daiozen (大王膳)

強くあらねばなりませぬ… 護るためにはどうしても!

自分の感受性くらい①

2014年10月20日 | 詩人 - 鑑賞
             

詩人・茨木のり子(1926-2006)を見つけた。
私はこれほど気持ち良い歯切れの詩人を他に知らない。

茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


茨木のり子と私の違い‥その差は僅差だが大きい
彼女は社会的な成功を収める才能に恵まれていた
もっともっともっと世に知られていい存在だった
だが彼女は世間的成功に価値を見なかったようだ
彼女は勇気の人・覚悟の詩人だったと言えそうだ
その茨木のり子に私が惹かれるのは生き方なのだ
百年後に生れたら時代の寵児と持て囃されたかも
しかし現代に生れたから彼女には高い価値がある
ちやほやする空気に呑みこまれることなく生きた
彼女の環境に生れ育ったとしても真似を出来まい
大概の人は欠点が目立つが、彼女は長所が大きい
いやいや、私は足元にも及ばない偉大さを感じる

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