考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

教育重視でメダルを逃す?

2006-03-14 22:56:14 | スポーツ全般

今週の日経ビジネス(2006.3.13号)の「敗軍の将、兵を語る」を読みました。
今回は、トリノオリンピックの日本選手団団長の遅塚研一さん、見出しは「教育重視でメダルを逃す」。読んでいて、顔が熱く、そして背筋が寒くなりましたね。
今日は寒かったからでしょうか・・・

みなさん、ハローです。ホディです。

オリンピックが終わって早くも2週間ですね。荒川選手とチーム青森以外はすっかり忘れられているような感じです。ボクもすっかりWBCモードですし。
そんなものでしょうかね・・・

さて、遅塚さんの兵を語る。
ある意味、評論家よりも厳しいことを書かれていますね。
「(オリンピックに出れただけで満足ですと言っている選手いるから)選手団の士気やクオリティーに影響が出ますよ。」とか、「長野オリンピックのヒーローにすがりたいという気持ちがあるのは分かる。けれど、さすがに原田選手が活躍する時代じゃないと思いますよ。」とか、「特にチームスポーツの選手を強化しようと思ったら、高体連は最大の障害でしょうね。若い選手を強化するためには、高体連や中体連などの学校教育からいかに才能のある選手を引き離せるかだと思っているのです。」・・・
とこんな感じです。
あまり要約すると、このコーナーの趣旨に反すると思いますので、興味のある方は是非、全文読んでください。

書かれている内容が的確かどうかは別として、日本オリンピック委員会(JOC)の人が、しかも今回のオリンピックの団長がこれじゃ堪りませんね。メダルを取れない選手は、失敗した選手はダメだったのか?、JOCの評価はメダルが基準なのか?と思います。
生意気なことを言いますけど、遅塚さんにはJOCの理念を熟読していただきたいと思いますね。

<JOCの理念> 
JOCの使命は、全ての人々にスポーツへの参加を促し、健全な肉体と精神を持つスポーツマンに育て、オリンピック運動を力強く推進することにある。
オリンピックを通じて、人類が共に栄え、文化を高め、世界平和の火を永遠に灯し続けることこそ、JOCの理想である。
http://www.joc.or.jp/aboutjoc/mission/index.html

オリンピックにアマチュアイズムを求める時代ではないのかも知れませんけど、「勝利至上主義」「メダル至上主義」は勘弁して欲しいです。
学校教育が足を引っ張ってメダルが取れないような競技だったら、入賞や10位以内、20位以内、あるいはオリンピック出場を目指せばいいんですよ。もちろん「学校教育」だけが教育のすべてではないですけど、「メダル」だけが人生のすべてでもないわけです。指導者が悪いのであれば、指導者を指導するか、指導者を派遣するなどで、JOCはできる限りの援助をするしかない、学校教育から引き離すなんて考えてはいけないことだと思いますよ。

プロもアマも勝てばよいというものではなく、スポーツによって感動や勇気を与えることであったり、それこそ「人類が共に栄え、文化を高め、世界平和の火を永遠に灯し続けること」に貢献することが理想(目標)だと思うんですよね。もちろん選手は勝とうと、メダルを取ろうと、一生懸命にがんばるから感動や勇気を与えるんですけど。
JOCの方には、「メダルが取れなくて残念だったけど、選手はがんばった。次に備えてがんばっている選手も沢山いる。JOCは選手を応援していく。」と、「メダルは逃したけど、選手はそれぞれメダルに匹敵するような大切なものを得たはず」と答えて欲しかったですね。

最後にもう少しだけ。話はそれますけど、企業スポーツは厳しいんですね。
今日のニュースから・・・

旭化成が伝統バレー部廃止 Vリーグ、譲渡先探す
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20060314&a=20060314-00000232-kyodo-spo

旭化成は14日、バレーボールVリーグ男子のチーム「旭化成スパーキッズ」を6月末までで廃部にする、と発表した。チーム存続を念頭に、譲渡先を探したいという。(共同通信)

逆に昨日のニュースでは・・・

つくばユナイテッドがV1リーグ昇格
http://www.sanspo.com/sports/top/sp200603/sp2006031316.html

バレーボール男子のVリーグの2部に相当するV1リーグの来季出場権を懸けた入れ替え戦は12日、北秋田市鷹巣体育館で行われ、地域リーグ優勝のつくばユナイテッド(U)が3-2でV1リーグ8位のトヨタ自動車に勝ち、2連勝でV1リーグ昇格を決めた。(サンスポ)

Vリーグ(1部リーグ)では名門企業チームが廃部になり、V1リーグ(2部リーグ)には新鋭のチームが昇格します。
企業がスポーツを支えられないのは、分かる気もしますけど、残念ですよね。この流れは続きそうな気がします。その一方、以前にも記事に書きましたけど、つくばユナイテッドチームとは、筑波大学のバレー部を主体としたクラブチームのことなんです。今までの企業スポーツ中心のあり方を変えようとしているひとつの姿なんですけど、是非、このチームについて見てみてください。
こちら ⇒ http://volleyball.taiiku.tsukuba.ac.jp/outline.html

偉い人や企業に左右されるスポーツって、と、そんなことを考えだすとつまらない・・・自分で勝手に考え出したんですけど。。。
ボクらはスポーツを観ていると、勝っても負けても感動できるんですよね。
がんばっている選手を、好きなチーム・選手を気持ちよく応援したいですね。


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4 コメント

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どこにでも評論家はいるもの・・ (fall)
2006-03-15 06:53:07
本気で「オリンピックに出れただけで良かった」なんて思ってる選手がいるんですかね?金メダルに輝いた荒川選手以外、口ではそう言っていても心の中は悔しい思いで一杯なのではないでしょうか?

然るべき強化を怠っていながら「メダル5個」なんていい加減な予想をしていた彼こそ"お気楽さ"を断罪されるべきではないでしょうかね!

ただフィギュアの安藤選手やスキージャンプの原田選手あたりはもう少しプロ意識をもって欲しいと感じましたが・・・。



とは言え、不正疑惑発覚のフィギュア協会や選手から集金するだけのマイナー協会、監督とは名ばかりの文部科学省のほうがはるかに問題ありですけどね。

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re:どこにでも評論家 (hoddy)
2006-03-15 08:03:08
fallさん、コメントありがとうございます。



ホント、記事を読んでもらえば分かりますけど、遅塚さんは見事に第三者のような視点から語っているんですよね。JOCには責任はないような感じです・・・メダルの数がすべてではないですけど、やはり「メダルが5個」取れそうな実力がある選手団だったら、その力を十分に発揮させてあげられる環境やモチベーションを整備するのがJOCや選手団のスタッフだと思うんですよ。

選手だけ責めて、JOCは何なんだ?と思いますね・・・



安藤選手も原田選手も、個人的には大会前からコンディションが万全でなかった、もしかしたら別の人を選ぶべき選手だったのかも知れないと思っています。そういう選手を選んだのは周囲であり、マスコミも変に期待を持たせた挙句・・・ポテンシャルからすればもっとできたかもしれませんけど、本番に弱い人は世間にも多いわけで、かわいそうな気がするんですよね。

そういうボクも、第三者の素人評論家のようなものですけど、身近にいる人ほど結果には寛容であって欲しいです。



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参りましたね (yuyu)
2006-03-15 10:03:21
第三者的立場のモノの言い方が、分析能力や知的だって思い違い、勘違いをしているんじゃないかと見紛えるモノの言い方でしたね。

JOCの理念…

hoddyさん、思い出させて下さってありがとう。

この理念は、全てにあい通じますよね。

人の所為は楽だけど、ほんとに楽かな?とも反面思います。

他人には言い訳が通ったとしても、自分の心の中の本心、本音は見えない振りしても、気が付かない振りしても…抗えない。

4年に一度の集大成の大舞台。4年毎に、人々も成長して学習していたいですよね。

勉強や、表現なんか出来ないモノを現場にいる人達は得ている筈だと思っていたし、そんな宝物、そうそうは得られないし、体験出来ない!

私もまだまだ(永遠に!?)未熟だけれど、心して、日々少しでも僅かでも(笑)成長したいな~





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re:参りましたね (hoddy)
2006-03-15 23:56:28
yuyuさん、コメントありがとうございます。



JOCの理念、いいですよね。ホントおっしゃるとおりすべてに通じるものだと思います。

周囲がそうであったとしても、最後までJOCだけは理念を通して欲しい・・・「メダルのように形には見えないけど、選手が得たものは大きいし、選手がもたらした功績も大きい。」と言って欲しかったですよね。



ボクも未熟です。きっと永遠に未熟です。

だから人生面白いのだと思いますね!お互いがんばって成長しましょう!!



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