<七言・14字>
疎影斜水清淺 暗香浮動月黄昏 =出典:林逋・ 山園小梅
【読み】<疎影は斜 水は清淺 暗香 浮動し 月 黄昏(タソガレ)>
◎まばらな枝は斜めにのびて、水は浅く清く、かすかな香りは漂い来て、月はたそがれの中
素志與白雲同悠 高情與青松共爽 =出典:王融・廣弘明集
【読み】<素志は白雲と同じく悠に 高情は青松と共に爽かなり>
◎心志はかの白雲の如く悠々 性情は青松の如くさわやかである。
閑雲野鶴心同靜 瓶水爐香意自如 =出典:張廷琢・~
【読み】<閑雲野鶴と心同じく靜に、瓶水(ヘイスイ)爐香意自如(イジジョ)>
◎静かな雲、野に棲む鶴、我が心は同じく静かで、花瓶の水や爐の香り、心ものびのびする。
静中見得天機妙 閑裏回観世路難 =出典:載復古
【読み】<静中見得たり天機妙 閑裏回観す世路の難>
◎静中に玄妙な天のはたらきをさとり、閑の中に世路の艱難をつくずくと知る。
夕陽千樹鳥聲寂 涼月一庭花影深 =出典:李絣
【読み】<夕陽(セキヨウ)千樹鳥聲寂(セキ)たり 涼月一庭花影深し>
◎多くの木にみてる夕日の影に鳴く鳥の声はさびしく、庭一杯にさす月の影は涼しく花影は深い
桃花暮雨烟中閤 燕子春風月下樓 =出典:毛氏
【読み】<桃花暮雨烟中の閤(カク) 燕子春風月下の樓>
◎桃の花に降る夕暮れの雨は烟中に見ゆる閤で、燕が春風に飛んで此処は最早月が光をさしている。
一枕鳥聲残夢裡 半窓花影獨吟中 =出典:陸游
【読み】<一枕(イッチン)の鳥声残夢の裡(ウチ) 半窓の花影獨吟の中(ウチ)>
◎暁の鳥の声は夢まだ醒めぬ枕にひびき、獨吟する所には窓半分に花影がうつっている。
竹影掃階塵不動 月穿漂底水無痕 =出典:菜根譚
【読み】<竹影階を掃って塵動かず 月輪沼を穿って水痕(アト)無し>
◎竹の影がきばはしをはらっても塵は立たず、月輪が沼に映るが水面には跡を留めない。(俗念妄想を絶した境地)
春山無伴獨相求 伐木丁丁山更幽 =出典:杜甫・題張氏隠居
【読み】<春山伴(トモ)無く独り相求む 伐木丁丁(トウトウ)山更に幽(カス)かなり>
◎つれもなく一人で春の山を歩いていると木を伐る音がトーントーンと響き、山の静けさが一段と深まる。
青山緑水元依奮 明月清風共一家 =出典:五灯会元
【読み】<青山緑水元(モト)奮に依る 明月清風共に一家>
◎悟ってみれば青山緑水も元通り変わりないし明月清風も昔どおりである。悟っても昔どおり何も変わりない。
風吹不動天邊月 雪壓難摧礀底松 =出典:禅林句集(禅語字彙)
【読み】<風吹けども動かず天邊の月 雪壓せども摧(クダ)け難し礀底の松>
◎大空の月は風に動かず、谷間の松は雪に折られぬ(不動の意志)
水自竹邊流出冷 風従花裏過来香 =出典:禅語
◎竹のそばを流れ出る水は自然に冷たく、花々の間を通り過ぎる風は花の香りを放っている。夫々に影響し合う人生。
壽似春山千載秀 福如滄海萬年清 =出典:~
【読み】<壽は春山に似て千載秀いで、福は滄海の如く萬年清らかなり>
◎春山のように穏やかに千年も長寿をして、万年もかわらぬ大海原のような清らかな福を授かろう。「壽山福海無窮榮達」と続く。
得閑獨坐翻書巻 有客相過慰寂寥 =出典:劉伯淵
【読み】<閑を得て獨坐 書巻を翻(ヒルガエ)し、客有り相過(ヨギ)り寂寥を慰む>
◎ 閑暇あれば獨坐して書を読み、客があって訪問してくれて寂しさを慰めてくれる。
一聲老鶴月中聴 萬里秋濤天外来 =出典:朱存理
【読み】<一聲の老鶴 月中に聴き、萬里の秋濤天外より来たる>
◎老鶴が鳴いた一聲は月中に向って聞かれ、萬里の遠方より来る秋の濤は天外からする。
満地緑陰新雨後 一簾香霧午風初 (雄峰先生は最後の三字を「午後風」と表現) =出典:林温
【読み】<満地の緑陰新雨の後 一簾の香霧午風(ゴフウ)の初>
◎地上一面の至る所の新緑は、雨降った後のことで、すだれ半面にこもる香烟は午後の風吹く頃である。
春前柳葉銜春翠 雪裏梅花帯雪妍 =出典:王勃
【読み】<春前の柳葉春を銜(フク)みて翠に、雪裏の梅花雪を帯びて妍なり>
◎まだ春を迎えぬ柳の葉は春まえから翠を帯び、雪中の梅花は雪をつけて一しお美しい。
池魚自樂誰知我 林鳥相忘不避人 =出典:戴鵬
【読み】<池魚自ら樂しむ 誰か我を知らん、林鳥相忘れて人を避けず>
◎池の中の魚は自ら相樂しむ 誰か我を知ろう決して知らない、林の中の鳥は相忘れて人さへよけて逃げずに鳴く。
晴樹遠浮青嶂出 春江暁帯白雲流 =出典:王蒙
【読み】<晴樹遠く青嶂を浮かべて出で、春江暁に白雲を帯びて流る。>
◎晴天の遠方の樹は青々たる山を浮かべ出し、春の川の水は夜明けに白雲の影を帯びて流るるのである。 ※晴樹=晴天の遠方の樹。青嶂=青々たる山。
三更月照幽窓外 松竹青々碧欲流 =出典:禅林句集
【読み】<三更月は照らす幽窓の外、松竹青々として碧流れんと欲す>
庭前有月松無影 欄外無風竹有聲 =出典:事文類聚
心身脱落唯弌實 千態萬状龍弄玉 =出典:『訳註良寛詩集』または『禅林名句辞典』 *「身心脱落只貞實~~」とも表現される。
【読み】<心身脱落唯弌實 千態萬状龍玉を弄ぶ>
◎心身脱落唯弌實=まことの自己を知ること。 千態萬状龍弄玉=竜が宝珠をもてあそぶように、色々な角度から正法を説
道通天地有形外 思入風雲變態中 =出典:程明道
【読み】<道は通ず天地有形の外 思いは入る風雲変態の中>
◎道というものは天地の間のいかなるもの(有形無形を問わず)にも通じていて、人間の思考は風や雲のように変化する事象の中にまで浸み通るものである。
栄枯事過都成夢 憂喜心忘便是禅 =出典:禅語(禅林句集)
【読み】<栄枯の事、過ぐれば都(ス)べて夢と成る。憂喜心に忘れぬるは、便(スナ)はち是禅>
◎この世の出来事はすべて夢のようなものです。悟ったと思うことを捨て忘れられない感情はそのままにして、その時々を正直に生きることが大切です。
春入千林處々花 秋沈満水家々月 =出典:禅林句集(葛藤集)
【読み】<春は千林に入る処々の花、秋は万水に沈む家々の月>
◎春は林や野に花が咲き、秋はどこの家にも月は輝き水面に月は宿ります。森羅万象すべてに仏の世界が行き渡り、仏性は人々に宿っています。
楓葉欲残看愈好 梅花未動意先香 =出典:宋/陸遊詩「初冬」
【読み】<楓葉 残せんと欲す 看て愈々好く 梅花 未だ動かず 意先ず香ばし>
◎紅葉した楓の散り残りを見るのは一興であるし、梅の花は未だ開かないが、蕾のうちから何となく芳しいのです。
萬事莫如花下酔百年渾似夢中狂 =出典:不明
【読み】<万事花下に酔うに如くはなく、百年渾て夢中に狂するに似たり>
◎何事も花の下で酔うにこしたことはなく、人生は全て 夢の中に狂うのと似たようなものだ。
白雲盡處是青山 行人更在青山外 花邊好鳥春風酒 松下清琴夜月香 天寒日短烏鴉啼 江空野濶黄雲低
層舡春近幡龍起 九澤雲閑獨鶴飛 雲動乾坤三祝寿 春生雨露九霞様
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