yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

another 4

2016-05-07 21:56:00 | another







この人は本当に人の懐に入るのが上手な人だと思う。





昔から好きな人に対しては


とても甘え上手で人懐っこくて


いつの間にか仲良くなっている。


そんな人だった。





そして


それは大野さんに対しても例外ではなく


大野さんがいなくなる前の時も


そして今回も


とても8年ぶりに会ったとは思えない程


ニノは大野さんの懐の中にすっと入り込んだ。





二人の間には


8年の年月を感じさせないほど


和やかで穏やかな時間が流れている。


自分の時とはまるで違うその二人の空気感に


少しだけ嫉妬した。


そしてニノは


自分がどうしても聞きたくても聞けなかった事を


難なく大野さんから聞き出す。


その事にまた嫉妬した。







でも。







大野さんは事務所を辞めてから
世界各地を旅していたという。
それはもちろん8年間ずっとではなく


絵を描いて
ものを作って
バイトをして
お金が貯まると
また海外に行って
絵を描いて
物を造って
バイトして。


そして


時々仲間数人と場所を借りて
個展を開いて
創り上げたものを
披露して
売って
海外に行って
創作活動に励んで
それを形にして
世に出して。



そんな8年間だったらしい。


それを聞いて


大野さんらしいな、と思った。






でもその個展を開いている場所は
まだまだだから、と
教えてもらうことはできなかった。
そしてニノの元気な姿が見れて安心したと
満足そうにそう言うとまた目の前からいなくなった。


そして大野さんと会ってもうひとつ分かったことがある。


あの日。


8年ぶりに会えたあの日。


あの日は珍しく絵が売れたので
いつもは飲まないような所で祝杯をあげようと
一人で飲んでいたという。




絵が売れたからいつもは飲まないような所で祝杯


その言葉がいつまでも頭に残った。







そして少ない情報からあらゆる手段を駆使し
その場所を突き止める。
そしてスケジュールの合間を見つけその場所に行った。


やっと見つけ出したその場所。
その場所に一歩また一歩と足を踏み入れる。
独特の空気を感じた。


その中に人はまばらにしかいなくて
まだ世に名が知られていない作家さんたちの作品が
たくさん展示されていた。


その中に大野さんの絵があった。
その絵の前に立つ。
絵を見つめていたら8年分の思いがこみあげてきて
涙が出そうになった。


何でここまでこの人のことを思うのか。
自分でもわからない。


ただ。


昔からこの人の描く絵が好きだった。
そして描いている姿を見るのが好きだった。


デビュー前はよく大野さんが絵を描いていると
ずっとそばに座ってその絵を見ていた。
そしてその描いている姿を飽きることなく
ずっと眺めていた。






そこには大野さんの作品が5点ほど飾られていた。
大野さんらしい絵。
本当は全部欲しい。


でもそれだと他の人の目にさらされることがなくなってしまい
大野さんのチャンスを潰すことになってしまうかもしれない。
そう思い1枚だけ選ぶ事にした。


じっくり眺めて


考えて


見つめて


悩んで


慎重に慎重に選ぶ。






そしてその後も個展が開かれていることを知ると
必ずその場所を突き止め訪れ1枚だけ購入し
そして8年ぶりに偶然会ったあの場所を訪れた。


大野さんに会えることはなかったけど
部屋に大野さんの造り上げていったものが
一点、また一点と増えていった。


そして今日もその場所を訪れる。


大野さんの描いた絵を


見つめて


悩んで


考えて


眺めて


一つだけ作品を選ぶ。


どのくらいの時間そうしていただろうか。


はっと後ろに気配がして後ろを振り向くと
大野さんが立っていた。


「……」

「翔くんだったんだね?」


驚いて何も言えないでいると
大野さんが静かにそう言った。


「……」

「不思議だったんだよね」


どういう意味だろうと見つめると
大野さんがゆっくり話し出した。


「あれから個展を開くたびになぜか確実に売れる」

「……」

「何でだろうってずっと不思議だった。
けど、翔くんだったんだね」

「……」


何といって答えればいいのかわからず
その静かに語りかける美しい顔を見つめる事しかできない。


「……買っては ダメ だった?」

「ダメなんて言ってない。
ただ本当に欲しくて買ってるのか疑問なだけ」

「……」


大野さんが静かにそう言う。
そんなの本当に欲しいからに決まってる。
でもそう言いたくても声が出ない。


「同情で買うならやめて欲しい」


その顔はなんだか怒っているみたいだった。
もしかして大野さんは勘違いしているのだろうか。


違うのに。


ただあなたの描いた絵だったから
あなたの絵がずっと好きだったから
あなたの事がずっと好きだったから


欲しかった。


大野さんが真っ直ぐな視線で見つめてくる。












大野さんが窓から外を眺めている。






真正面に見える東京タワーを見つめて


立ち並ぶ高層の建物を眺めて


煌びやかな街を見下ろして


その横顔はとても綺麗だ。


東京の街はキラキラと瞬いている。


ここは高層マンションの最上階にある自分の部屋の中。


大野さんが外の景色からゆっくりと視線を外し振り返った。


そして小さく微笑む。


その綺麗な顔に目が離せない。


そして世界が違う、と言ってふふっと笑った。


世界が違うって? と、意味かわからなくて聞き返すと


今の俺と翔くんでは住む世界が違すぎるよね、と


そう言って、またその綺麗な顔を向け


そして微笑んだ。







次回ラストです~。












セカムズで嵐。というか、山。




社長は、そのまま大野さん。
秘書は翔くんで、運転手さんは相葉ちゃん。
みさきは、そのままはるさん。
松潤は三浦で、ライバル会社社長はニノちゃん。


翔くんはまんまできる秘書。
相葉ちゃんは、優しくてお茶目で大野社長とは
犬を飼う話で盛り上がったり何かと気が合う。


みさきは、新入社員としてはいって来たばっかりで
まだ恋愛とか全く眼中にない。
松潤は軽そうに見えて意外と鋭く周りの状況をよく見ている。
ニノちゃんは、仕事はできるが恋に対しては全然ダメな
大野さんの事を見て密かに面白がって楽しんでいる。


大野社長は新入社員で入ったみさきにある日一目ぼれ。
翔くんと相葉ちゃんは、大野社長の恋を知り
恋が成就するよう日々叱咤激励しながらも応援していた。


一方、ニノちゃんはその恋の行方を楽しみつつも
常日頃からこのできる秘書、翔くんの事を
高く評価し興味を持っていた。
そこで翔くんを呼び出す。


そしてその中で優秀な秘書であると確信するとともに
大野社長の事をただの社長としてだけではなく
一人の人間として深く思っていることを感じ取る。
ニノちゃんはますますそんな翔くんのことが
気になり一緒に働きたいと思うようになる。


その話を耳にした大野社長はふと考える。
才能やセンス、そして経営能力でここまで会社を大きくしてきたけど
それは決して自分自身の力だけではなかったのではないかと。


翔くんが事前に根回しし事が運びやすいようにしてくれ
また秒単位でのスケジュールを一寸のくるいもなく
管理をしてくれていたおかげなのではないかと。
そして今まで当たり前のようにずっとそばにいて
見守ってくれたがそれは決して
当たり前の事ではなかったのではないかと。


一方、そんな事は露とも知らない翔くんは相変わらず
大野社長の恋を見守り協力を続けている。
しかし翔くんの心の中にもやもやする感情が
生まれてきていることに気付き始める。


うまくいきそうになるにつれそのもやもやは
だんだんと大きくなってくる。
翔くんはこのままでは大野社長に迷惑がかかってしまうと思い
ニノちゃんのところに行く事を考えた方が
いいのかと思い悩みはじめ…



山だとこんな感じかな~? と。

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2 コメント

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翔さんは大丈夫です (白紙)
2016-05-08 09:43:31
 お話の中で、本当にほしくて買っているのか?と、あって、どきっとしてしまいました。私自身はリアル大野さんの絵はそれほど好きでは無いのに、作品集を買ったり、個展申し込んでいたから(落選しましたか)。でも、リアル翔さんは大野さんの絵を見て、本当に感心して、心から賞賛していたので、本気でほしくて買ったのだと確信しております。最後の場面、翔さんのお部屋まで来てくれたのですね。8年の溝が少しでも解消できて、長年の思いが伝わるとよいですね。でも、このお話の大野さんの生き方も、似合っていて、素敵だなと思いました。リアル本人がそんな生き方を望んでいたらどうしようかとも思ってしまいました。
 櫻井さんは執事とか秘書とか似合いそうですよね。スケジュールしっかり管理して、お母さんのように面倒を見てくれそうです。そんな方がそばにいたら他の女性と恋なんてできなくなりそうです。
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白紙さんへ (きらり)
2016-05-08 21:16:40
白紙さん、コメントありがとうございます。

大野さんの絵の事すごくわかります~。
私もそうなのです。
私の場合は申し込みさえも…あっでも何気なく描く絵はすごく好きなのです。
パラパラ漫画の時のバク転をする時の一筆書きっぽいのに躍動感溢れる絵とか
しやがれでホットケーキ?に描いた絵とか
あたらしあらしの時に描いた落書き絵とか本当に絵のセンスと才能があるなあって
何度も見たりして好きなんです。
でも翔さんは違いますね。本当に大野さんの描いた絵全てを愛していそうです。

大野さんの生き方が似合っていて素敵だと言ってくださって嬉しいです。
でも本当の大野さんにそんなこと思われていたりされたりしたら困りますね~。

翔くんは本当に執事とか秘書とか似合いそうですよね!
頼りにし過ぎちゃって翔くんなしでは生きていけなくなりそうです。
ドラマでは3人でのシーンが好きで好きで毎回リピしてます。水曜日が放送日っていいですよね。
ありがとうございました♪
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