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【#ハンギョレ】半分の方が効果が大きい? アストラゼネカのワクチン臨床試験の謎

2020-11-28 03:37:01 | 新聞記事
第1グループ90%、第2グループ62% 
差の出る理由の説明はまだなし 
オックスフォード大学「医学ジャーナルでの発表を待ってほしい」

 多国籍製薬企業アストラゼネカが英国のオックスフォード大学と共同開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、同ワクチンが臨床試験で最大90%の免疫効果を示したと発表された内容には疑問点があるという指摘が出ている。英国『フィナンシャル・タイムズ』が26日(現地時間)報道した。

 アストラゼネカは、英国とブラジルで2万人以上を対象とした臨床試験を行い、通常の1回分の半量のワクチンを接種してから1カ月後に再び1回分のワクチンを接種したグループが、90%の効果を示したと23日に発表した。もう一つのグループは1本のワクチンを打って1カ月後に同量を再び接種し、効果は62%だった。同社は、両グループの平均は70%程度だと発表した。アストラゼネカのワクチンは2回の接種を要する。

 26日付のフィナンシャル・タイムズは、「90%の効果があったというアストラゼネカの臨床試験の参加者たちの年齢は55歳以下だった」とする米ホワイトハウスのワクチン開発プロジェクト(「ワープ・スピード作戦」)の責任者モンセフ・スラウイ氏の主張を報じた。コロナの症状悪化リスクは高齢者ほど高まる傾向がある。アストラゼネカは臨床試験の結果発表の際、参加者の年齢は公開していない。スラウイ氏は「要因はいろいろあり得る」と述べ、結論は留保したと同紙は伝えた。第1のグループで高い効果が現れたのは「偶然」である可能性もあると付け加えた。

 アストラゼネカのワクチンの臨床試験に疑問を呈する人たちが出ているのは、第1のグループと第2のグループで効果が違う理由をアストラゼネカが説明できていないためだ。アストラゼネカは、他のワクチン開発会社と異なり投与方法を二つのグループに分けて試験を行ったのは、誤りのためだったと明らかにした。開発者の言葉を引用してロイター通信が報じた。英国で行われた第1グループで、誤って半回分を接種したことが後に分かったものの、試験を続行したと明かした。結果的に、最初に誤って半回分を接種させたグループの方が、免疫効果が高く現れのだ。

 アストラゼネカの発表によると、90%の免疫効果を示した第1グループの臨床試験の参加者数は2741人だったが、62%の免疫効果を示した第2グループの臨床試験の参加者数は8895人で、3倍以上の開きがある。フィナンシャル・タイムズによると、90%の免疫効果が出た第1グループの臨床試験の参加者が少数のため、米国では承認を受けられないかもしれないという声も出ているという。アストラゼネカの株価はロンドン株式市場で、臨床試験の結果が発表された23日に3.81%下落した。25日にはさらに2.5%下落した。

 しかし、アストラゼネカとともにコロナワクチンの開発を行っている英オックスフォード大学のサラ・ギルバート博士は、少ない量で免疫効果がより高く現れる可能性もあると主張してきた。ただし、このような形でワクチンが開発された例はないと同紙は付け加えた。

 このような物議にもかかわらず、アストラゼネカのワクチンは、ファイザーやモデルナのワクチンと比較すると強力な長所がある。アストラゼネカのワクチンは、1回分の価格が3~4ドル程だという。1回分が19.5ドルのファイザーのワクチンより安い。またアストラゼネカは、同社のワクチンが冷蔵庫程度の摂氏2~8度で6カ月間保管できると発表している。マイナス70度やマイナス20度で6カ月間保管できるというファイザーやモデルナのものに比べ、保管と普及がしやすい。

 オックスフォード大学は、臨床試験の結果に関する具体的な内容のさらなる公開を待ってほしいと述べる。「これは複雑な科学の領域の問題だ。(医学ジャーナルの)『ランセット』に臨床第Ⅲ相の結果が発表されるのを待ち、この問題についてさらに議論することを望む」と語った。

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/971624.html


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