アタシなんとなくそういう才能はあるような気がするし。」

「親譲りでございますか?」

「うん、きっとそう。それにどうせだったらアタシは、裕福になって、ありとあらゆる物を手に入れて、さらに絶対幸せを見逃さない、幸せの中の幸せ『ベスト of 幸せ 』な女になる!!」

「なるほど、そういうガッツリしてるところも、親譲りでございますね?」

「うんっ!見てて!絶対そうなるから!」

「わかりました。楽しみに拝見させて頂きます。
本日は本当におめでとうございます。」

「ありがとう~~♪
♪♪」

続・愛の劇場「黒と白のワルツ」

2008-10-02 23:33:44 | 霧島ロック
令嬢:あの頃は…楽しかったわね…
子供の頃の貴方は色黒で腕白盛りの男の子。
貴方は体の弱かったアタクシの腕を引っ張って、広いお庭を縦横無尽に駆けずり回ったわね…

執事:旦那様には身分の分け隔てなく、我が子も同然に可愛いがっていただきましたから…

令嬢:貴方があんまり腕を強く引っ張るから脱臼する事もしばしば。
すっかりクセになって、今でははめたり外したりが自由自在。

執事:も…申し訳ございません。

令嬢:いつからかしら?アタクシ達の間に目に見えぬ壁が出来てしまったのは?

執事:お嬢様…

令嬢:ねぇ、もうあの頃のように接してはくれないの?
体の弱かったアタクシに本気でサソリ固めをかけたり、
三角定規の30゜のところで手加減なしで刺したり、
コンパスで作ったダーツの矢の餌食にしたり、
思い返せば楽しい事ばかり…

執事:本当に申し訳ありませんでした。

令嬢:ねぇ覚えてる?二人でこっそり入りこんだ、母様の秘密の薔薇園で…

執事:お嬢様…それは…

令嬢:アタクシ貴方に思いきり鈍器で殴られたのよ…

執事:本当に申し訳ありませんでした。

令嬢:すんでのところで命を拾ったアタクシに、貴方はアタクシの事を一生守るって約束してくれたの…

執事:お嬢様!私行って参ります!アールグレイでよろしゅうございますね?!

令嬢:やめて憲男!危険だわ!それにもしお店が閉まってたら、貴方の事だから、直接農園で茶葉を摘んでくるなんて事もやりかねない!

執事:了解ーー!!
(元気良く外へ飛び出して行く)

令嬢:憲男ーーッ!!
嫌ーーーーッ!!!


‐思わぬ生けにえを手にした台風ブリトニーは、喜々として勢いを増し、あっという間に憲男を上空300メートルまで巻き上げていく。
もはや地上からは点としか判別出来ない憲男。
しかしその瞳は熱く…、その手はお嬢様の為の茶葉を求めて…‐


‐完!!‐