何遠亭

未だ之を思わざるなり、
夫れ何の遠きことか之有らん
          孔子の論語より

隣のおばあちゃん

2005年07月21日 12時36分16秒 | 世に棲む日々
会社から帰宅するのは、8時過ぎです。

いつものように帰って来た時、隣の部屋のドアが開いていました。
隣には一人暮らしの92歳になるおばあちゃんが住んでいます。
暑い日の昼間とかは、キーチェーンだけつけてちょっとだけドアを開けているようです。
でも、こんな時間だし・・・?と思って、ベランダから身を乗り出して隣を覗いたら、
窓にもたれてうつむいているおばあちゃんの姿が。部屋は真っ暗・・・時折チリーンと響く風鈴の音・・・

夕食の支度をしながらも、気になって仕方が無いので、
「何事も無ければよいのだから」とインターホンを鳴らしに行った。
暫くして部屋の奥で物音がして「何でしたかね?」と出て来たおばあちゃんに、
「ずっとドアが開いてたんで・・・」と話すものの、耳が遠いので「え!?」と返される。

とりあえず、「最近朝方に道端で騒いでる人がいますよね?」と振ってみる。
「私は耳が遠いんでよく解らんけど・・・」そうだよね・・・
そのうちおばあちゃんは昔話を始めました。
「昔もこの辺は田んぼばっかでねぇ。私もずっと畑仕事やって来たけど・・・どうして辞めちゃったかね~」
「昔は○×から▲□まで電車が走っとったんだよ」

かれこれ30分位話していましたが、ひたすら「そうなんですかぁ。」を繰り返すだけの私でした。
だんなさんにも先立たれて、知ってる人も段々少なくなって来たというおばあちゃん。
近くに弟さんが住んでいるという事も話してくれたけど、
どうして一人で暮らしているんだろう?って思ってしまう
私も一人の方が気楽でいい~と思っている筈なのに、
そういう人を見るとそう思ってしまうのは・・・余計なお世話?
幸せのかたちは人それぞれだから・・・でもちょっと切ない・・・。

「おやすみなさい」と云うと、笑顔で「有難うね」と云ってくれたのが、
何だか嬉しかったです。

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