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クロスチャネルとは

2021-11-10 15:02:47 | ビジネス
クロスチャネルとは、マーケティングにおける基本的な考え方の一つにあたり、オフラインリアルでの経路とオンラインでの経路、そして両方を持つ企業の場合には、是非とも理解しておきたいものの一つと言えるでしょう。その他にも似た言葉も多いので、その意味や違いなどをしっかり把握し、メリットやデメリット、また具体的にどのような施策の打ち方があるのかなどを、しっかりと把握しておくことが求められます。


まず最初にマーケティングの世界においては、常に新しい考え方、施策などが生まれ、それが次々と定番化していくのが実情です。特に販売業を営んでいる人が、基本の一つとして押さえておきたいこととして、チャネルを軸にした一連のマーケティング理論が挙げられます。そもそもチャネルとはどのようなものなのかと言うと、売り手と買い手の接点を表す言葉といえばわかりやすいでしょう。

販売窓口となっている店舗等で、また訪問営業をはじめとし、問い合わせセンターやSNSアカウントなども、全てチャネルの一つに該当します。まず最初に始まるのがシングルチャネルと呼ばれるもので、顧客との接点をひとつしか持っていない状態のことを指しています。販売業が前提となっているため、この場合には、販売窓口が接点となるでしょう。従来であればシングルチャネルとしてスタートするケースは、まず実店舗を持つことと言えるでしょう。

そして一歩進化した形態にあたるものがマルチチャネルと呼ばれるものです。マルチチャネルにおいては、複数のチャネルを持つことになるでしょう。実店舗を構えていた店が、EC販売を始める、宣伝のためにTwitterやInstagramなどのSNSアカウントを持つなどのことが、マルチチャネルに進化したということです。マルチチャネルの段階においては、それぞれは独立しているものといえばわかりやすいです。実店舗とECサイトなどは、それぞれ個別に管理システムがあり、顧客や在庫情報のデータの連携がなされることはありません。

このようなことから具体例を挙げると、店舗とECにおいて、個別に購入ポイントを貯めるなどの現象が発生してしまうのです。またその他にもECには在庫があるのにも関わらず、店頭では売り切れてしまったので、来店した客に対して販売できなかったというトラブルも起こり得るでしょう。シングルチャネルよりも販売機会が大幅に広がるのがマルチチャネルですが、場合によっては弱点が残る状態であることがわかります。

そこで登場するものとして、クロスチャネルが挙げられます。クロスチャネルとはどのようなものなのかと言うと、複数のチャネルを持ち、なおかつチャネル同士で顧客や在庫のデータを連携することです。情報がすべて一元化されて、これらがすべてリアルタイムで更新されるのです。このようなことからどのチャネルからも顧客の購入履歴を蓄積する、ECの在庫を確認するなどの事が可能となります。

シングルやマルチと比べると、買い手にとっては利用しやすい状態になり、また売り手にとっても販売活動を最適な状態にすることが可能となります。そしてさらにクロスチャネルを進化させたものが、オムニチャネルです。オムニとは全てのという意味があり、全てが統合されたという状態です。顧客に対しスムーズに購入を提供できる状態と言えるでしょう。

オムニチャネル化すると、具体例を挙げると実店舗とECの両方で共通のポイントを貯めることができたり利用することができる、またECで購入したものを送料無料で実店舗で受け取れるなどのことが実現できることになります。クロスとオムニチャネルの違いは具体的にどう違うのかと疑問に思う人もいるかもしれません。確かにこれらには大きな違いがないように感じるかもしれません。オムニの場合には、顧客の満足度を向上させた上で、店舗やブランドに対しロイヤリティを高める効果が期待できます。

クロスチャネルやオムニチャネルを実現させるためには、かなりの費用や時間と労力がかかることになります。そのためもしもこれらを実践したいのであれば、全社で取り組みを行う必要があります。その一方で単純にチャネルを増やすマルチチャネルの場合には、導入までのハードルはそれほど高いものではありません。SNSアカウントの場合には多くは無料で始めることができ、近年ではリスクも低く、またコストもそれほどかからない通信販売がスタートできる無料のASPのサービスなども充実しています。

とはいえそれでもクロスチャンネルを導入するメリットは非常に大きいものと言えるでしょう。マルチチャネルの場合にはデータ連携ができないことから、顧客に対し満足度の高い購入体験を提供しにくくなってしまいます。せっかく販売できるチャンスを増やせたとしても、これではもったいない状態と言えます。クロスチャネルマーケティングを実践するにあたり、代表的な3チャネルとされているものがアプリとSNS、そしてWeb広告の三つです。これらを活用することで、顧客とうまくコミュニケーションを図り、効率よくアプローチすることができるでしょう。