TKPの河野社長が検討している、大分市内に新サッカー専用スタジアム構想について私なりの感想を述べたいと思います。記事に取り上げられたのはちょうど1か月前くらいで、もっと早く感想を述べたかったところですが忙しくてなかなか編集に着手できなかったということで今のタイミングとなりました。
まだ候補地を決めている段階ですが、候補の一つがジェイリーススタジアム(市陸)をサッカー専用スタジアムに改修するという案になります。市内中心部にサッカースタジアムができるような土地はそこまで多くないと思われますので、市陸の改修を前提として一旦感想をまとめることにしました。
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結論から言います。
新スタジアム構想については期待半分、不安半分というのが正直な感想です。
トリニータ主導で話を進めるのであれば速攻で反対していました。確かにクラサスドーム大分の公共交通機関でのアクセスがよろしくないのはその通りだが、ほとんどの観客を迎え入れることができるだけの駐車場を用意できるのは大きなメリットであるし、全席をカバーできる屋根を持っているし(屋根が閉じられなくてもメインやバックはほぼカバーできる)、何より一発でJ1ライセンスをクリアできるくらいの環境を手放すくらいなら他のところに力を入れていただきたい。そもそものトリニータの設立の経緯が、このワールドカップを開催できるほどのスタジアムを活用できるチームを構えるというところにあるので、ドームが朽ち果てるまで使い続ける義務がトリニータを存続させる意味なのかなと思っています。
ただ、これがスポンサー様主導で進むのなら話は別です。スポンサー様が自ら候補地を見つけ、県や市にお伺いを立てて、自らの資産で建設し、完成したものをトリニータに納めていただくのであれば文句を言う理由はありません。むしろトリニータにこれだけの価値を示していただき、将来を見込んで新スタジアム構想を立ててくださるなんてトリサポ全員で頭を下げなくてはいけません。是非とも進めていただきたいものです。
トリニータが去った後のドームについては、おそらくヴェルスパが泣いて喜んでホームスタジアムに申請すると思われるので心配しなくてよいでしょう。そのころにはヴェルスパはJ3に加盟していることになるかもしれないし、一発でJ1ライセンスをクリアできるスタジアムを何も苦労することなく手に入るとなればそのぶん強化にお金を回すことができるでしょうからね。
では期待半分、不安半分の真意についてですが、やはり市陸になって本当に環境が改善できるのかという点についてです。
大分駅から市陸までは約2.9km。決して近いとは言い難い。「健康のために3kmウォーキングしましょうというのと、楽しみながら寄り道しながでも、移動のために3km歩くのは全く違う。」と普段から読ませていただいているForza Trinita(miyashuさん)の記事をそのまま引用しましたが、まさにその通りだと感じています。
たとえ年間20回程度とはいえ、健康のため、そしてトリニータのために片道3km歩けますよという人は思っているよりも多くないと感じています。3km歩かされるくらいなら行かなくていいやという気持ちに変わっていくことも十分あり得るし、これが雨天となれば大半の人がその気持ちになると予想しています。
市陸になったとしても、結局はメインの交通手段は自家用車になるという結論になるのかなと思っています。当然、駐車場が確保できなければ満足度は変わることになるし、ドームという比較対象もあるのでマイナスの評価をされることも覚悟しなければなりません。私自身も、新スタジアムがオープンしたとなれば自家用車で行くのか電車で行くのかわかりませんが、ドームの頃よりもアクセス面が改善されたという目で見れたらラッキー程度にしか思っていません。
アクセス面を補えるくらい、専用スタジアムで観戦できるというところに価値を示せればよいですが、とてもじゃないが改修費用30億円でできることは限られると思っている。よくて金沢の新スタジアム程度のものができれば万々歳という気持ちでいたいです。
広島や長崎のような成功体験を大分で得られるには、多くのハードルを乗り越えなくてはいけません。広島はオリジナル10から築き上げた歴史もあって街中スタジアムを成功させることができたし、長崎はジャパネットが多額の金額を投資して、サッカーだけでなくホテルや商業施設を作り上げて強引に成功へと仕向けることができた。この流れを大分も続けるためには、伝統・文化の面や資金の面でとても足りているとは思えない。ましてトリニータ側が協力できるような体力があるとも思えないので、成功できるかどうかは河野社長がどれだけ本気を出せるかにかかっている。
トリニータ、そして大分県の活性化に繋がるのであればこのプロジェクトは進めていただきたいが、何もかもが中途半端なスタジアムになって結局ドームのほうがマシだったというリスクを背負うくらいなら攻め急がなくてもいいんじゃないかというのが正直な気持ちです。また、関係各所を敵に回すようなことは避けていただきたいです。「ドームがあるからいいじゃねえか」と言われたら確かにその通りだし、それを弁解できるだけの材料は常に持っておきたいものです。
決してドームの環境が悪いとは思っていないということもあり、積極的には歓迎をしていない感じですが、それでもこうしてメディア向けに発信するくらい具体性を持ってやると決めたのであれば、最後まで見守りたいし、成功させるための後押しはしてあげたいと思います。
じゃこの辺で
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